ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

豆乳:売れ行きが鈍る 大豆イソフラボン安全性論議で 

2006-09-27 13:53:00 | Weblog
豆乳:売れ行きが鈍る 大豆イソフラボン安全性論議で 2006年9月22日 毎日
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/news/20060922ddm013100129000c.html
 骨粗しょう症の予防など、健康イメージで伸びてきた豆乳の売れ行きが鈍っている。今年に入って、大豆イソフラボンの安全性論議がメディアをにぎわしたことがイメージの悪化につながったともいわれる。大豆食品の健康効果を説く専門家は「若い世代にとっては、大豆食品の不足こそが問題なのに」と安全性論議に惑わされないよう訴える。

◇注意対象、凝縮サプリだけなのに
 大豆イソフラボンは女性ホルモンのような働きをする成分。大豆イソフラボンを凝縮したサプリメントを女性が大量に摂取した場合、子宮内膜が厚くなるなどの研究報告から、厚生労働省は8月下旬、食品安全委員会の答申を受けて「妊婦、授乳中の女性、乳幼児、小児は、大豆イソフラボンを凝縮した錠剤やカプセル、粉末などを摂取しないこと」などの指針を都道府県に通知した。
 同省新開発食品保健対策室は「注意の対象はあくまで凝縮したサプリメントで、豆乳や納豆などの大豆食品は栄養価に富み、従来通り、食べることを勧めている」と強調する。

◇少なくない大豆自体への誤解
 しかし、日本豆乳協会(東京都)によると、豆乳の7割近くを占める調製豆乳の生産量は今年1~3月、前年同期比で約7%増だったが、4~6月は約1%減少、伸び続けてきた傾向が逆転した。調製豆乳を売る紀文フードケミファ(東京都)は「安全性論議が少なからず影響したかもしれない」と話す。
 豆の加工食品メーカー、フジッコ(神戸市)が今年6月、首都圏と近畿圏の男女500人を対象に大豆イソフラボンの意識調査を実施したところ、安全性論議が気になった人の約6割が「豆乳の購入を控えた」と答えた。一方、約4割が「普通の大豆食品の取り過ぎにも注意した方がよい」と答え、大豆食品そのものが危険と誤解している人が少なからずいる傾向がうかがわれた。

◇若者、摂取しないと骨粗しょう症の危険性
 こうした状況に対し、世界各国を見て回り、大豆の効用を訴えてきた家森幸男・武庫川女子大国際健康開発研究所長(予防栄養学)は「大豆食品からイソフラボンを取る国ほど心臓死、乳がん、前立腺がんが少ない」と指摘、大豆離れを心配する。
 家森さんらが兵庫県内の女子大学生の大豆食品の摂取量を調べたところ、県民平均より4割も少なく、3人に2人は週に1回も食べていなかった。「若い世代がもっと大豆食品を取らないと将来、骨粗しょう症などが増える。妊婦や子どもにも大切な栄養源なのに、危険な食品という誤ったイメージが伝わっているとしたら、深刻な問題だ」と改めて大豆食品の重要性を訴える。
 危機感をもった豆乳メーカーなど10社は今月上旬、豆乳習慣普及委員会を設け、「豆乳の日」の10月12日から11月末まで、全国のスーパーで試飲の機会を提供するキャンペーンを始める。同委員会委員長の料理研究家、前川メグさんは「豆乳はビタミンB群が豊富で、鉄分は牛乳より多い。肌や腸の調子を整えるのにも最適」と有用性を強調する。



 一方大豆の方は、凝縮サプリによる副反応の影響の問題で、サプリだけでなく、豆乳や大豆の消費量にも影響を与えているようです。
 どうしても豆乳の味になじめない私は牛乳派なのですが、豆乳の場合、牛乳でしばしば見られる体質にあわないということもないようですし、栄養価的にもビタミンや鉄分が豊富。いままでが健康ブームで飲まれていましたので、そういった層が離れていったと言えばそれまでなのかもしれませんが、豆をそのままの形で食べる事が今の若い方(中高年の男性も…)には随分少なくなったと思いますし、健康面からは若干の不安材料も出てくるのではないでしょうか。
 ひじき論争(ひじき論争については、食と健康コンサルタントの南惠子さんが、中々面白いコラムを書かれています。私もきちんと水洗いすれば、老廃物の排泄効果の方が大きいのでは…と思います。 http://allabout.co.jp/health/healthfood/closeup/CU20040807A/)の時にも思ったことですが、適量を摂るには全く問題ありませんし、行き過ぎた大豆牽制論が、誤解を与えた形で、国民の健康をむしばむことのないように、食品業界だけでなく、厚労省としても、改めて通達を出すなど何らかの対応は必要なのでは…という気もしますね。

日本豆乳協会のHPはこちら
http://www.h2.dion.ne.jp/~tounyu/

カルシウム多量に取ると大腸がんリスク3割減

2006-09-27 13:39:45 | Weblog
カルシウム多量に取ると大腸がんリスク3割減 2006年9月23日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060923AT1G2202K22092006.html
 牛乳や小魚に含まれるカルシウムを毎日たくさん取ると、大腸がんになる危険性が約30%低下することが、九州大学の古野純典教授と国立国際医療センター研究所の溝上哲也部長らの大規模な疫学調査で分かった。28日から横浜市で始まる日本癌(がん)学会で発表する。
 大腸がんは欧米型の食生活が浸透し国内でも患者が急増、毎年約9万人が発病し、約4万人が死亡する。がんの部位別死亡数で見ると女性でトップ、男性だと第4 位。明確な予防効果が確認された食物はこれまでなかった。


 カルシウムはあまり極端な量を摂り過ぎると、体内に結石ができることもあるようですが、体内で非常に吸収されにくい物質のひとつで、高カルシウム血症の人、腎結石のある人、重篤な腎不全のある人は別にしても、通常の生活上での摂り過ぎは意識しなくても良いと思いますし、むしろその摂取量の少なさが、歳を取ってからの骨粗しょう症などの原因として問題になっています。
 今回は、それに加えて、ガン予防効果という新たな材料が出てきたようですが、この調査結果がもとになり、牛乳の販売量が回復するのでしょうか。最近は朝食をとらないで出勤するお父さんも少なくないので、せめて朝の一杯に牛乳を薦めてあげるのも良いかもしれませんね。

「くまぇり」、起訴事実認める 長野の連続放火事件

2006-09-27 13:36:39 | Weblog
「くまぇり」、起訴事実認める 長野の連続放火事件 2006年09月26日 
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY200609250136.html
毎日 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060926-00000058-mailo-l20
 長野県諏訪市などで今年5月に起きた連続放火事件で、非現住建造物等放火など2件の放火罪に問われた同市湖南、飲食店手伝い平田恵里香被告(20)の初公判が25日、長野地裁松本支部(峯俊之裁判長)であり、平田被告は2件とも起訴事実を認めた。
 起訴状によると、5月11日未明、市立諏訪西中学校の小体育館入り口のげた箱などに火をつけ、体育館を全焼させた。隣の下諏訪町でも自動車修理販売会社の駐車場の車両に放火したとされる。
 検察側は冒頭陳述で、動機について「いじめを受けた屈辱感を消し去りたいという気持ちがあった」とした。
 平田被告は自らを女性タレントに似ているとホームページで紹介、「くまぇり」と名乗ってタレントを志望していた。ブログには、自分が放火したとされる火事現場の写真も載せていた。


 わかり易いといえば、わかり易いのですが、一部のマスコミは未だに平田被告ではなく「くまぇり」扱いなんですね…。ところで最近は、テレビなどの媒体で、(ある意味本家の)熊田曜子さんをよくお見かけするようになったように思います。
 平田被告に流れていた仕事が熊田曜子さんに回ってきたとも思えませんが、今回の事件が熊田曜子さんを少なからず有名にした面は少なくないと思いますし、有名になりたかったというのが犯行を犯した理由の平田被告にはあまりにも皮肉な現象になったのでは…という気がしてなりません。

こちらはくまぇりではなく、熊田曜子さんの記事
http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/geinou/news/20060925spn00m200006000c.html

非正社員・無職56.1% 国民年金加入者

2006-09-27 13:22:39 | Weblog
非正社員・無職56.1% 国民年金加入者 2006年9月23日 
産経 http://www.sankei.co.jp/news/060923/sha004.htm
毎日 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060923k0000m040077000c.html
 「自営業者の公的年金」とされる国民年金の加入者のうち、「非正社員」と「無職者」の割合が増加の一途をたどっている。社会保険庁が3年ごとに実施している「国民年金被保険者実態調査」の平成17年の速報によると、非正社員と無職者の占める割合は56.1%と過去最高を更新した。こうした雇用や収入面で不安定な立場の人たちが過半数を占める現状に歯止めがかからず、国民年金保険料の徴収強化が進まないと、やがて国民年金制度の空洞化が進んで年金不信に一段と拍車がかかる可能性がある。
 社保庁の実態調査は、17年12月に被保険者から5万5000人を抽出して郵送で実施、回収率は39.4%だった。
 加入者を就業別にみると、「自営業主」は3年前の前回調査から横ばい。「家族従業者」と、厚生年金に加入義務のない従業員5人未満の個人事業所などに勤める「常用雇用」は微増にとどまった。
 これに対して、アルバイトやパートなど非正社員は4.2ポイント上昇。8年の調査開始以来増え続け、初めて全体の4分の1を超えた。
 一方、これら非正社員のうち保険料を納付している人の比率は6.8ポイント悪化して47.3%となり、免除などを含め、過半数が保険料を支払っていないという実態が浮き彫りになった。年金不信が高まる中、新たに非正社員となった層が納付率を押し下げたとみられる。
 加入者の中で、最も大きな割合を占めるのは無職者。前回調査に比べ3.8ポイント低下したものの、依然として3割を超え、非正社員と合わせた加入割合は前回よりもさらに0.4ポイント上昇した。保険料納付者も52.1%で、やはり半数近くは支払っていない状況だ。
 社保庁は19年度末の国民年金保険料の納付率80%を目標にしている。だが、加入者の過半数が賃金や雇用形態が不安定な非正社員や無職者で占められるなか、免除制度の活用で見せかけの納付率が向上できても、実際に年金財政に寄与する徴収強化は容易ではない。
 国民皆年金の制度の下で、給付財源は本来は保険料で賄うはずの年金制度の機能不全ぶりは一段と深刻さを増しており、みずほ総研の堀江奈保子主任研究員は「給料から年金保険料が天引きされる会社員の不公平感が増し、年金不信につながる」と指摘。そのうえで、「国税との一体徴収など強制力をもった徴収が必要」と話している。


 国民年金の第一号被保険者というと自営業者のための年金制度というイメージが強いのですが、実際に自営業に従事しているのは4人に1人(平成14年調査で自営業主が17.8%、家族従事者が10.1%、常用雇用が10.6%、臨時・パートが21.0%、無職が34.7%)。
 また、同前回調査の職種別納付状況を見ると、自営業主が76.9%(未納は13.9%)、家族従事者が80.8%(未納は12.4%)に対して、常用雇用は61.4%(未納は24.1%)、臨時・パートが54.1%(未納は22.0%)、無職が52.7%(未納は18.1%)が納付していますが、
今回の調査で、加入者に占める臨時・パートの比率が21.0%から25.2%と4人に1人を占める一大勢力になり、同臨時パートの納付率は6.8%悪化して47.3%に、無職の方も保険料を実際に納付している方は52.1%に過ぎないことが判明しました。

 イメージでは国民年金は自営業者の納付比率が低いと考えられがちですが、本当に未納者の比率が高いのは、臨時・パートや無職の人達ですし、臨時・パートの人の中には本来は厚生年金を適用しないといけないはずの人もいるのではないでしょうか。
 無職の人の場合は、免除制度の正しい理解を進め、保険料の滞納は結局は自分の首を絞めることにしかならないことを、納得して頂けるまで 粘り強く説得するしか根本的な解決法はないと思います。


 将来的にも社会保険方式を維持するのか、それとも経過措置を設けた上で、全額租税負担方式にするのかはわかりませんが、不公平を許容している限り、この手の未納の問題は解決できないと思いますし、実際の職種による対応も大幅に違うはず。そういった諸事情も考慮の上で対応策を練らなければ、いくら努力をしても空回りする可能性が高いのでは…と個人的には見ています。

 ちなみに、平成17年版国民年金被保険者実態調査は、今現在では最新版はまだアップされていませんが、過去の分は社会保険庁のトップページ(http://www.sia.go.jp/)より→インフォメーション→社会保険統計情報→国民年金被保険者実態調査より入手することができます。

クレジットカード、玄関の鍵兼ねる・オリコや三井住友導入

2006-09-27 13:15:14 | Weblog
クレジットカード、玄関の鍵兼ねる・オリコや三井住友導入 2006年9月23日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060923AT2C2201O22092006.html
 マンションの鍵としても使えるクレジットカードが相次いで登場する。玄関の専用読み取り機にカードをかざせば、ドアを開閉できる。オリエントコーポレーションは10月から、賃貸マンションの入居者向けに発行を開始。三井住友カードは2008年に大阪市内のマンションで導入する。
 オリコが発行するのは「クワトロカード」。カードにICチップが内蔵されており、KESAKAシステム(福岡市)の個人認証システムを活用する。同システムを導入した賃貸マンション向けに発行し、初年度に1万―3万枚の発行をめざす。入居者はカードで家賃を支払えるほか、マンション所有者にはオリコが家賃を保証する。


 オートロックマンションだと、住人の出入りと一緒に忍び込んで窃盗行為を図ったり、新聞などのしつこい勧誘をする輩がいるので、そういった輩を排除するというセキュリティ面では面白い取組みかとは思いますが、万が一にもクレジットカードを紛失したような場合はどうするんでしょうね?
 他にも、居住者単位でカードを発行するとなると、小学生の子供にまでクレジットカードを持たせるのかという問題もありますし、せめて子供の背が届く位置に指紋認証でも開けられる装置をつけるなど、何らかの対応策は必要なのではないかと思います。

楓ちゃんの両親が手記…小林薫被告への憤りなど吐露

2006-09-27 00:45:09 | Weblog
楓ちゃんの両親が手記…小林薫被告への憤りなど吐露 2006年9月27日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060926it12.htm
 奈良市の有山楓(かえで)ちゃん(当時7歳)の誘拐殺人事件で、小林薫被告(37)に対する奈良地裁の死刑判決を受け、両親が一生癒えない悲しみや、小林被告への憤りをつづった手記を奈良県警を通じて発表した。

 本日、小林被告に死刑判決が下されました。事件から今日までの1年10ヶ月は本当に長いものでした。悲しみ、苦しみそして怒りの収まらない日々がずっと続いてきました。裁判長の口から『死刑』という言葉が告げられ、「楓ちゃん聞いた?楓ちゃんよく頑張ったね。楓ちゃんが見守ってくれたからパパもママも頑張ってこれたよ。楓ちゃんありがとう」と心の中で楓には言いました。
 私たちはこの裁判において楓の無念さ、つらさ、悲しみをすべて知ってあげたい気持ちから、今日まで裁判を傍聴してきました。しかし、この裁判では小林被告から事件に対して、全く反省の姿を見せる事もなく、「生きていても面白くない。早く死刑にして欲しい」と自分勝手な言動ばかりで私たちには到底納得しえる事は何も小林被告の口から出てきませんでした。
 私たちには『死刑』が下されたからといって、幸せだった生活が元に戻るわけではありません。楓が受けた苦しみ、無念さがなくなる訳ではありません。私たちはこれからも大切な楓を奪われた深い悲しみの中、残された家族で毎日を過ごしていかなければなりません。
 下の娘も先日、「かえちゃん早く帰ってこないかなぁ?帰ってきたら『大きくなったね』って頭をなでてくれるかなぁ?ギューってしてほしいなぁ」と私たちに言ってきました。この事件で、楓の命が奪われただけではなく、楽しかった家族4人の生活をも粉々に砕かれてしまいました。この悲しみは一生癒える事はないのだと思います。それでも私たちは前に向かって進んでいかなければなりません。小林被告にはこの死刑判決を受け、少しでも真摯(しんし)に受け止めてもらいたいです。
 私たちが受けたこの悲しみはもう二度と誰にもしてほしくはありません。この判決が子供を持つ親にとって少しは勇気づけられる結果となったかは解りませんが、未来のあるかけがえのない子供たちが犠牲となる犯罪が無くなる事を願うばかりです。
 この判決まで私たちが頑張ってこれたのも、死刑判決まで導いてくださった検察官、必死の捜査により小林被告を逮捕してくださった奈良県警の方々、そして事件当初から私たちへの励ましの手紙や想いを送ってくださった方々、遺棄現場まで足を運んで手を合わせてくださった方々、そして温かく見守ってくださった地域の皆様のおかげであると思います。本当にありがとうございました。
      有山 茂樹
          江利


 勝手ながらコメントは控えさせて頂きます。被害者のご両親の思いを読んで欲しくて、そのままアップすることにします。

笑う被告、涙の両親 奈良女児殺害判決

2006-09-27 00:32:57 | Weblog
笑う被告、涙の両親 奈良女児殺害判決 2006年09月26日 夕刊各誌
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0926/OSK200609260036.html
産経 http://www.sankei.co.jp/news/060926/sha019.htm
 判決が言い渡された瞬間、法廷は一瞬静まり返った。奈良市で04年11月に起きた有山楓(かえで)さん誘拐殺害事件で26日、小林薫被告(37)に言い渡された奈良地裁判決は、検察の求刑通り死刑だった。子どもが犠牲となる犯罪が多発する中、地裁は厳罰を求める両親の感情や世論をくみとった。母親はピンクの布にくるんだ娘の遺影を胸に抱き、父親とともに死刑判決に涙した。
 裁判長が「被告人を死刑に処す」と告げた瞬間、被告席に立つ小林被告は体を動かさず前を向いていた。
 判決の言い渡しが終わると、父親は水色のハンカチで両目をふいて頭を下げた。母親は嗚咽(おえつ)をもらした。
 裁判長が最後に、小林被告に「自分の犯した罪の重大性を真剣に受けとめるようにしてください」と求めると、被告は2度、3度と首を揺さぶった。
 「主文(量刑)は最後に言い渡します」。開廷直後の午前10時過ぎ、奈良地裁101号法廷に響く裁判長の言葉を、口ひげをはやした小林被告は立ったまま聴き入った。
 弁護人前の自席に戻りながら、傍聴席に目をやった。着席すると、にやりと笑い、右手を握りしめて腰の脇で数回振り、小さくガッツポーズした。そして目を閉じて何度かうなずいた。
 70ある傍聴席はほぼ満席となった。母親はディズニーのシンデレラ城の柄のあるピンクの布に包んだ娘の遺影を胸に抱き、父親とともに奈良県警の捜査員に付き添われて傍聴席の最後列に座った。冒頭の裁判長の言葉に父親は下を向き、目を閉じた。
 母親は時折前を向くが、すぐにまたうつむく。開廷約10分後に死体を側溝に遺棄した経緯を裁判長が朗読すると、肩で息をするようだった。
 一方、小林被告は目をつぶり、裁判長の声にじっと聴き入っていた。時折、腹の前に置いた手を握ったり開いたりして指を動かしていた。裁判長が小林被告の虚言傾向に言及した際、目をつぶって口をゆがませて笑ったような表情になった。自身の最愛の母の死について触れた時には目をつぶったままじっとしていた。
 初公判から約1年半、両親はこの日の判決を含め11回あったすべての公判を傍聴した。

 「裁判は茶番。もとから死刑を望んでいる」
 小林被告が死刑を願う気持ちをはっきりと述べたのは、「反社会性人格障害」などと診断された情状鑑定後、9カ月ぶりに再開した第6回公判(3月27日)だった。
 その後の公判で、小林被告は死刑を望む真意や女児の両親に謝罪しない理由などについて聞かれても「言いたくない」と拒み続けた。周囲には、謝罪や反省の言葉は減刑を望んでいるようで本意ではないし、それを促す弁護人にも従いたくないと漏らしていた。その結果、肝心なことには口を閉ざす、開き直ったような態度となった。
 警察の取り調べ段階から、小林被告は、死刑確定から1年足らずの04年9月に執行された付属池田小事件の宅間守元死刑囚を例に挙げて「第2の宅間守になりたい」と死刑を望む言葉を口にしていた。
 昨年10月に接見した弁護人には「社会が許してくれるのなら生きたい」と揺れる思いも見せたが、朝日新聞記者に小林被告があてた1月16日付の手紙では「やり直す気持ちがなくなり、人を信じて裏切られてきた人生を死刑で終わりたい」と記した。
 小林被告と文通をしている月刊誌「創」の篠田博之編集長によると、一般の人から「早く死ね」と書かれた手紙が被告に届くなどしていた。篠田編集長は「どうせ社会は受け入れてくれない、と世の中への未練を断ち切ってしまったのでは」とみる。
 公判で、小林被告が感情をあらわにしたのは、小4の時に亡くなった自分の母親について聞かれたときだった。法廷で「(その後は)生き続ける方がつらい」とすすり泣いた。
 小林被告は左目の視力が低いことなどから小・中学時代にいじめにあい、そりの合わない父親から度重なる暴力を受けていたと語っている。唯一、自分を守り、認めてくれていたのが母親だった。
 5月25日の第8回公判では、女児の両親が言葉を詰まらせながら心情を述べた。その感想を、小林被告は接見した篠田編集長に「あの子はすごく親に愛されていたんだな。うらやましい」と語った。その一方、両親の痛みを思いやる言葉はなかったという。
 公判を傍聴したことがある前奈良大教授で臨床心理士の藤掛永良さん(72)は「小林被告はその生い立ちから、世の中に対する敵意や仕返ししたい気持ちを募らせた。自分を被害者だと思い、孤立無援の世界にいると感じているのでは。つらい現実から逃避するために死を望んでいる」と分析する。
 奈良県警の捜査員は「小林被告が心の底から死刑を望んでいるとは思えない。誰にも相手にされず強がっているだけに見える」と話す。



 判決を受けた直後に、にやりと笑い、右手を握りしめて腰の脇で数回振り、小さくガッツポーズしたそうです。なぜその場面で笑えるのでしょうか? ガッツポーズも含めて、絶対に許せない行為ですし、一体何を考えているのやら…。ここまで侮辱される遺族の方の気持ちを考えると、とてもやり切れません。

次は犠牲になった楓ちゃんの両親の手記の記事。

奈良の女児誘拐殺害、小林薫被告に死刑…弁護側が控訴

2006-09-27 00:25:52 | Weblog
奈良の女児誘拐殺害、小林薫被告に死刑…弁護側が控訴 2006年9月26日 夕刊各誌
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060926i105.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060926AT5C2601Z26092006.html
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0926/OSK200609260011.html
毎日 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060926k0000e040052000c.html
 奈良市立富雄北小1年、有山楓(かえで)ちゃん(当時7歳)が2004年11月、誘拐、殺害された事件で、殺人、わいせつ目的誘拐など八つの罪に問われた毎日新聞販売所の元従業員小林薫被告(37)の判決が26日午前、奈良地裁であった。
 奥田哲也裁判長は「卑劣で残虐な犯行。矯正の可能性は極めて困難で、生命をもって償わせるほかはない」と求刑通り死刑を言い渡した。
 これまで被害者1人の殺人事件での死刑判決は大半が金品目的の犯行だったが、奥田裁判長は「被害者は1人とはいえ、落ち度もなく、抵抗できない幼い子どもに性的被害を加え、殺害した結果は重大」と述べた。弁護側は控訴した。
 奥田裁判長は、主文の言い渡しを後回しにし、犯罪事実について、検察側の主張をすべて認定した。
 動機を、わいせつ目的で誘拐したと認め、「身勝手きわまりなく酌量の余地はみじんもない」と述べ、争点の一つだった殺意の形成時期も「自室に連れ込み、風呂場で抵抗されるまでの間」とし、確定的殺意があり、とっさの殺意という弁護側主張を退けた。
 さらに、「純粋無垢(むく)な女児の性格を利用した犯行は巧妙かつ冷徹で極めて執拗(しつよう)で残忍」と指弾。女児を殺害後、両親に画像をメール送信するなどの行為について、「反省しないばかりか、血も涙もない非情な犯行」と断じた。
 「無限の可能性があったが、人生を楽しむことなく7年の短期間で終えなければならなかった無念さは察するに余りある」と女児の思いにも触れ、「愛するわが子の命を理不尽な形で奪われた怒りや無念さは計り知れない」と両親の気持ちを代弁し、極刑を望む遺族感情に理解を示した。
 そのうえで、最大の焦点だった死刑適用について、1983年に最高裁が判示した死刑適用の目安である永山基準に言及。「残忍性、結果の重大性、犯行後の悪質性、被害感情の深刻さ、社会的影響を考えれば、刑事責任は極めて重大」と述べ、女児を狙った2度の前科があり、常習性が根深いとした上で矯正の可能性も否定。さらに被害者数に触れ、「数だけをもって死刑を回避すべきではない」とした。


 あの広島女児殺害事件のヤギ被告のケースでも無期懲役だったので、死刑の確立は2割くらいかな…と思っていましたが、裁判官は殺害行為の残酷さだけでなく、犯行後に女児の両親に画像をメール送信した行為なども含め、あまりにも悪質とし、死刑が妥当と判断したようです。
 「数だけをもって死刑を回避すべきではない」との一言は、今後の殺人事件の判決にも大きな影響を与えるのではないでしょうか。

関連ニュース
奈良女児殺害:「死刑にするだけなら、同じことが…」
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060927k0000m040126000c.html

中国占術サイトの投資詐欺、全国で4500万円被害

2006-09-27 00:16:21 | Weblog
中国占術サイトの投資詐欺、全国で4500万円被害 2006年9月22日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060922i307.htm
 中国で始まった占術「六壬占(りくじんせん)」の研究会を名乗る占いのウェブサイトでメール相談を受けて相談者を信頼させ、その後に投資話を持ちかけて現金を振り込ませる新手の“ネット詐欺”被害が、全国で相次いでいる。
 被害者はサイトの主宰者側とメールのやり取りしかしておらず、主宰者側の顔も声も知らないまま大金を振り込んでいた。警察に相談しても、手がかりが乏しいため、犯人像が絞れないという。
 六壬占は陰陽師の安倍晴明ブームでも知られるようになった占術。問題のサイトでは、北朝鮮の核問題に対する予言や、東京大地震発生の予測などに加え、株や先物取引等の投資情報を掲載。メールでの無料の相談に応じていた。
 被害者の相談を集めている任意団体「投資被害相談センター」(東京)によると、被害者は22日現在、32歳から68歳までの男女20人。北海道、宮城、千葉、長野、広島県などで、被害総額は約4500万円だが、さらに増えると見られる。
 関係者の話を総合すると、被害者は1、2年前からこのサイト上でメールを通じて健康や人間関係などに関する無料相談を数回持ち込んだ。その後、同研究会から海外に本社を置くという「投資会社」を紹介され、「元本確保型」「満期には100倍近くになることが予想される」などの宣伝文句を信じ、指定されたラトビアの銀行口座に金を振り込むなどしていた。
 さらに、「投資会社」から毎月届く投資金の運用実績を信じ込み、同会が新たに始めたとする投資話に現金を郵送した人もあった。



 占いも気休め程度で楽しむ位ならまだ良いのですが、占いを100%信じるのはどうかと思いますし、まして、投資詐欺のレベルまで話が発展すると、さすがに社会問題になってきますね。それにしても、被害者が20人で被害総額が4500万円なら一人平均200万円強の被害額ですか…。洗脳ってつくづく怖いと思います。
 ただこのケースの場合「元本確保型」「満期には100倍近くになることが予想される」のセールストークを真に受けるほうにも問題がありますし(元本を確保するタイプの商品ならどんなに運用が上手く行ってもせいぜいが5%で回れば儲けもの。満期も何十年後の話か知りませんが、100倍になる頃には契約者は既にお亡くなりになっています)、ネット上の取引ということもあり、実際に摘発しお金を取り戻すことはかなり困難ではないでしょうか。
 詐欺の手口はいろいろですが、最期に頼りになるのは自分のカン。少しでも疑わしい面があるなら、納得の行くまで調べた上で、迷っているなら投資しない。とりわけ預金保険機構といった公的保護のない投資商品に投資するなら、この原則だけは守って欲しいと思います。

悪徳商法から高齢者守れ・東京都が07年春メドに指針

2006-09-27 00:10:14 | Weblog
悪徳商法から高齢者守れ・東京都が07年春メドに指針 2006年9月22日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060922AT1G2003Y22092006.html
 高齢者を狙った悪徳商法の被害拡大に歯止めをかけようと、東京都は来春までに、都や区市町村、介護事業者などの役割分担を定めた指針を作る。悪徳商法を察知したホームヘルパーが区市町村の窓口に通報、状況により区市町村の担当部署か、都の消費生活総合センターが業者と契約解除の交渉をするなど、具体的な役割を決める。都によると、こうした指針は都道府県レベルでは初めて。
 都によるとここ数年、高齢者が高額の健康食品や寝具の購入、住宅改修といった悪徳商法に巻き込まれそうになったケースは、ホームヘルパー、地区の民生委員などの第3者が“第1発見者”となって通報するケースが多くなっている。ただヘルパーが契約や購入を阻止するには、「悪徳商法の商品を見つけて解約を促しても、財産権侵害と見なされる可能性がある」「業者と交渉するにも法的知識や情報が少ない」といった壁がある。


 高齢者の悪徳商法被害対策としては、既に内閣府が『見守り新鮮情報』メルマガ
(http://www.consumer.go.jp/shinsen/index.html)を発行し、このブログでも度々紹介していますが、予防面と言う意味では、一メディアだけでの情報提供だけでは不十分でしょうし、まだまだ多方面からの取組みが必要かと思います。
 そういう意味では、東京都が指針を作ることで、運用が上手く行くならば、随時他の自治体にも同様の仕組が普及していく可能性は高いでしょうし、今後の動きを注意深く見守りたいと思います。
 ただ、記事で指摘の通り、ホームヘルパーや民生委員といった近縁者でもない方に、どういった根拠で取消請求権を与えていくかといった問題もありますし、このあたりをどう乗り越えていくかが運用面での課題になるように思います。

新しい内閣大臣一覧

2006-09-27 00:04:20 | Weblog
安倍内閣、財務相に尾身氏・経財相に大田弘子氏 2006年9月26日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060926AT3S2600S26092006.html
 安倍晋三新内閣の塩崎恭久官房長官は26日午後、安倍内閣の閣僚名簿を発表した。財務相には尾身幸次氏、また経財相には民間から大田弘子氏が決まった。顔ぶれは次の通り。(敬称略)

【首相】 安倍晋三
【総務・郵政民営化】 菅義偉
【法務】 長勢甚遠
【外務】 麻生太郎(再任)
【財務】 尾身幸次
【文部科学】 伊吹文明
【厚生労働】 柳沢伯夫
【農林水産】 松岡利勝
【経済産業】 甘利明
【国土交通・観光立国】 冬柴鉄三
【環境・地球環境問題】 若林正俊
【官房・拉致問題】 塩崎恭久
【国家公安・防災】 溝手顕正
【防衛】 久間章生
【経済財政】 大田弘子
【規制改革・行革・公務員制度・地域活性化・道州制】 佐田玄一郎
【金融・再チャレンジ】 山本有二
【沖縄・北方・科学技術・イノベーション・少子化・男女共同参画・食品安全】 高市早苗


 新しい内閣の顔ぶれが決まりました。やはり猪口少子化担当相は交代ですか…。どうでも良い事ですが、高市さん 随分肩書きが多いようですが、7分野も1人でこなせるのでしょうか…。