京都駅に着いたのは1041、当初は1122(のぞみ19号)の予定だったので約40分早く到着したことになる。この時間を有効に使わぬ手はないとまずはお土産を買いに行く。
と言っても京都駅などのお土産屋さんで買えるものではなく、老舗昆布屋『ぎぼし』さんがつくるえびせんやあられの入った『ふきよせ』を買いに行く。場所は柳馬場通四条(やなぎのばんば)、タクシーの運転手に告げるとすぐに行ってくれた。
店の名前のぎぼしは欄干の上に付いている色々な球を縦に並べたような格好の飾りで漢字では擬宝珠と書く。なぜこの店がこの名前になったのかは知らないが、確かふきよせの中に擬宝珠の格好をしたあられが入っていたはず。
店は明治初年の創立の昆布専門店で店内には色々な削り方をしたおぼろ昆布や揚げた昆布、出汁用の昆布などを売っている。しかし、今回の目的は豆やあられ、えびせんなど20種類が入っているふきよせというお菓子。今で言うスナックである。
京料理で吹き寄せというと芋や野菜、昆布などを葉や実に見立て、風で集まった様子を表現した料理で、ここから取ったものだろう。
金属の箱に入ったもの、自家用の袋入りなど色々あり、幾つかを娘のところに送ることにした。
四条通までもどり、あと1週間で始まる祇園祭前の風情を楽しむことにする。店にはミニチュアの山鉾や提灯などが飾られていて祭りを盛り上げている。
一本中に入るといわゆる町家の造りの蕎麦屋さんやお好み焼き屋などが並んでいて古民家好きには堪らない。
また、新京極という商店街にも昔ながらの漢方薬屋や洋食屋などこの建物何年経っているんやろ、というものも少なくない。
クラシックな建物で有名な東華菜館の前を過ぎると四条大橋、川沿いには何軒もの床がみることができる。その前には意外に綺麗な鴨川が流れているが、暑すぎるのか川を眺めるカップルの姿は皆無である。
さらに行くと歌舞伎創始者と言われる出雲阿国像、南座、葛切りで有名な鍵善、あぶらとり紙のよーじやなどの前を通り、祇園の交差点に至る。
よく見ると八坂神社も祇園祭の幟が立っていた。ただ、ここまで歩くだけで汗が吹き出し、法事を行う黒谷までは流石にタクシーに乗った。(以下、次回)