三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

ウィンズロウ・ボーイ

2015年04月19日 | 映画・舞台・コンサート

新国立劇場の小劇場で演劇「ウィンズロウ・ボーイ」を観ました。

舞台は応接間なんでしょうか、ずっとウィンズロウ家の一室です。その一室に、家族を中心にいろいろな人がやってきてはいろいろな会話をするという、とても落ち着いた戯曲です。ストーリーは簡単で、窃盗の濡れ衣で軍の学校を退学させられた息子の無実を晴らすために、多くの犠牲を払いながらも、父親を中心に家族が軍と戦うというものです。冷徹で有能な弁護士は裁判に持ち込めるのか、持ち込んだ裁判で勝てるのかと、途中から物語に引き込まれます。

途中からというのは、退学させられた子供が帰宅したときの、メイドとの絡みがあまりにも大袈裟で、かなり引いてしまったことと、そのあとで登場した兄の独白がまた大袈裟すぎて更に引いてしまったことの2点から、最初の30分ほどは帰りたくなってしまったからです。そのあたりの過剰な芝居を我慢してやり過ごせば、その後の展開で人々の絡み合うダイナミズムが大きなうねりとなって芝居全体を高揚させていくのを感じることができます。

昨年の9月に渋谷のBunkamuraで観た宮沢りえさんと大竹しのぶさんの出た「火のように淋しい姉がいて」という舞台を見ましたが、役者の精神性を描いただけの、いわば楽屋落ち的な戯曲で、本当につまらなかった。等身大の人間が観劇するわけですから、等身大の人間を演じてもらわないと、問題意識や感性が共有できず、とてもついていけません。あれに比べれば百倍マシでした。

権力に逆らうことは人間の生活にとってどれほど損なのか、長いものに巻かれることがどれほど得なのか、それらによって何を得、何を失うのかという、共同体の中での個人の振る舞いについての深い考察が、戯曲を厚みのあるものにしています。

開場の18時過ぎに入場して、終了したのが21時50分。4時間近く座り続けたおかげで、お尻がかなり痛くなりました。しかし観劇中はそんなことはまったく気にならないほど集中して観ることができました。キャサリン・ウィンズロウ役の森川由樹さんの演技がとても自然で、出演者の中でもっとも私の好みの演技でした。イギリス的なのかどうかわかりませんが、シニカルなジョークなどもそこかしこに飛び出して、笑えるところや泣けるところなど、いろいろ鏤められた愉快なお芝居でした。観た後に気持ちがとてもすっきりして、日常のつまらない問題がどこかに飛んでいきます。


レース回顧~皐月賞

2015年04月19日 | 競馬

皐月賞の結果

1着ドゥラメンテ   △
2着リアルスティール 〇
3着キタサンブラック 無印

馬券は馬単は頭で買った◎ブライトエンブレムが4着に負けたのでハズレ。3連単のボックスもキタサンブラックが無印でハズレ。 なかなか当たらないものです。

レースは1000m通過が59秒2という平均ペース。勝ち時計が1分58秒2ですから、後半は59秒0ということになります。前半と後半がほぼ同じ実力勝負の展開になりました。勝ったのは後方から進んだドゥラメンテですが、逃げたクラリティスカイが5着に粘ったように、どの馬にも勝つチャンスのあるレースだったと思います。

本命にしたブライトエンブレムはいいスタートを切ってそのままインコースを進みました。ロスのない展開です。3コーナーを過ぎて後方の馬が何頭か仕掛けてきたときに一緒に仕掛けて早めに先行馬の後ろに取り付きました。そこまではよかったのですが、どうもこの馬はそこからの速い脚がなく、じりじりと伸びては来ているのですが、後方から鬼脚でごぼう抜きしたドゥラメンテを横目に見ながら、キタサンブラックにもクビ差届かず4着になりました。私の馬券が外れたのはこの馬のジリ脚が原因です。
対抗にしていたリアルスティールは早めの5番手を進み、4角でやや外に出してキタサンブラックを交わし、この馬が勝つかと思われる一瞬がありました。四位騎手の乗り方は完璧だったと思います。
単穴にしたサトノクラウンは後方から。4角手前から勢いをつけ、直線で追い出しにかかろうとしたときに、内にいたドゥラメンテが一気に外に飛び出してきて、そのあおりを受けてやや体勢が乱れてしまいました。6着という着順よりは実力は上です。
勝ったドゥラメンテは、ミルコ・デムーロ騎手だからこそ勝てたのかもしれません。JRAのレース映像の画面には映らなかったのですが、4角のよれ具合はかなりひどかったのではないでしょうか。外にサトノクラウンがいなかったら逸走していたかもしれません。しかしそこからの末脚が凄かった。どこかに良血ゆえの狂気をはらんでいるのではないかとさえ思わせる走りっぷりでした。ダービーでは1番人気になるでしょうが、この気性はかなり心配ですね。
ダノンプラチナは中段を進みましたが、向こう正面で折り合いを欠いてしまい、まったくレースにならずに後方のままで終わりました。 久しぶりに弱い3歳チャンピオンですね。

このところあまりにも馬券が当たらないので、来週は馬券を休みます。次は5月3日の天皇賞春ですね。キズナはもはや1番人気にさえならないかもしれません。もしラキシスが出てくるようなら買いだと思います。


皐月賞~ブライトエンブレム

2015年04月19日 | 競馬

皐月賞G1です。

先週の桜花賞のルージュバックの負け方が印象に残りすぎて、皐月賞の馬券にも影響しそうな気がしています。展開ばかりを考えてしまうのです。しかし馬券の本筋は強い馬を選ぶこと。トライアルレースでどの馬が強い競馬をしたかを振り返る必要があります。
弥生賞のレース回顧を見ると、出走馬の中で皐月賞で上位に来そうなのは勝ったサトノクラウンと2着のブライトエンブレムの2頭だけだとなっています。そしてスプリングステークスのレース回顧を見ると、勝ったキタサンブラックは超スローペースをインで先行する展開に恵まれたとなっていて、皐月賞では2着のリアルスティールと3着のダノンプラチナに弥生賞組の2頭を加えた4頭の争いとなるとなっています。福永騎手はサトノクラウンに乗るだろうからリアルスティールには外国人騎手が乗ってほしいとも書きました。しかし福永騎手はリアルスティールに乗り、サトノクラウンにはルメールが乗ることになりました。

◎ブライトエンブレム
〇リアルスティール
▲サトノクラウン
△ダノンプラチナ
△ドゥラメンテ

本命はブライトエンブレム。弥生賞では勝ったサトノクラウンよりも0秒5も速い上がりを記録しました。ゴール前の伸びも際立っていたので、ペースが速くなる本番で同じ競馬をすれば、この馬が突き抜けると思います。しかし気になるのが1番枠。それでなくてもスタートが悪いので、平均ペースで置かれすぎるようだと追い込んでも届きません。
デビュー戦から共同通信杯で重賞までぶっこ抜いたリアルスティールが強敵。スプリングステークスでは勝ち馬よりも0秒8も速い上がりを記録。クビ差及びませんでしたが、この馬が一番強い競馬をしたのは明らかです。
弥生賞馬サトノクラウンが単穴。気性のいい馬で展開に左右されることなく力を発揮できるのが強み。ただディープ産駒のような爆発力に欠けるというか、力でねじ伏せるようなタイプではないので、展開が向くかどうかがカギ。
器用なレースが出来るダノンプラチナは中山コースがポイントでしたが、前走で克服できたのが大きい。
共同通信杯で1番人気に押されながら、折合いを欠いてしまい、直線で追い込んではきたもののリアルスティールの2着に負けたドゥラメンテが、鞍上にデムーロを迎えて巻き返しを図ります。
この5頭は、どの馬が勝ってもおかしくありません。

馬券は非常に悩みましたが、穴馬の出番はないと信じて3連単ボックス(1、2、5、8、15)の60点と、◎ブライトエンブレムからの馬単4点の、計64点勝負。