三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

競馬のグローバル化

2007年06月29日 | 競馬
 新旧のダービー馬対決は先輩で牡馬のメイショウサムソンに軍配が上がりました。ウオッカはスタートでかかったこともあって伸び切れずに終わりました。3歳牝馬の挑戦は時期尚早だったのでしょうか。

 宝塚記念はその開催時期からして、イギリスで言えばキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスに当たると思いますが、20年以上前に日本のダービー馬シリウスシンボリが挑戦したことがありました。1番人気に支持されたのは英オークスを勝ったばかりの3歳牝馬オーソーシャープで、結果はペトスキーが勝ち、オーソーシャープは2着、シリウスシンボリは8着に惨敗でした。今回宝塚記念で3歳牝馬ウオッカが1番人気に支持されたのがちょうど英国でオーソーシャープが1番人気に支持されたことに相当するとすれば、日本の競馬も20数年前のヨーロッパの競馬のレベルにまで追い着いたことになるのかなという感想を持ちました。シリウスシンボリはその後もヨーロッパにとどまって翌年の凱旋門賞にも挑戦し、ダンシングブレーヴの14着に惨敗しましたが、その試みは、さすが世界のホースマン和田共弘だと高い評価を受けました。今年はウオッカだけでなくメイショウサムソンも凱旋門賞に挑戦するようで、ディープインパクトから3世代連続の日本ダービー馬の挑戦となります。

 日本の野球選手が大リーグのメジャーで活躍するようにもなりましたし、文化やスポーツの分野でのグローバル化はアメリカの言うグローバル化とは違って国家や地域、民族や人種の間の垣根を低くしようとするものです。日本ダービーも現在のJp1からちゃんとしたGIになれば世界各地から参戦があるでしょう。そうなったらなったで、一頃のイギリスダービーのようにアメリカの馬ばかりが勝つようになるかもしれませんが、そんなことに頓着しないおおらかさが要求されるでしょうし、いまからその覚悟を決めていなければなりません。それが本当の意味でのグローバル化だと思います。世界の政治経済を自国に有利に操ろうとしているアメリカの政財界は「グローバル化」という言葉を都合よく解釈して他国に押しつけているだけです。日本人の中にもアメリカのようになることがグローバル化だと勘違いしている人がたくさんいますが、少なくとも文化やスポーツの分野の人々は今後も勘違いすることなく、度量を大きく保って欲しいものです。