自分も周囲の人たちも歳を取ったせいか、腰痛を訴える人が増えました。逆に言えば周囲に腰痛を訴える人が増えたから、自分が歳を取ったことを改めて実感させられたということなのかもしれません。人それぞれに腰痛の症状が異なっていて、私の場合は椎間板ヘルニアと腰椎分離すべり症を併発した坐骨神経痛を発症しています。さすがに周囲にはそんな人は少なく、大抵は筋肉の炎症による普通の(普通のという言い方も変ですが)腰痛です。
コナミの小島秀夫さんが作り出している「メタルギアソリッド」というビデオゲームのシリーズがあります。6月12日に最新作の「4」が発売されたので、持っていなかったプレイステーション3とパックになっているものを買いました。前作「3」ではなく「2」の続編という設定で、時代も実際の発売日の年数に合わせて数年後の設定になっています。
いざゲームをはじめると、画面の隅に表示されるステイタスや武器のアイコンが14型のテレビでは非常に見辛く、仕方がないのでテレビを買い替えました。40型の画面です。サイズが3倍近く大きくなったということは3×3で9倍近く大きくなった訳で、いままで片隅にあったテレビがいきなりその存在を主張するようになりました。デフォルトの受信が地上デジタル放送になっていまして、女優さんの顔のアップを見ると前のテレビでは見えなかった皺がよく見えます。皺がまったくないように見えたのは黒木メイサさんだけで、若いというのはこういうことかと思いました。
テレビを買い替えて改めてメタルギアソリッド4をやってみたら細かい数字がよく見えて、ゲームを楽しめるようになりました。さすが小島秀夫さんという場面が随所にあります。特に体内のナノマシンのせいで実際以上に早く歳を取った主人公が、中腰の姿勢を一定以上の時間続けたときに腰の痛みを訴える仕草をするのがなんともユーモラスであると同時に戦場における日常性の側面も表現していて、ゲームのリアリティを高めています。戦争は醜い殺し合いで、そこには食事をしたり排便したりという日常もあり、また病気や怪我もあって、決して華々しいものではないことがわかります。
主人公スネークの寿命はあと1年。それが妙に羨しく感じられるのは私だけではないと思います。もちろん、戦争という劣悪な環境の中で、どこの誰ともわからない人間を相手に人殺しをさせられるのは真っ平ごめんだし、三菱重工や石川島播磨重工のように人殺しの道具をこしらえる企業で働くのもご勘弁です。そういう企業の利益のために国民の税金を垂れ流し続ける政府の味方もしたくありません。日本の国民にもはや希望はなく、旅路の終わりの近かれと祈るだけです。