事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

うまい店ピンポイント2018年冬 善べえ

2018-12-23 | 食・レシピ

山形まるぶん篇はこちら

年末恒例、地方公務員なのに接待を受けてしまう夜。供応か買収か官官接待か!……ちがいます。ちょっとExcelが使えるだけでご近所にご奉仕すると、自動的に曙町の善べえに連れていってもらえる仕組み。

ほろ酔いセットというのがあって、常連がそれをさっそくオーダー。

「あ、でもひとりチキンが食えないヤツがいるんだ」

これもわたくし。ということでなんとジューシーなとんかつがっ!

そしてメインはしゃぶしゃぶ。まことにおいしい。

男3人でウイスキーのボトルを空け、日ごろめったに聞けないご近所の事情もたっぷり。これもまた年末恒例なのでした。

照月篇につづく

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「ラストサムライ」The Last Samurai (2003 WB)

2018-12-23 | 洋画

この作品についてはさんざん特集したけれど、あらためて確認しなければならなかったことがあるの。そう、あの子役が池松壮亮だったのをチェックしなければ!

うわああああ確かに池松壮亮だ。しかも、顔がまったく変わってない(笑)。おまけに「散り椿」や「斬、」と同じような殺陣(というよりお稽古)をやっていて、小さい頃からよほど鍛えられたか、運動神経がはなからいい子なのだと知る。


渡辺謙の演技はユーモアたっぷりでまことにけっこうだが、逆に研ぎ澄まされた刀のような真田広之の所作が(それはアクションだけではなくて、お茶のお点前とか)すばらしかった。英語も得意だから、アベンジャーズの新作に出演するという話は実現してほしいな。

にしても、このころの小雪の美しさは筆舌に尽くしがたいですっ。

この映画が興味深いのは、明治天皇のありようをリアルに描いている点で、御真影にしても、西郷隆盛の肖像画にしても、外国人の手になるものであることはきっと偶然じゃない。その意味でも、エドワード・ズウィックが描いた明治は日本人にとっていっそうリアルだ。ハンス・ジマーの音楽もまた、西洋が感じた日本になっていてすばらしい。

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「そして夜は甦る」 原尞著 ハヤカワ・ポケット・ミステリ

2018-12-22 | ミステリ

探偵沢崎の初登場作。というより原尞のデビュー作でもある。

徹底した推敲の果てに(十年かかったという)、この作品を持ちこまれた早川書房は驚いたろう。いきなりの大傑作。しかも最初からポケミスの段組みで書かれていた!(意図的なものではなかったとあとがきで解説されています)

わたしは原の大ファンだから、もちろんすべて単行本の段階で読んでいる。しかしポケミスでの再刊はほんとうにうれしい。まもなく2000冊に及ぼうというポケミスの歴史のなかで、日本のミステリが刊行されるのは4冊目だとか。

前の三作は浜尾四郎の「殺人鬼」、小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」、そして夢野久作の「ドグラ・マグラ」……つまりこの傑作群に比肩する作品だと認められたわけだ。
にしてもこの作品に、これだけ本格ミステリ的なトリックが満載だったとは……そりゃあ寡作にもなるって。

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「熱帯」森見登美彦著 文藝春秋

2018-12-21 | 本と雑誌

その本は結末まで読み終えることができない。なぜならその「熱帯」なる書は……

ある特定の人物たちがその本を追い求める過程を描きながら、語り手は別の人間に移り、物語内物語となり、そしてその物語のなかの登場人物が語り始め……千一夜物語の器を借りて、森見登美彦ワールドが炸裂する。

冒頭に森見自身がエッセイの形で千一夜物語について語り(導入として秀逸)、そしてエンディングで書籍というもの、物語るということはどういうことなのかにケリをつけてくれる。一気に読んでやる、と心に決めていたので幸運。これは一気に(そして紙媒体で)読むべき書だ。

 

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うまい店ピンポイント2018年冬 山形まるぶん篇

2018-12-21 | 食・レシピ

三川いち篇はこちら

山形に来るたびにお邪魔しています。今回は県庁帰り。松波からビッグウィング前まで移動。よくやるよ。

しかしよく考えてみたら山形県庁に来るのはきっとこれが最後。せっかくだから県庁の食堂でいただけばよかったかしら。なにしろ男性職員に大人気だという県庁ラーメン550円也ってのもあるらしいし、16階のレストラン16(そのまんまや)でおしゃれなランチをいただいてもよかった。おっと行ったことはないけど議会サロンってのもあるぞ(笑)。

でもまるぶん。例によって駐車場は混み混み。自動車学校のクランクやS字カーブを思わせるようなドライブテクニックを駆使してなんとか駐車。そしてまるぶんラーメンをいただく。うん、山形に来たって感じがする。

善べえしゃぶしゃぶ篇につづく

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明細書を見ろ!2018年12月号PART2 手取り&差額 

2018-12-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

「スネークマンショー」-「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」

part1はこちら

12月ほど、給与の手取り額が読めない月はありません。もちろんそれは年末調整の影響。明細書の中断右端の【所得税】の欄に注目。

本日(12月21日)、まさしくいまごろ県議会は第167号議案「山形県職員等の給与に関する条例等の一部を改正する条例の設定について」の決議に入っているはず。支給日等は後日連絡します。

ということで本日の1曲はスネークマンショーの、というより小林克也と伊武雅刀のかけあい漫才。TSUTAYAのディスカスにはなかったので、ブロンディの「ラプチュア」で我慢我慢(笑)。わかる人はわかってくれると思います。

2018年12月差額号「忘年会の翌朝。」につづく

 

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明細書を見ろ!2018年12月号PART1 チェーン・リアクション

2018-12-19 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2018年期末勤勉手当号「消えたオービス」はこちら

いきなりですが、あなたタイヤにチェーン巻いたことありますか。わたしは若いころに一度やったんだけれども、あれはめんどくさいものでした。途中でゆるんでボディにテンテン当たったりして、いらつくことこの上ない(まあ、わたしの取り付け方がへただったわけだけど)。

この冬から、気象庁が「大雪特別警報」を出したり、国土交通省などが「大雪に対する緊急発表」が発表するレベルの降雪時には、全国13区間でチェーンの装着が義務づけられるのはご存じのとおり。

そのうちのひとつが112号線。いわゆる月山道路。さんざんこれまで「47と13、あるいは112」で庄内と内陸の連絡を特集してきましたが、まさかの新ネタ。

チェーンを巻かないで立ち往生を発生させた場合、その運転者には6月以下の懲役あるいは30万円以下の罰金が課されるとか。ものすごく重い。たとえばスピード違反の場合は、一般道で60キロ以上オーバーしても罰金は10万円ですから、いかに重いかがわかります。

112号線においてチェーンの装着が義務づけられるのは西川町月山沢(ああ、あそこか)から鶴岡市上名川(どこだよそれ)までの27キロ。国土交通省としては、これまで予防的に通行止めにしていた状況でも、チェーンを巻いていれば通れるようにするのでむしろ規制緩和だと主張しています。

でも世間のリアクションはあまりかんばしくない。

・いくらなんでも拙速に過ぎる

・チェーンの装着のためにむしろ渋滞が発生するのではないか

・スタッドレスタイヤの性能向上を無視している

つけ方がわからない

……などなど。ここで思い出されるのは「スパイクタイヤ禁止」のときの騒動。70年代から本格的に普及したスパイクタイヤは、しかしタイヤに埋め込まれた金属で舗装路を削り取り、粉塵を発生させる。そのため、仙台市などから脱スパイクタイヤの運動が起こり始めます。

酒田でもそうでした。駅前の八雲神社のあたりが特にひどくて、路側に寄せられた雪が真っ黒。粉塵が舞い放題だったのをおぼえています。結果的に90年代初めに法律でスパイクタイヤの使用は事実上禁止されたのですが、この動きに最後まで渋ったのが警察でした。

それはそうですよね、なにしろスパイクタイヤのブレーキ効果は、それまでのスノータイヤとは段違いだったし、スタッドレス(スパイクタイヤの鋲=スタッドがないという意味)に変えたら事故が増加すると考えても不思議はありませんから。でも今は逆にスパイクを履いていると警察に怒られます。

つまりその省庁の意向がこのテの施策に露骨に影響するんでしょう。道路がどんどん削られていくために旧建設省や自治体は悲鳴を上げていましたし、旧環境庁はがぜんやる気を出して見せました。

今回のチェーン問題は、ドライバーの安全云々の話ではなく、要するに物流を止めたくないというお役人の強い意向があったのでしょう。だからむちゃくちゃに重い罰則をもうけて世間に浸透させようとしているのだと思います。でもそれより先に、112号線ってやっぱり怖いんだなあというイメージの方が浸透してしまったのは計算違いだったと思いますが。

PART2「手取り&差額」につづく

本日の画像は「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」

主演:エディ・レッドメイン、ジョニー・デップ

まためんどくさい展開に。無邪気にモンハンをやっていた一作目のほうがわたし(と妻)の好み。近ごろ汚れ役ばかりやっているジョニデに妻は不満たらたら。まあ、わたしと結婚しているだけに男を見る目はあるからな(笑)

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日本の警察 その98 「冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場」集英社インターナショナル

2018-12-18 | 日本の警察

その97「機龍警察 狼眼殺手」はこちら

東京地検は15日、妻を殴ってけがをさせたとして警視庁に傷害容疑で逮捕された作家の冲方丁(本名・藤野峰男)氏(38)を不起訴処分とした。妻に処罰感情がないことなどを考慮したという。警視庁によると、冲方氏は容疑を否認し、東京地検が処分保留で釈放していた。
2015年10月15日付 日本経済新聞

……よく、おぼえています。SF者にはマルドゥックシリーズで、わたしには「天地明察」「光圀伝」などの時代小説でおなじみの冲方丁(うぶかた・とう)がDVで逮捕!しかしよくわからない経緯で不起訴になっている。

この本は、渋谷署の留置場で過ごした9日間を、冲方が作家の眼で、ひたすら冷静に描こうとしたもの。この経験を「笑う」しかないと彼は記述しているが、どうしたって「怒って」いるのはビシバシ伝わってきます。

妻の立場、あるいは子どもへの愛情があるので記述できないことが多くあるのは理解できる。それでも“向こう(妻)の事情”がうっすらとうかがえるあたりはさすがの腕の冴え。

にしても怖い話ではないか。奥さんにどのような動機、どのような協力者がいたか知らないが、警察に「夫に殴られた」「相談」するだけで彼は身柄を拘束され、自由とプライバシーと時間と、そして世間の信頼を一気に失ってしまう。わたしだって逮捕の報道を読んだときは「そうか、そんなヤツだったのかあ」と思っちゃいましたもの。

しかし妻の弁護士が提出した書類の冒頭に、

「わたしは訴えていません」

という意味不明な妻のコメントがあるなど、どうも“事件”は次第にねじれていく。加えて、逮捕されたとはいっても、まだ有罪になっていない人間を“代用監獄”である留置場に処罰的に押し込める日本の司法の欠陥がここまであからさまに……

巻末に「それでもボクはやってない」の周防監督との対談があってこれもすごい。だいじょうぶか日本の警察(検察に隷従)。大丈夫か日本の検察(キムタクはいない)。そしてだいじょうぶか日本の裁判所(逮捕状自動販売機)。

今回のゴーン逮捕において、次々に再逮捕して彼を長期に拘束している状態は、やはり他国からみると蛮人の所業に見えるのだろうな……

その99「MOZU」につづく

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「昨日がなければ明日もない」 宮部みゆき著 文藝春秋

2018-12-17 | ミステリ

希望荘」につづくお婿さん探偵シリーズ(そう名付けているのはわたしだけでしょうが。だいたいもうお婿さんじゃないし)最新作。

腰巻きには“困った女性”をめぐる杉村の困惑がそれぞれ描かれる中篇集ということになっているけれども、本当に困った女性は最後のだけで、それにしたって「名もなき毒」の彼女にくらべればかわいいものだ。

杉村が優秀な探偵であることはビシビシ伝わってくる。このシリーズがマイケル・Z・リューインのアルバート・サムスンものをモデルにしたのだと解説してあってなるほどと思う。だから宮部みゆきは表紙に同じ杉田比呂美さんをリクエストしているほど。

わたしもあのシリーズが大好きで、特に「A型の女」のラストには恐れ入った。喫茶店で読んでいて震えが来た。確か全部読んでいるはずだけど、また買い直して読み直そうかな。早川書房よ、復刊するチャンスじゃないですか。もちろんスピンオフのリーロイ・パウダーものもね!

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もう一回プリティ・リーグ

2018-12-16 | 洋画

PART1はこちら

チームには監督が必要だ。しかもできれば客を呼べる人物がいい。ということで呼ばれたのが元メジャーリーグのスター選手ドゥーガン。演ずるはトム・ハンクス

ところがこの男はアル中で采配をふるうつもりもない。おまけにセクハラまがいのことばかり……ドゥーガンが属したメジャーリーグの世界が、いかにマッチョなものだったかをハンクスは絶妙に示す。それはこの時代がいかに男性中心で、女性が虐げられていたかをも示している。

酔っ払い監督がいかに怠惰であろうと、選手たちは悩みながらも勝ち進む。ドティの才能は突出していて、ドゥーガンも次第に彼女たちの才能や努力のために酒を断つことになる。おわかりだろうか、これって少年(と少女)野球のチームを率いて人生の目的を見つけていく「がんばれ!ベアーズ」のウォルター・マッソーと相似形をなしているのを。

同様に、商売のことだけ考えていた菓子会社の男が、戦争が終わったからもう女子リーグはいらないだろうと突き放す社長にたてつくエピソードも泣かせる。この男、ローエンスタインを演じているのがデビッド・ストラザーン。いい味。

チームにはマドンナ(!)やロージー・オドネルもいて、みごとなプレイを見せてくれる。思えば豪華な映画なのだった。

この作品が周到なのは、1987年に女子選手たちが野球の殿堂入りするために再会するシーンで縁取られていることだ。あの登場人物はその後どのような人生を過ごしたか、ルックスだけでうかがえるようになっている。

ダイヤモンドのクイーンと呼ばれたドティが、なぜチームメイトたちに会うのを渋ったか……彼女はしかしみんなにあたたかく迎えられる。そしてドゥーガンは、そしてローエンスタインは……。

あーやっぱり涙なしには見られない映画でした。ぜひぜひ。

 

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