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切手シリーズ その3。切手趣味週間という言葉は昔一回でも切手収集をして、ストックブックやピンセットを持っていた人なら必ず耳にしたことはあるはず。
では、切手趣味週間の起源、いつが趣味週間なのかあたりのことを知っている人は少ない。
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まず、制定されたのは1947年で北斎の1円切手を5枚並べた小型シートが発行され、オリジナルデザインの切手は出ていない。また、制定された頃は11月だったが、1958年からは郵政記念日(4月20日~明治4年東京・大阪間で近代郵政制度が開始された日)を含む一週間に変わった。
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オリジナルデザインの記念切手が初めて発行されたのが1948年の菱川師宣画の『見返り美人図』。これはなかなか斬新な切手、というのも今まで日本で発行された中で最も大きい67×30mmの縦長サイズ、オリーブ色一色ながら当時の技術を駆使したもので、発行枚数も少なく大変な人気を博した。
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翌年発行されたのが、歌川広重画の『月に雁』、これも同じサイズで、1975年(昭和50年)頃には見返り美人が2万円、月に雁が6万円近い小売価格がついた時代もあり、切手少年には垂涎の一品であった。
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そこからしばらくブランクがあるが、5年後の1954年に当時の10円普通切手(法隆寺壁画)10枚の小型シートが発行された。
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そして1955年11月喜多川歌麿画『ビードロを吹く娘』、1956年11月東洲斎写楽画『えび蔵』、1957年11月鈴木春信画『まりつき』そして1958年4月鳥居清長画『雨中湯帰り』と浮世絵のデザインの切手が続く。
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その後は絵巻物や屏風絵などが続き、1965年4月発行の上村松園『序の舞』から女性を描いた現代画になっていく。1975年4月『松浦屏風』からは連刷2枚組の屏風絵や浮世絵、1985年4月竹久夢二作の2種連刷からはまた現代画、その後はガッター入りのペアや小型シートなどバリエーションは増えたが、女性の絵画が中心で今に至る。
今は昭和の頃に比べブームが去り、収集家が減少したことから、切手のカタログ価格は月に雁で13000円は維持しているが、買取であればその何分の1という時代。逆に欲しければ大人買いをしてみる手もあるかもしれない。