組合情宣シリーズ。今回は勤務割について。
発行は2002年6月18日でした。
今年新規採用された人など、何がそんなに大騒ぎなのか、と不思議に思っているかもしれませんが、大急ぎで週5日制とは何なのかをふりかえってみます。
かつて公務員の勤務時間が週40時間になったとき、知事部局(まあ、県庁の連中と考えてください)は月~金に8時間働き、当然のように土日はオフ、という体制になりました。しかし学校は月~金の他に、土曜日も半ドンで“営業”していましたから、知事部局のルールをそのまま引用することはできませんでした。そこで出てきたのが“まとめどり”という裏技。本来休むはずの土曜日の4時間を累積し、長期休業中にまとめてとらせようというわけ。はっきりいって無理矢理な理屈です。事務職員や栄養職員は基本型と呼ばれる完全週5日制で休んでいたので必要なかったのですが、まとめどりの教育職には「勤務割」という形で各職員に管理職が勤務日を割り振って、その責任において3月末にはむりくりにその年度の週当たり平均勤務時間が40時間きっかりになるようにしなければならなかったのです。長期休業中や年度末になると「あなたの勤務不要日はあと何日」と“消化”を迫られた経験がある人は多いでしょう。あれです。
それでは今年(2002年)の3月24日(日)に始まる週から、学校にも完全週5日制が導入されたのだから、こんなしちめんどくさい話はなくなったのか、と言えばそうはいきませんでした。業態の違う職種に一般行政職のルールを敷衍させるにはやはりそれなりの整備をしなければならず、この3月、完全週5日制施行直前に山形県教育委員会は「県費負担教職員勤務時間取扱要領」を出してきました。それによると……
①原則として月曜日から金曜日までに1日8時間の勤務時間とすること。この場合、勤務割表は必要としないこと。
②泊を伴う修学旅行等の場合には、1日8時間を超える特別な勤務の割振りを認め、その期間を含む4週で割り振りを行うことができることとしたこと。
③ 日曜日及び土曜日に勤務を命ずる必要がある場合には、勤務を要しない日の振替え又は代日休暇等で対応するものとしたこと。この場合、勤務を要しない日の振替えは、公務の必要性を十分検討し、安易に行うことのないようにすること。なお、勤務を要しない日の振替については、1回に限って行うことができるものであり、また、速やかに対象職員に文書で通知する必要があること。
……お役所言葉の連続で頭が痛いことでしょうが、ここはものすごく重要です。まとめどりという無理を重ねた結果もあり、教育職員ほど勤務時間に意識的でない職種はありません。背景には部活動や「子どもたちのために」という、まあ良く言えば献身的精神、そして時間外勤務手当がないことがあると考えられますが(このあたりはまもなく『あなたの“時給”はいくらか』として特集しますのでお楽しみに)、今年はいい機会です、雇用者である山形県教育委員会が「あなた方の勤務は月曜日から金曜日までの5日間。そして1日8時間なのだ」と宣言していることを再認識してください。
そしてもうひとつ。②に泊を伴う修学旅行等(宿泊訓練、野外活動等)がとりあげられ、
1.泊を伴う修学旅行等の場合、一日の勤務時間は最大12時間までとする。
2.その行事の日を含む4週間の期間を定め、その4週間の期間内に勤務を要しない日を8日設け、かつ1週間当たり40時間勤務となるように、学校運営に支障のない範囲で勤務時間を割り振るものとする。
……とされています。具体的な例をあげて考えてみましょう。これから小学校で修学旅行に出るところも多いと思いますが、二日間それぞれ12時間ずつの勤務を命ぜられた場合、その修学旅行を含む4週間のうちに、8時間どこかで勤務時間をマイナスしなければならないというわけです。
※この修学旅行等における特別な割り振り、1回の業務に伴って最大8時間の超過しか認められていない。その結果、マイナスの割り振りも8時間が限度となっている。なお、この措置がとられても、一日8時間の勤務をクリアしていれば、特殊業務手当は支給されます。
誤解のないように再び強調しておきますが、これは特休などのような『請求して受けとる権利』ではなく、管理職がその責任において『行わなければならないこと』なのです。縁起でもない話で恐縮ですが、修学旅行の事前準備で勤務超過が続き、その過労もあって引率中に職員が倒れたとします。その場合、旅行における8時間を超えた分の勤務時間のマイナスを割り振っていなかったとしたら……その管理職と市町村は、よほど有能な弁護士を雇わなければならないでしょう。
画像は「チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル」(’03 米)
いやそれにしてもキャメロン・ディアスってすごい。女優のくせに、きっとキレイに撮ってもらおうという気すらないのだ。ドリュー・バリモアとルーシー・リューが、どうしても女優意識がかいま見えてしまうのに、この根性はたいしたものだ。でも彼女のキャリアのためには、はたしていいことなんだかなあ……。
ひょっとしてクスリやってない?(笑)☆☆☆★