『昭和レトロカレー』②。カレーライスは立喰そばやラーメン屋、牛丼屋などでもサイドメニューだけでなく、メインに次ぐメニューにしていることも多い。これが昭和レトロカレーに入るのかはよくわからないが、食べるとレトロなカレーの味がすると私が考える吉野家に行く。
吉野家のカレーは大別すると2種類あり、バターチキンカレーとスパイシーカレー。今回の趣旨からスパイシーカレーに焦点を当てた。肉の種類と量で牛スパイシーカレー(589円)、牛カルビスパイシーカレー(699円)、肉だくスパイシーカレー(699円)、牛×牛スパイシーカレー(864円)などがある。今回は肉だくスパイシーカレーを頂く。
小伝馬町の吉野家は弁当の入口と通常の丼の入口が異なり、通常入口から入店。近年、立喰そばは食券を先に買うシステムとなっていることが多いが、吉野家は相変わらずフロアの店員に注文をする。予め決めておいたので『肉だくスパイシーカレー』をお願いする。
すぐにお冷登場、わずか1分後にはカレーが到着。まあ、ご飯を入れて、これに牛丼の具を乗せ、最後にカレールーを注ぐだけだからである。
器は普通のカレーライス皿よりは丸く、丼よりは横長、深めの皿に入ったルーをまず一口。熱く、スパイシーでかなり辛味も強い。これだけなら昭和レトロカレーとは言えないだろう。しかし、牛バラを煮込んだ具が甘口のため、カレーと具を一緒に口に運ぶとうまくバランスが取れ、懐かしい味となる。
もちろん、牛丼として食べる場合はルーのない部分の牛バラとライスを掬って食べれば牛丼となる。不思議なカレー、しかし食べるとクセになる。
福神漬やラッキョウはなく、皿の空いたところに紅生姜をたっぷり乗せ、カレーと一緒に食べる。すると塩気も効いて、味変完成である。肉だくだけあって牛バラ、玉ねぎはたっぷり、具は2種類だけのシンプルさもいい。ルーのスパイスのバランスを考えた上で牛丼の具を生かすメニュー、これはかなり上級のテクニックを使ったものである。
うん十年前の牛丼と牛皿しかないなど昔話、吉野家も小鍋を煮るすき焼き定食、サバ定食(鯖塩焼き+牛皿の定食)、鰻丼などバラエティも豊かになっている。ご馳走さまでした。
吉野家小伝馬町店
中央区日本橋堀留町1ー11ー10
0356458140