ポール牧篇はこちら。
前回、得した感じが薄いものだから有名人と出会ってもサッパリ忘れてしまう人のことにふれたけれど、こんな人もいるのでご紹介。
先日、東京に出張に出て新宿駅に立ち寄ったところ、数台のテレビカメラと人だかり。
周囲の人はお互いささやきあいながら見ている。きっとドラマのロケだと思い、人混みの中へ。
全体が見渡せるところに立ったもののガーン。日頃ドラマや芸能関係には興味のない自分にとっては誰が有名人なのかわからない。
しばらく探していたが、ある瞬間を境に人混みはすーっとひいていった。
きっといたはず有名人。きっと見たはず有名人。されど……だれだったのかは謎のまま……
誰が有名人なのかがわからない(笑)。なるほどこんなパターンもあったのか。
でもわたしは似て非なる体験をしたことがある。
あれは10年以上も前のこと。まだ改装中だった山形駅に降り立った。重い荷物を持っていたのでとりあえずコインロッカーにバッグを突っ込もうと向かうが……
なんとコインロッカーの周りには大量の警官が。さっそく職質。
「いつまで預けるんですか?」「中味は?」
何事だぁ?
改札口からの通路まで通行禁止になり、でもどうしても通りたかったわたしはそのままずんずん進む。警官は「しょーもねー野郎だ」という目で見ている。
と、改札口から黒服の軍団が。ななななんだこいつら。
とりあえずからまれることもなくすれ違う。誰だったんだろう。
あとでテレビを見て判明。
その日、山形には皇太子(当時)浩宮がやってきていたのだ。あの黒服たちの真ん中にはプリンスがいたのである。
でもさー、あの状況でオレが気づかないってことは……ものすごくちっちゃくないか浩宮?
有名人があまりにちっちゃくて気づかないという新パターンでした。
次回はアンドレ・ザ・ジャイアント篇。