その2はこちら。
♪タン・タカタンタン・タン・タカタンタン ちゃーららっちゃー ちゃーらら~♪
さあ4作目。館内にはジョン・ウィリアムスのレイダースマーチが流れ、わたしのような長年のファンのアドレナリンを大放出させてくれる。
「この曲、小学校のときにマーチングでやったよ」息子にとってもおなじみの曲だ。
インディ・ジョーンズシリーズの特徴である、タイトルがくっきりと浮き出るおなじみのオープニングと、インディの意表をついた登場の仕方にため息。ライブなら「待ってましたっ!」と声がかかるところだ。
でも正直、前半のノリの悪さにはとまどった。決してつまらないわけではないが、とりあえず息をもつかせぬアクションがあるのが通例だったので(ロシア軍とのアクロバティックな格闘があるとはいえ)、スピルバーグも若くないからなぁ、と思いながら観ていた。悪女役のケイト・ブランシェットの怪演がなかったら、かなりの客が退屈したことと思う。
でも、クリスタル・スカルの王国に侵入してからはハラハラドキドキの連続。むしろ前半は意図的に抑えていたのが理解できる。スピルバーグは確かに老いたけれども、同時にうまくもなっていたわけだ。息子もわたしもおおいに満足。ぜひ映画館へ!
【ここからはちょっとネタバレ】
特に日本人にとって原爆のシーンは耐え難い、とする人もいるようだ。しかしあの場面には、ちゃんと「アトミック・カフェ」のパロディですよという記号もあるし、赤狩りと同様に、もう戦前のようなのどかな冒険は成立しないという象徴でもあるのだろう。
そしてあのラストが荒唐無稽すぎるという意見には反論がある。巨匠スピルバーグが、いままでどんな映画を撮ってきたかを考えてみよう。“あの作品”と“あの作品”を撮った男なんだよ。嬉々として撮影している姿が目に浮かぶ。史実や伝説を巧妙にとりいれるのはこのシリーズの得意技だしね。
さあ、5作目は主役をシャイア・ラブーフに譲ってインディは隠居を決めこむのだろうか。その答まで(帽子に注意!)ラストにきちんと用意してある。あのエンディングなら、カレン・アレンにぜひとも大酒を飲ませてほしかった。昔からのファンの、単なるわがままだけどさ。