この金融系引き去りも、考えてみれば
・金融側にとっては、不在の多い教職員を何度も学校に訪ねたり、自宅に夜集金に行くよりは、いつも職員室や事務室にいる事務職員に引き去ったうえに預かってもらう方がナンボか楽。
・職員側にとっては、一度受け取った給料袋から現金を銀行員にわたすより心理的にOK。おまけに簡易保険のように割引きになるとくりゃ。
・事務職員側にとっては、前回お伝えしたように引き去り事務はある、保管のリスクは負う、額が違ったりやったのやらないののトラブルをかかえることになる、いいことは何にもない。
……第一、こんなの仕事じゃなくて単に好意でやっていること、に過ぎないのに、まわりはそれを当然のことと受け取るわけだから、事務職員の職務確立にマイナスな以上に教員たちの社会性の無さを助長するだけだ。
では現在はどうだろう。給与振込の導入と同時に引き去りは一気に整理され、簡易保険は学生協一括引き去りによって割引きも利便性も保障されている。万々歳……なんだろうか。鹿児島の事例と同じように、わたしたちの常識の方が鈍磨している引き去りってないだろうか。
たとえば『旅行積立』。職員旅行は確かにたのしい。日頃謹厳実直な人間の意外な姿を知ることで、職場の生活があたたかなものになる傾向は確かにあるだろう(その逆もあり)。でも、いまさら同じ職場にいる人間たちと旅行なんかかます時代だろうか。
たとえば『忘年会』。職員旅行にしてもそうだが、わざわざ遠出までして一泊の忘年会、何でやんなきゃならない?主婦職員にしてみれば家庭を離れるいい機会だの朝食を作んなくてもよくて一泊は最高!という意見もわからないでもない。でもさあ……わたしは前の中学校ではそのことごとくをつぶして来たのに、小学校では一泊遠出志向が堅固で、いかんともしがたい。わたしが特別に個人主義者だというならともかく、若い世代には拷問だと受け取る向きもあるらしい。考え直す時期だよなあ。
さて、ひとつオマケ。山形県教職員共励会のこと。管理職のほぼ全員が加入していて、校長会、教頭会のいずれにも分掌として『共励会担当』がいるというこの強力な組織はいったい何だろう。この組織のおかげで山形県教職員の退職手当の振込先に、“山形県の大番頭”山形銀行をおしのけて殖産銀行(当時)がシェアトップにいるという不思議。管理職の天下り先として貴重なのはわかるけれど、新給与システム稼働時に、給食費の電算引き去りは学校事務職員がさんざん要望してもかなえられなかったのに、共励会だけはこっそりコードを獲得していることからみても、その強さは並大抵のものではないんだろう。
でまた事務職員もこいつを組織化しつつあるわけなんだけど……どうなの?ひとつの金融にリスクもかえりみず、しかも自己責任、ペイオフの時代に逆行しつつも加入するメリットっていったいなんなんだ?おそらく反論たくさんあるんだと思います。論破してくれ。
画像は「陰陽師」(’01 東宝)
おっとこれはいい。東宝の映画だけがヒットする寡占状態がすすんでいるが、野村萬斎を引っぱりだせただけでもこの映画化は成功。ワイヤーを使ってひらりと跳び上がり、着地した瞬間、二本の指で呪を唱える萬斎のかっこよさったら!
でも夏川結衣はミスキャスト。あの役はもっと病的な女優にやらせるべきだった。
若いときの岩下志麻とか、一番痩せているときの宮沢りえとか(笑)☆☆☆★★★
→2007年現在、夏川結衣がまさかこれだけいい役者になるとは!