事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

吾輩は主婦である 上巻

2008-06-19 | テレビ番組

B000f072ho09  おなじみ、TBS磯山晶プロデューサー&脚本宮藤官九郎の最強コンビによるコメディ。ようやく地元のビデオ屋にDVDが入荷したのであらためて特集。

 なにしろ設定がすごい。普通の主婦に文豪夏目漱石が“憑依した”ことによるドタバタ。これを昼メロの伝統枠【愛の劇場】でやろうというのがまず無茶だ。

 この勝負にTBSが勝ったかどうかは微妙。視聴率は5%台。お昼の帯ドラマとしては及第点でも、磯山~宮藤のいつものパターン“放映終了後にブームになる”わけでもなかったようだから。

 しかしホリ家では熱狂的に迎えられた。毎日義母がVHSで録画し、一週間まとまったところで妻とわたしが鑑賞させてもらう……こんなアナログな作業を全40回、8週間にわたって続けたのだから。
 さて、夏目漱石が主婦にのりうつるという設定を保守的な(偏見?)専業主婦層に受け入れさせるために、宮藤官九郎はさまざまなドラマ的冒険をしこんでいる。

◇一種の“性倒錯”の実現
内面は37才の男性(まだ作家としてデビューしたばかりの漱石)だが、外面は同い年の女性であるフリークス的興味(「吾輩は男色家ではない!」と常に力説するが、そう言っているのが水蜜桃のような斉藤由貴である不健康さ。お笑い宝塚とでもいうか)。

◇タイムトラベルによる“浦島太郎”ギャグの連発
明治人である漱石が、どれだけ平成日本を憂えても、プリンやピザのうまさに抗しきれないあたりは爆笑。

しかし何といってもキャスティングの勝利だろうか。姑に竹下景子、嫁に斉藤由貴という、新旧の(若い読者には旧旧の、ですかね)グラビアアイドルを配し、夫役にはなんとベッシー及川光博!これはもう鉄壁の布陣ですね。しかもそれぞれ

竹下景子→ちゃらついた五十代らしくひたすら若作り
斉藤由貴→喫茶店でパートする設定なので、毎日彼女のメイドファッションがおがめる
及川光博→あのベッシーが地味な郵便配達ルックで登場(夜は赤パジャマ)

……こんな、お好きな方にはたまらないサービスが用意してあるので、およそ「愛の劇場」らしくはない。でも実は毎日のテーマが「不倫」だったり「セックスレス」だったり、王道のメロドラマでもあるのだ。以下下巻につづく

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「ピーコ伝」~人生相談は楽し

2008-06-19 | 日記・エッセイ・コラム

Photo  人生相談、といえばわたしの世代にとってはニッポン放送の「テレフォン人生相談」。連日(!)午前11時に山谷親平(昭和62年没)の「絶望は、愚か者の結論なり」こんなしゃらくさいフレーズで始まるあの番組ね。今はみのもんたが「奥さん!」と叱りつけるやつが代表だろうか。

 人生相談についてよく言われるように「(相談を)すると決めた時点で相談者はある程度悩みを抜け出せている」のは当たっていると思う。回答者はその後押しをするだけだと。だよなあ。そうでもなければ回答者はよほど腹をくくっていなければならないもの。

 わたしが近ごろまっとうな回答者だと思うのは朝日新聞におけるピーコ。フリークス扱いされることの多い彼の回答は、なるほど、とうなずけるものばかりだ。男しか愛することができず(でもセックスはしていないんですって)、片眼を失い、死線をさまよった彼だからこそ語れるものがあるんだろう。

 いや、美輪明宏、細木数子などと並べてみれば、フリークス、異形のものにこそ心情をあからさまに話せるという心理が、われわれのどこかにはたらくのかもしれない。異形であることに、何らかの神性をを感じるというか。

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明細書を見ろ!08年6月号 ~ 直行&直帰 その1

2008-06-19 | 明細書を見ろ!(事務だより)

08年5月号はこちらこちら

「明日はプレゼン会場に直行しまーす」
「会議のあとは問屋にまわって……うーん今日は直帰ですね」

“直行直帰”は、民間会社ではこのようにひんぱんに使われているフレーズです。人気サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の名物コーナーだった「オトナ語の謎」では

社外からそのまま帰ることが直帰であるなら、 家から現場へ直接向かうことが直行である。 家から現場に行ってそのまま帰るなら直行直帰となり、 カタカナで表すと「チョッコーチョッキ」。 むろん、ぺーぺーの新人くんにはできない高等技術だ。

……と紹介されています。

410118312001 ※その他のオトナ語
基本オーケー
こう言われた場合、要するにオーケーではない。
ちょっと3分いい?
もちろん3分ですむはずがない。
そういった意味では
意味などない。

 出張は、もちろん所属からスタートして所属に帰ってくるのが基本です。しかし出張先との距離、会議の設定時刻、復命が緊急を要するか、職員の負担軽減などの観点から、直行直帰は公務員の世界でもそうめずらしいものではありません。

 ところが、出張旅費はたとえ直行直帰していようとも所属→出張先→所属の分が支給されてきました。これにかみついたのが公務員の読者が多いことでも知られる東北のブロック紙「河北新報」。昨年の秋、この新聞は調査報道のお手本のようなスクープを連発しました。ちょっと紹介しましょう。

2007年11月14日(水) 
通勤区間の出張に旅費 出先勤務の青森県職員延べ550人(河北新報)
 青森県の地方出先機関に勤務する青森市在住の県職員が、勤務先から青森市内に自家用車で出張してそのまま帰宅する際、通勤手当と別に相当額の旅費を受け取っていたことが13日、分かった。過去5年間を見ただけで、少なくとも総額は1500万円近くに上り、単年度で約12万円受給していた職員もいた。オンブズマン関係者は「完全な二重取りで、税金の無駄遣い」と批判。弘前市民オンブズパーソンは独自に調査に乗り出した。

 河北新報社が県情報公開条例に基づいて入手した旅費請求書によると、2002~06年度に支給された同様の旅費は計約1480万円。延べ約550人が、地方の勤務先から車で青森市の本庁などを訪れた後に帰宅したり、本庁などに顔を出してから出勤したりした場合、1回に付き数千円をもらっていた。

 こうした県職員の旅費支給は条例に基づき、勤務先と青森市との距離に1キロ当たり、37円を掛けて算出する仕組み。しかし、各職員には県職員給与条例も同時に適用されており、旅費支給に関係なく月ごとに2000~3万5000円の通勤手当も出ている。

 弘前市民オンブズパーソンの高松利昌事務局長は「民間ならばあり得ない。市民感情を逆なでする支給だ」と指摘。既に中南地域県民局の06年度分について情報公開を請求しており、開示された後で文書を分析し、結果を公表する。

 旅費条例を担当する県人事課は、07年度から算定式を1キロ当たり25円に改めたことなどを挙げた上で、「二重取りだとまでは思わないが、県職員の論理が通らないこともあると認識している。課内でも議論を続けている」と釈明している。

……この流れは山形県にももちろん波及し、決着をみたのは今年の3月。財務システムの更新ともあいまって、現在もなお大混乱の最中なのです。だから旅費の支給はもうちょっと待ってください。次号で、具体例を示します。

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