事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!07年12月号

2007-12-19 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Usvsjohnlennonposter0 さて、給料日恒例の事務だよりを。07年12月号。
題して「開けてびっくり。」

明細書を見ろ!と例によってクドクド言わなくても、年に一回みなさんが必ず明細書を熟読するのが今月の給料。言うまでもなく、年末調整の結果が反映されているからです。でも手取りの部分だけ確認してそれで終わりって人も多そうだから念のために解説。

明細書の中段、「所得税」の欄が、先月までとは大幅に変わっているはず。ここがマイナス表示だと、中段は引き去りの欄だからマイナスがマイナスなので手取りがプラスに転じる道理。

どんな理屈か復習しましょう。みなさんが払う税金は、【年税額】として年単位で計算されます。でも、引き去りは毎月の給料やボーナスから例外なく行われている。これは、“まあこの人の年税額はだいたいこのぐらいだろうし、今月は○○円程度徴収しておこう”という大ざっぱな額。だから先月、扶養控除等申告書や保険料控除申告書などを提出して年末調整事務を終え、きちんとした年税額が算出されたので、その年に支払われる最後の給料→12月の給与で所得税を調節して年税額きっちりになるようにするのです。文字通り“年末”に“調整”が行われたわけ。

おれの所得税はマイナスになってないぞ!……“調整”だからそういうこともあるって。それに、先月の徴収額よりも少なかったら、プラスであってもやはり還付が行われているということなのです。

 なかには運の悪い人もいて(扶養親族の異動などで)今月の徴収税額がグッと増えている人もいる。でもここは考えどころです。今月たくさん税金が返ってきたということは、要するに今まで税金をとられすぎていたわけ。だから本当は手取りが多い場合は怒らなきゃいけない。このあたりは【源泉徴収】+【年末調整】という日本だけのルールが生んだ悲喜劇かも。

さて、そうは言ってもたいがいの人は税金が返ってきている。それは、毎月さっ引かれる所得税は、先月申告書を書いてもらった保険料控除などを想定していない額でやっているから。だから年末調整といえばお金が返ってくるというイメージはあながち間違いではありません。そのため、小さい会社などでは事務がめんどうだから年末調整自体を行わないところがけっこうあり、還付したくないものだから税務署もそれを黙認しているという笑えない現実が日本にはあるのです。

Johnlennonimaginec10299297_lrg ここからは事務部報を逸脱した話を。
サラリーマンであるみなさんの年税額はこれで確定しました。でも、税金についてこれでおしまいというわけではありません。税金を取り返すアクションがこれから始まるのです。
 どんな人が該当するかというと……

1.住宅取得控除を受けた人
 前にもお伝えしましたが、所得税から住民税へ税源移譲された結果、所得税だけではこの控除が完結しない人も出てきます(なにしろ他の控除は所得から控除されますが、この控除に限っては税額そのものから控除されるので影響がでかい)。こんな人は、市役所、町役場に行くと、来年の住民税が減免されます(該当者にはそーっと耳打ちをします)。

2.確定申告を行う人
 もっともポピュラーなのが医療費控除でしょうか。今年実際に支払った(共済組合などから返ってきた給付金を差し引いた)医療費が10万円以上だった場合に控除が発生します。このあたりはプライバシーも関係するので事務職員はなかなか相談にのれませんが、「税金を取り返すぞ!」というやる気の問題でもあります。がんばってください。

画像は「PEACE BED」。ジョン・レノンが愛と平和の人でなどあるものか。狂気と絶望のロックンローラーである彼の、政治的側面を中心に描いたドキュメンタリー。財閥のお嬢様でもあるヨーコ・オノを、初めて美しいと思った。

年末調整号はこちら。 1月号はこちら。

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「都立水商(おみずしょう)」室積光著 小学館

2007-12-19 | 本と雑誌

Omizushou 文科省の役人が酒の勢いで突っ走る。
「商業高校は、とにかく商売をやりたい子が行くわけだろ?」
「そうだな」
「工業高校は、工場でものを作りたい子が行く」
「うん」
「農業高校は農業をやりたい子。水産高校は、船に乗って漁をやりたい子が行く」
「そうだろうな」
「じゃ、世の中には水商売ってものがあるんだから、そういう道に進む子のことも考えにゃならんだろ?」
「そりゃそうかもしれん」
「だから『水商業高校』があってもおかしくないだろ?」
「……よせよ」
「なんで?なんでだよ?てめえ、水商売だけ差別するのかよ!」

かくして予算は通り、新宿歌舞伎町に『東京都立水商業高等学校』が開校する。専攻科目は「ホステス科」「マネージャー科」「バーテン科」「ソープ科」「ヘルス科」「ゲイバー科」など。

 始業前には担任が教室の前で待ち受けていて、厳しい服装チェックが入る。
「何だこの髪は?染めてこんかア!」
授業もきびしい。
「それでは今日は『送り』について説明するぞ。『送り』とは、終電後、ホステスやスタッフを車で送ること、およびそのための人材の……」

……面白そうでしょ。でも残念ながらこのイメージを超えるワクワク感は薄いんだよな。むしろ全編に横溢する説教の嵐の方が印象深い。この作品が処女作である元役者の室積が、高野連的なものに代表される今の教育への批判を優先させたからだ。この批判はまことにまっとうで、耳に心地いいが、でも小説としての躍動ももうちょっとほしかった気はする。「あの武田鉄矢氏も推薦!!」(笑)という帯が、良くも悪しくもこの作品をあらわしている。おしい。

 ちなみにわたしがいちばん好きなフレーズはこれ。
「いつまで野球を教育の一環とか言ってんですかね。だいたいスポーツで、スポーツ以外のことまでついでに教育しようなんて、教育する側が横着だっていうんですよ」至言。

                   ドラマ化は真田広之-桜井幸子でお願いします(笑)☆☆★★★

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「終戦のローレライ」 福井晴敏著 講談社

2007-12-19 | ミステリ

200601x1 「亡国のイージス」を情宣でおすすめしたばかりの福井の新刊。これまでの諸作は互いにつながっていたりしたけれど、これは第二次世界大戦終戦当時の完全独立篇。上下巻で千ページをこえる超大作。「命をけずって書いた」と福井が述懐するぐらい気合いが入っている。でもこの気合いは功罪相半ばする。命はたいせつに。

 前からそうだったが、なにしろユーモアもへったくれもなく、ひたすら登場人物たちは運命に翻弄され、傷つき、そして死んでゆく。きついったら。それにまあ描き込む描き込む彼らの過去。

 物語はある秘密を含んでいるためちょっとばらせないんだけれど、ひとつだけ言えるのは、潜水艦同士の戦闘のトリッキーさだ。おいおい潜水艦でそこまでやるか。

 福井の気合いはこの長大な物語の中に日本人論、ユダヤ論、戦争論、そして近代史の総括までぶちこんでいる。それはいいのだが、若いだけにいまひとつ浅いのだ。いや、別にわたしが左翼で福井が再軍備論者(違うらしいけど)だから難癖をつけているととられてもかまいはしないが。

 とりあえず、論議を呼んでいるらしい終章の戦後史、はっきりとわたしは蛇足だと思う。“戦後の日本人が自分の決着をつけることなく終戦を迎えたことで、無責任体制が残った”国体明徴運動の信奉者以外だってそんなことはとっくに気づいている。「終戦後のローレライ」ぐらい、読者にまかせる度量を見せてほしかった。
 ま、そんな文句タレながら、3回ぐらいボロッと泣いたし、上下巻で4千円近い出費の甲斐はあったんだけど。

                  いやそれにしてもローレライの正体には笑ったなあ☆☆☆★★★

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39℃

2007-12-19 | 健康・病気

Fago 今回は、5年前の発熱のことを。いやーあのときはあせったな。

 え、いやまあ、不摂生な生活が続いていることは承知していた。ストレスが多いことにかえって甘え、通風であることでビールを控えなければならないことを逆手に取り、毎日ウィスキーを1/3本づつ消費するその根性。パソコンのとなりにはいつもmyポン酢my醤油をおき、カツオのたたきだのスルメの焼いたの(ストーブがある生活ってことは常にあぶる器械がそばにあるってこと)をガシガシ消化するその欲望……体も弱ろうというものである。

「カラダの不思議!」によれば、人間誰しも、霊長類であるかぎり年間6回ほどは風邪をひいているものなのだそうだ。問題はそれが重症におちいるかどうか、おちいったとしてもそこからどうリカバーするかなのだが、残念ながら43才の不摂生な中年には、そのことがなかなか叶わない。昨年は教育事務所交渉の当日に発熱し、今回もまた次期書記長の学校へあいさつに行かなければならない日に気が遠くなっている。ひょっとしたら身体が組合をいやがっているのだろうか(笑)。

 で、2月10日(月)なんとかそのあいさつを終え(きっと、なんてポーッとした支部長だと思われたにちがいない)、そのまま医者に向かう。息子と娘のかかりつけの内科。先週も娘がやっかいになったばかりなのだ。

インフルエンザじゃあ、ないね。」あ、そうすか。
とりあえず明日が紀元節でよかった、と不穏当なことをつぶやきながら、速攻で寝る。そしてこのときから4日間、全然熱下がらず。最高は39℃。点滴も受ける。

 ほんと下がんないんだこれが。情けないぐらいに。ただでさえ平熱が低く、37℃まで上がるとその時点でゼエゼエ言っている人間にこれはつらかった。

 Francesmcdormand こりゃあこのまんまだと来週には入院しているんじゃないだろか、と思った金曜日の朝、いきなりストンと熱が下がっている。「勝った」と思いましたね。ここまでのびたんだから「痛み分け」というところなんだろうが。

しかしまあ寝た寝たとにかく寝た。加えて本読みまくり。酒は一滴も飲まず(あたりまえだ)、タバコも妻に隠されてしまった。なんと健康な一週間。これから次々に読書特集だっ!

※実は39℃には前にも一度なったことがある。十数年前、どうも調子悪い、と当時の校医(女医)に行ったら、そこで39℃。「すごいわねー」「あ、すごいんですか」ふらふらになりながら学校に帰る(当時は根性あった)。どうだった?とみんなにきかれたので「はあ。ヨーレンキンとか言うヤツだそうです」職員室で爆笑される。「?」溶連菌感染症、こどもの病気だったのである。

※点滴も2回目。あれの何がこわいといって、最後に薬がなくなるとき。おわー気泡が血管に入っちゃうじゃないかっ!と緊迫するのだ。気になって仕方がないので正直に看護婦に質問したら笑われた。「ほら、管にタコみたいになってるところがあるでしょう?」理屈はよくわからないがとにかく大丈夫なんだそうだ。知ってました?あれ、オレだけか知らないの。

画像はコーエン兄弟の傑作「ファーゴ」。これはもう、なんというか隠れたユーモアと残虐な場面のリフレインがすばらしい。妊娠中の保安官(笑)を演じたフランシス・マクドーマンドが絶品。

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庄内弁講座 補講2時限目

2007-12-19 | まち歩き

Kuid3

補講1限目はこちら

お聴きになった方ならお分かりのように、大成功でした。

当日は猛吹雪。番組開始30分前に技能士から携帯に連絡「今向かってますっ!」計算違いだったのは荒生が隣のスタジオで別の番組の収録をしていることだったが、なんとか番組後半には登場し、大喜びしてくれた。

実は前日、番組宛にわたしはメールを送っており、それもちゃんと披露され(考えてみればラジオ番組に投稿するなんて初めてだ。ほいで紹介されたんだから採用率100%の男ってことだなオレは)、喰道楽の主人の気持ちもIがちゃんと説明してくれた。店の名前はぜったいに出さない。出前の人間も名のらない。メールも匿名。男の世界である。ちなみにわたしが出したメールはこうです。

Mail03f 庄内弁講座ご一同様、いつもウチのIがお世話になっております。K小学校のものでございます。
Iは昨日の忘年会においても、ご存じのようなテンションの高さを発揮しておりました。みなさまのご苦労がしのばれます。
さて、庄内弁講座の本番直前に届く予定のプレゼントは、市内の某寿司屋の主人が荒生さんの結婚祝いとして作成したものです。おそらくは腹を空かせた学生たちにむさぼられることとは存じますが「コミュニティFMを地元の人間として応援したい」という主人の気持ちとともに味わっていただければ幸いです。
また、出前を担当した本校の職員はハーバーラジオの熱狂的なファンであり、情報のすべてをハーバーから取得し、イラク情勢からなにからすべて「ハーバーラジオによれば~」と披露してくれるツワモノです。ご愛顧のほどを。

079_ryouri 文中の学生たちとは、ハーバーラジオのボランティアスタッフである東北公益大生たちのこと。それにしても、この日が彼の息子の1才の誕生日だってことをすっかり忘れていた。ごめんよ。そのうち喰道楽でおごるからさ。

……2007年現在、この学生たちがハーバーラジオの正社員となり、大車輪の活躍をしているのだから世の中はわからない。

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庄内弁講座 補講1時限目

2007-12-19 | まち歩き

079_tennai

4時限目はこちら

始まりは現業部の忘年会だった(前任校で、わたしは調理員や技能士の飲みには絶対に参加していた)。会場の寿司屋に、先発隊として一人訪れる。カウンター10席だけの店、喰道楽(くいどうらく)。主人とお互いファンであるハーバーラジオの話なんかをしているうちに、キャスター(旧姓)荒生由子の結婚ネタでもりあがる。すると主人(30代後半)は、「結婚祝を届けたいなあ」と言い出す。

「お祝いって?」
「ウチでほら、寿司ケーキっての作ってるんですよ」

寿司ケーキ。それはご想像になるようなチラシ寿司にローソクがさしてあるようなものではなく(笑)、にぎり鮨を、えーと……そう、フグ刺しみたいに並べたそれはそれは豪勢なしろもの。この店の馴染みしか口にできず、わたしも写真でしか見たことはない。

「いいねえ」
「でしょ?ほら、Iさんもこの前来てくれたし、連絡とってくださいよ。」

079_map 主人は本気である。Iさんとはご存知ハーバーラジオの人気番組「庄内弁講座」に出演中のウチの学校に勤務する講師。荒生とともにレギュラーなのだ。

「そうだね。じゃあIに荒生が確実に出演する週をきいて、それで前日あたりに電話入れますよ。」

 休み明けにIにその話をすると、彼はさっそくメインキャスターであり、Iの中学高校、そして大学の同級生である佐藤智也(庄内弁講座は正確には「佐藤の庄内弁講座」なのである)にメールを入れる。

 佐藤キャスターからレスが返ってきたのが翌日。Iとわたしが忘年会の宴会前に湯野浜のホテルの部屋でだべっているときだった。
「今度の土曜日、荒生は来るそうですよ」
「よーし、じゃあさっそく準備すっか」

担当はこう。実行委員長は主人から任命されたわたし。
寿司屋に連絡して当日出前をするのが同姓の技能士。わたしをそのまま小さくしたルックスなので「小さいホリ」と呼ばれている。
主人はわざわざ朝イチからケーキを作り、ワインにオリジナルステッカーまで貼って小さいホリに渡す。
Iは出前されたケーキを受け取り、荒生だけには内緒にしておいて、番組内で盛り上げる……さあどうなったか。

補講2限目につづく。

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