『古墳と遺跡巡り』東京編②、府中市。今回は国史跡に指定されている武蔵府中熊野神社古墳を訪ねて見た。場所は府中市西府町、電車ではJR南武線西府駅からが最も近い。
国道20号線に面しているため車で行ったが、反対側。やむなく次の信号のところにあるファミマの駐車場でUターン。前まで行って資料館の人に駐車場を尋ねるとここにはない、有料駐車場を探してくださいと言われた。
やむなく付近を走るが駐車場は結構混んでいて600mも離れたコインパーキングに入れて歩く。
ようやく古墳のある公園に到着、写真では見たことがあるが、見事な上円下方墳である。熊野神社の社殿の裏手にある。
ぐるっとまわると裏手にも神社の鳥居がある。正面まで行くと台形の入口が分かる。その横には見事なタンポポ畑、つい先日まではサクラが綺麗に咲いていただろう。
規模は東西8m、南北13m、深さは1.5m以上あり、三層構造で1層と2層は正方形、3層は丸くなっている。上円下方墳は先日訪れた三鷹市の天文台敷地古墳など全国に5つしか確認されていない珍しいものである。残念ながら副葬品は明治時代に開口していたため、盗掘されていて銀地金象嵌鞘尻1点、刀子4点、ガラス玉6点が残されていたのみ。被葬者は2名で東国の有力者と推定されている。
元は熊野神社の裏手にあった小さな山のように見えていた部分から河原石が幾つも出てきたり、関東大震災で石室の入口が現れたりしたことから本格的に発掘が始まり、さらに熊野神社の社殿が一部かかっていることからこれを曳家で動かし、地域住民も協力した。発掘後には埋め戻し、さらに多摩川の河原石を積み上げ現在の形で保存されている。
展示館2階には詳しく発掘の模様や位置付けなどが説明されていて周囲にも古墳が多く点在していることも分かった。副葬品は少ないがその中でも銀地金象嵌鞘尻にある七つ星は富本銭にもある貴重なものでもし盗掘がなければもっと大きな発見となっただろう。
(レプリカが展示されている)
また、別棟には石室を模型で再現しており、中に入り広さを確認できる。入口は身体を屈めてようやく入れる程度だが、中に入ると意外にも天井が高く、太古の昔に作られたとは思えない精巧な造りであったことがわかる。
ただ、立派な展示館や公園はいいのだが、駐車場はなく、確かに国道20号線沿いではあるが駅から歩くと距離もあるので駐車スペースの確保があればもっと多くの人が来るのにと残念に思った。
武蔵府中熊野神社古墳
府中市西府町2ー9