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北千住に仕事で行った際にグルメサイトを見ると駅近に『天婦羅いもや』とある。天ぷらで『いもや』と言えば数年前に閉店した神保町の店が思い出される。これは行かねばと12時10分前に入店すると何と一番乗り。確かに32°Cが続き、うだるように暑い中揚げたて天丼を食べに来る人は少ないかも。
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入店してメニューと睨めっこしたか、候補は3つ。上天丼(1150円)、海老天丼(1000円)、天丼(850円)で悩む。困った時は真ん中と海老天丼にする。
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店主は徐に粉に水を入れはじめ、太い箸でゆったりかき混ぜる。野菜からこの液体に浸けると熱い油の中に一つずつ投入。若い男性店員が熱い味噌汁とおしんこを運んできてくれる。
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ご主人は海老を取り出してワタを取り、また粉をつけて油の中に。揚げ終わるとご飯の入った丼に並べて、若い男性店員に渡す。彼は丼ツユを上から掛けて、蓋をして持ってきてくれる。
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具材が多くて蓋がしまらない。蓋を取るとたくさんの天ぷらが乗っている。野菜はかぼちゃ、ナス、ししとう×2、大葉、海老は3尾。まずは味噌汁を一口、豆腐の赤出汁は熱いけど美味い。
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まずはかぼちゃを一口、甘さが引き立つ。丼ツユは旧いもやよりは薄めであっさり、しかし、油がこちらの方がよく、軽めに仕上がっている。海老もちゃんと仕事がしてあり、薄めの衣は外はカリッと、中はしっとりという仕上がり。
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ししとうは一口で頂くが、珍しく辛い。漬物も白菜と胡瓜をお店で漬けていて少し酸味が暑い時には美味い。丁寧な仕事は好感が持てる。ご主人にどのくらいやっているのですか、と聞くと既に50年、なるほど神保町の味ではなく、千住の伝統の味であった。ご馳走さまでした。
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天婦羅いもや
足立区千住3ー31
0338819744
足立区千住3ー31
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