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吉祥寺には美味い蕎麦屋が多くある。先日、老舗のよしむらは廃業してしまったが、『上杉』『吉祥寺砂場』『中清』『まつや』などいくつも浮かんでくる。その中で今日はカレー蕎麦が食べたくなり、駅から公園方向の出口を出た向かいのビルのB1にある『ほさか』にお邪魔した。
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実は私がかつて住んでいた富士見ヶ丘(吉祥寺駅から井の頭線で4駅目)に同じ暖簾の店があり、よく行った店なのである。名物は五色蕎麦という変わり蕎麦(田舎、胡麻、紫蘇、白雪、茶そば、梅切りなど5種類の季節の味を練り込んだざるそば)なのだが、隠れた名物が『カレー蕎麦』である。
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どうしてもカレーというと蕎麦よりうどんになりやすいが、ここのカレー蕎麦は日本橋やぶ久と並んで秀逸と私は思っていて、因みに値段は1130円。もう少し出せば鴨カレー蕎麦もある。
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店は古民家風で最初カレー蕎麦を注文すると少し待って頂かないとと言われたが、すぐに訂正、無事注文できた。周りは天ぷらや卵焼きをつまみに呑んでいる人ばかり。まずは薬味のネギと器、木のサジが登場。
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5、6分でカレー蕎麦もやってくる。ちゃんと鴨肉も4切れ入っていることを確認、次に薬味を降り、まずはツユから。これがカレーと返しがマッチしていて、出汁の旨さが溢れている。
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蕎麦は細打ちをお願いしたが、喉越しも良く、ツユにもよく絡む。三つ葉を除くと後は玉ねぎのみのシンプルなツユだが、これがいい働きをしている。
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もちろんカレーの味付けだが、一方で和食であり、これを発明した職人には頭が下がる。また、脂の付いた鴨肉はもちろん美味い。いつまでも噛んでいたくなる味である。蕎麦は割に量があり、結構、満腹になる。もちろん、ツユは最後まで、こんな時に塩分摂取量や血圧を考える場合ではない。食べるとホッと温まる、本当に冬の御馳走である。
ほさか
武蔵野市吉祥寺南町1ー4ー1井の頭ビルB1
0422422118