静岡旅行⑧、梅林を見た足で本日の宿がある袋井市に向かうのだが、まだ少し早いので袋井三山と呼ばれる名刹の一つ、『秋葉総本殿可睡斎』というお寺に向かう。
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可睡斎とはかなり変わった名前の寺だが、実は1401年に恕仲天闇禅師により開山された。11代住職の仙隣等膳は今川義元の人質となっていた頃の松平竹千代(その後の家康)の教育をしていたことがあった。その後、浜松城主となった家康はその恩を忘れずに等膳を城に招き、旧交を温めたが、その際に長旅の疲れから居眠りをしてしまった。
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これを家康が『和尚我を見ること愛児の如し。故に安心して眠る。我その親密の情を喜ぶ、和尚眠るべし』と言ったことから和尚は『可睡和尚』と呼ばれた。この事から寺も可睡斎と呼ばれている。また、明治初年に神仏分離令が出た際に秋葉山の三尺坊大権現が遷座され、火防火除の寺となった。
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この面白い名前の寺は長い石段があり、これを越えると仁王門、顔の大きな仁王様が睨んでいる。
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正面に本堂、左側には大黒天を祀る大黒殿。大黒様と火焔太鼓、横には大きな下駄が奉納されている。
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左側の石段を登ると秋葉山総本殿三尺坊御真殿があり、狛犬の代わりに迦楼羅と天狗が睨んでいる。
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これら全てを参拝し、受付のある瑞龍閣に戻る。ここには正月から3月まで32段1200体ものお雛様が飾られているという。拝観料を払い、中に入ると長い廊下に出る。中の配置図を見るとつい先ほどお参りした大黒殿や御真殿まで全て渡り廊下やエスカレーターでつながっている。
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初めから瑞龍閣から入れば雨に濡れる事なく参拝ができるようである。
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建物の周りにもお雛様が飾られていてその数は数えきれない。幾つもの道具を持っていたり、お屋敷に配置しているものがあったり、見飽きることがない。
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さらに2階に上がると大広間があり、その奥には32段1200体のお雛様が聳え立っていて最上部は天井に着いている。その手前の部屋にもハートを模った台の上にお雛様。
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また、床の間には桃という大きな字が書かれておりこの周りにもお雛様、一日でこれだけのお雛様を見たのは初めてである。毎年元旦から3月末までの恒例行事のようである。
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立派な本堂や秋葉山総本殿もすごかったが、やはりお雛様に圧倒されたというのが、正直な感想である。
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最後におまけ。日本一の大東司(トイレ)がここにある。男子トイレだが、真ん中にトイレの神様である『烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)』の銅像が真ん中にあり、巨大な水盤、やけに高い小便器、これらを見ると日本一を標榜するのもよくわかる。もちろん、用を足しました。(以下次回)