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パート経験者、年金記録統合時に減額・返納例も

2008-04-08 18:11:35 | Weblog
パート経験者、年金記録統合時に減額・返納例も 2008年03月29日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/life/update/0329/TKY200803290159.html
 「宙に浮いた年金記録」の統合で、受け取った年金の返納義務が生じる例が複数起きていることが、社会保険事務所職員の証言などでわかった。本人が知らないままパート中に厚生年金に加入していた専業主婦や、障害者らで該当することがある。だが、すでに受け取った年金を返させる異例の事態なのに、対応は社保事務所の窓口の裁量に任されているのが実情で、統合を見送るケースも出ている。
 社会保険庁は「ねんきん特別便」の発送に伴い2月8日付で各地の社保事務所に出した通知で、「記録統合に伴い年金が減額となる場合には、さかのぼってお返ししていただく旨、丁寧に説明すること」と明記。返納の発生を認識しているが、「件数は把握できていない」という。
 代表的な例は、短期間のパートなどで厚生年金に加入した経験をもつ専業主婦らだ。
 サラリーマンの配偶者は、国民年金の「3号」被保険者(加入者)に区分され、保険料を自分で払わなくても払ったとみなされる。だが、パート勤務で厚生年金に入れば国民年金から抜け、退職後に「3号」に戻るには再加入手続きが必要で、02年まで本人の届け出が義務付けられていた。
 返納が起きるのは、宙に浮いた厚生年金の記録を統合する時だ。多くは厚生年金に入った認識がなく退職後に国民年金の再加入手続きをしていないため、「空白」(未納期間)が生じることになってしまう。空白分は減額の対象になるので、すでに受給していた人は返納を求められることになる。
 3号から抜けた認識がなく再加入を届け出なかったケースについて、厚生労働省は法律を改正し、05年4月からは「届け出をした時点で、その後もらう年金は空白を解消した金額をもらえる」とした。この時点で41万人が救済された。
 だが、届け出前にもらっていた年金については「空白の解消をしない」と制限をつけた。
 この規定のため、年金を受け取っていた人に新たな空白が見つかったケースで、今回の返納の義務が生じた。空白を解消しようと届け出ても、すでに受け取った年金分については解消できない。このため減額され、受け取り済み分との差額は返納義務が生じる。
 2月、70代のある女性が関西の社保事務所を訪問。新たに見つかった厚生年金記録を職員から示され、「これを統合してしまうと100万円近い返納が必要になる。やめた方がいい」と説明され、手続きをせずに立ち去ったという。本人の申し出がなければ記録の統合はできない。
 中部地方の社保事務所でも同様のケースが発覚したが、記録を統合しなかったことを現役職員が認めた。
 記録統合で年金が減額される例は他にもある。例えば、障害・遺族厚生年金などだ。厚生年金の受給額は全加入期間の月収の平均額(平均標準報酬月額)をもとに決めるため、低い月収の記録が見つかると平均額が押し下げられるからだ。
 社保庁は「記録の統合で減額・返納になった事例の件数は把握できていないが、複数確認されている」としている。



 この『主婦が、記録漏れが見つかったのに、逆に年金の返納を求められる事例』ですが、具体的には、大手保険会社に2-3ヶ月だけ勤務(『研修だけ受けて見ませんか』となし崩し的に入社させられるも1件も契約がとれないまま辞めて行くパターン)した専業主婦の方が、そもそも就職したという実感がなかったために、3号再取得届出を行わなかったため、結果的に3号の空白期間が出来てしまう(記録上はずっと3号となっているため、年金額には反映されてしまっています)ようなケースで発生するのですが、自分の年金が減額になるとわかっていて、記録を統合するようなもの好きは…そりゃあいませんよね…(苦笑
 このようなケースは、そもそも本人が知らなかったのだから3号として届出があったものとして救済してあげるか、従前額保証の規定でも設けなければ、持ち主のわからない年金記録の統合なんて、いつまでたっても終わらないと思うんですけどね…(溜息

長男も社長、次男も社長 中古車販売ガリバー2人体制

2008-04-08 18:06:16 | Weblog
長男も社長、次男も社長 中古車販売ガリバー2人体制 2008年04月08日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0407/TKY200804070277.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080407AT1D0700R07042008.html
 東京証券取引所1部上場の中古車販売大手ガリバーインターナショナルは7日、創業者の羽鳥兼市社長(67)が代表取締役会長に就き、後任の代表取締役社長に羽鳥裕介、羽鳥貴夫の両専務が内定したと発表した。6月1日付。
 裕介氏は兼市氏の長男、貴夫氏は次男で、ともに大学生だった94年に入社した。会社法上、会社を代表するのは代表取締役で、社内の職称である社長についての規定は特にないため、社長を複数置くことも可能。ただ、東京証券取引所は「上場企業で社長を2人置いているのは聞いたことがない」としている。
 ガリバーは「社長2人体制で会社を牽引(けんいん)することは、さらなる株主価値向上につながる」と説明する。兼市氏は取締役会議長として経営を監督するという。



 う~ん??? 確かに『社長が2人いてはいけない!』とは、会社法のどこにも書いていないとは思いますが、ガリバーは一体何をしたいんでしょうね…???
 まあ、急成長した同族企業で、他に社長を引き受けさせられるだけの器の人材がいないため、まだ30代と若い2人に役割分担させるつもりなのだとは思いますが、もしこの2人の意見が対立した時は、下手をするとお家騒動にもなりかねないと思います。
 いきなり1人に任せるのが不安ならば、とりあえずは2人は副社長に昇格させた上で、株は渡さないで、外部から1代限りで社長を招き、現社長は会長として経営を見守るという方法もあるでしょうし、ここまでして経営委譲する必要はあるのかな…と感じてしまいます。

タクシー代500万円の国交省職員 残業1.3時間で深夜帰り

2008-04-08 17:58:52 | Weblog
タクシー代500万円の国交省職員 残業1.3時間で深夜帰り 2008年4月8日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080407/crm0804072234025-n1.htm
 国土交通省関東地方整備局道路部の職員が平成19年度に深夜帰宅用タクシー券を出勤日のほぼ毎日に当たる計190回、総額500万円分も使っていた問題で、この職員の1回のタクシー代の最高金額が4万円に上るほか、1日の平均残業時間が2時間未満だったことが分かった。国交省が民主党の大久保勉参院議員に説明した。タクシー代の原資となっている道路特定財源について大久保議員は「管理がずさんだ」として参院で追及する方針。
 国交省などの説明によると、問題の職員の残業時間は19年4月から今年2月までの11カ月間で295時間。同期間の勤務日数225日で計算すると、1日当たりの残業は1.3時間になる。
 深夜帰宅用タクシー券は、残業で帰宅が遅くなり、通常の交通機関がなくなった場合に交付される。同整備局の終業時間は午後6時であるため、1.3時間の残業なら電車などで帰宅できるにもかかわらず、タクシー帰りをしていたことになる。
 同整備局によると、国交省が今回示した残業時間は超過勤務命令があった時間だけで、「実際には、自分の意思で連日午前2、3時まで残業していた。退庁記録も残っている」と説明。
 問題の職員は、国会の資料作成を担当しているため残業が続き、同整備局のあるさいたま市から神奈川県に近い都下にある自宅まで、2万6000円前後のタクシー代がかかったという。
 これに対し、大久保議員は「1000時間を超える残業をつけている職員もいるのに、問題の職員だけ295時間というのは不自然だ」と指摘。この職員が1回で使ったタクシー代の最高額が4万円と、2万6000円を大きく上回っていることも判明したため、当該職員のタクシー券の使用状況や勤務実態の詳細を明らかにするよう求める。
 一方、国交省の峰久幸義事務次官は7日の記者会見で「不正はなかったが、ほぼ連日の使用は公費の効率的使用や健康管理の面で問題」と話し、勤務管理などを改善する考えを示した。



 問題の職員は、『実際はサービス残業をしていたため、不正はしていない』と言い訳しているようですが、普通サービス残業をするならば、タクシー代も請求しないのが(民間企業ならば)暗黙の了解だと思いますが、本当のところはどうなんでしょうね…。
 100歩譲って、本当に電車がない時間まで仕事をしていたとしても、これだけの距離をタクシーで帰宅が許されるのは、民間企業ならば、社長や一部の実力者のみで、通常はビジネスホテルに泊まるなり、会社に寝袋を持ち込んで泊まるなりする方が妥当な選択肢でしょう。
 さすがに、寝袋生活を強要しろとまではいいませんが、東京にはがら空きになっている国会議員用の宿舎もあると聞いていますし、例えばタクシー料金が1万円を超えるならば、ビジネスホテルに泊まるなり、先の余っている国会議員用の宿舎を一時転用する(国会議員のために残業しているのですから、何ら問題はないでしょう)なり検討すべきではないでしょうか。
 与党は道路特定財源を復活させようと躍起になっていますが、ほんの少し調べ上げただけでも、こんなムダが出てくるのですから、本気で探し出せばもっと沢山のムダが洗い出されるでしょうし、最初に暫定税率復活ありきではなく、本当に必要な財源はいくらなのかをまず洗い出す必要があるように思います。

暫定税率復活、42知事が賛成…読売アンケート

2008-04-08 17:47:59 | Weblog
暫定税率復活、42知事が賛成…読売アンケート 2008年4月8日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080408-OYT1T00055.htm
 読売新聞社は、ガソリン税などの暫定税率の復活や道路特定財源の一般財源化の賛否について、47都道府県知事を対象にアンケートを行った。
 47人のうち、暫定税率の復活については、42人が賛成し、反対はゼロ。青森、岩手、秋田、神奈川、京都の5府県知事は賛否を明言しなかった。一方、道路特定財源の一般財源化については、賛成は徳島県知事ら4人だけ。東京都知事ら11人が反対し、32人が賛否を明言しなかった。
 暫定税率復活に賛成した42人は、「医療や福祉、教育などにも影響を与える」(東国原英夫・宮崎県知事)などと窮状を訴えた。同じ質問で1、2日に実施した本社全国世論調査では賛成27%、反対57%となっており、国民と知事との認識の差が浮き彫りとなった。
 暫定税率の復活に賛否を明言しなかった5人のうち、達増拓也・岩手県知事は「一度下げた税率をまた上げるという選択は、更なる混乱を招く。必要な財源確保のあり方も含め考え方が整理されるのを見極めたい」と回答。松沢成文・神奈川県知事は「当面は暫定税率を復活させることが望ましい」とした上で、「各政党は道路整備のあり方など具体的な政策をマニフェストに掲げ、国民の審判を受けるべき」と主張した。
 寺田典城・秋田県知事は「この機会に自動車関連の恒久税を検討すべき」と訴え、三村申吾・青森県知事と山田啓二・京都府知事は、与野党の早期協議を求めた。
 道路特定財源の一般財源化について賛成した4人のうち、飯泉嘉門・徳島県知事は「地方分権の観点からすれば、目指すべき方向」と回答。反対した石原慎太郎・東京都知事は「道路整備に必要な財源が適切に配分されない限り、受け入れられない」とした。賛否を明言しなかった32人の中には、「(地方に)必要な財源を確保できるのであれば納得」(大沢正明・群馬県知事)と、前提条件を満たせば賛成に転じる考えを示す知事もいた。



 表現が不適切とお叱りを受けるかもしれませんが、お国から恵んで貰える財源がなくなり、かといって、どこかの某ワンマン都知事のように『独自課税を』と啖呵を切る勇気もない、大半の都道府県知事からみれば、このアンケート結果も概ね妥当な結果でしょうね…。
 ただ、道路特定財源の中には、次のスレッドで触れるような、タクシー代の無駄遣いも含まれているようですし、どういった用途に使われているか、ムダはないかをきっちり洗い出すことは必要不可欠ではないでしょうか。
 達増拓也・岩手県知事が指摘するように、「一度下げた税率をまた上げるという選択は、更なる混乱を招く」ことは避けられないだけに、最初に財源ありきではなく、(仮に一部を復活させるにしても)本当に必要なものをきっちり洗い出さなければ、国民の納得は得られないと思います。

白川次期日銀総裁絡みの記事 ニュース3本

2008-04-08 15:26:06 | Weblog
日銀人事:新政策委「利上げ派」多く 2008年4月8日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080408k0000m020126000c.html
 白川方明氏の総裁就任で、金融政策を決定する日銀政策委員会の性格も福井俊彦前総裁時代と比べ微妙に変わりそうだ。白川氏自身が「利上げ積極派」とされ、金融政策では「タカ派」的な色彩が強まる可能性もある。
 政策委員会が開く金融政策決定会合は合議制だが、議長を務める総裁が各委員の意見を集約し、金融政策を変更するか維持するか提案する仕組みになっており、総裁の影響力は大きい。
 福井前総裁が「利上げ積極派」と「慎重派」の中間的な位置づけだったのに対し、白川氏は「現在の金利は非常に大きな緩和方向」と述べており、「利上げ積極派」に近いと見られている。
 また、福井前総裁時代の07年2月に、決定会合で追加利上げに唯一反対した岩田一政前副総裁も福井氏とともに退任。岩田氏の後任的な位置づけで政府の最初の人事案で副総裁候補となった伊藤隆敏東大大学院教授は「利上げ慎重派」とみられていたが、国会で否決された。
 このため、「『白川日銀』は『福井日銀』より利上げに前向きで、利下げには慎重な姿勢が強まるのではないか」(野村証券金融経済研究所の木内登英氏)との指摘が出ている。
 【ことば】日銀政策委員会 日銀の最高意思決定機関。総裁、副総裁2人、有識者から選ばれた審議委員6人の計9人が定員。白川方明氏が総裁に、渡辺博史氏が副総裁に就任しても、西村清彦副総裁が務めていた審議委員に後任は決まっておらず、1人欠員状態となる。金融政策決定会合を月1~2回開き、政策金利である短期金利(無担保コール翌日物)の誘導目標などを決める。委員全員に議案提出権があり、政策は多数決で決める。

日銀人事:難局直面、いきなり正念場 白川総裁 2008年4月8日
毎日 http://mainichi.jp/life/money/news/20080408k0000m020083000c.html
 空席が続いていた日銀総裁に白川方明(まさあき)副総裁の昇格が7日固まり、金融政策の「司令塔不在」という異常事態はとりあえず解消される。だが、急ごしらえで波乱の船出となった「白川日銀」の前には、米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題による金融不安や景気後退懸念など難局が待ち受けており、いきなり正念場を迎えそうだ。
 福井俊彦前総裁は低金利政策の「正常化」を目指したが、サブプライム問題の深刻化で追加利上げを見送らざるを得なかった。バトンを受け継ぐ白川氏は3月21日の副総裁就任会見で「現在の金融政策は非常に大きな緩和方向」と金利正常化に意欲を示した。
 ただ、日本経済は、一時1ドル=95円台に急進した円高や1バレル=100ドルを超す原油高で3月の日銀短観(短期経済観測調査)の企業景況感が大幅に悪化、先行きには険しさが増している。
 白川氏がまず試されるのは日銀が8、9日に開く金融政策決定会合。総裁代行として出席するが次期総裁として事実上の初采配(さいはい)を振る。政策金利である短期金利(無担保コール翌日物)の誘導目標は年0・5%に据え置く見通しだが、会合後の9日の会見で市場にどういうメッセージを送るか注目される。
 福井前総裁は当意即妙な受け答えで日銀の意図を巧みに発信したが、理論家の白川氏が「前総裁ほど市場と円滑に対話できるか」との見方もつきまとう。日本経済がさらに減速した場合、政府・与党からの利下げ圧力が強まるとみられ、「リーダーシップに不安が残る」(日銀幹部)といわれる白川氏の対応次第では日銀の信用に影響する可能性もある。
 国際会議デビューは、ワシントンで11日に開く先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)。白川氏は欧米中央銀行に知己が多く「国際会議は無難にこなせるはず」(日銀幹部)との見方が多い。ただ、今回のG7はサブプライム問題に端を発した金融危機に有効な政策協調を打ち出せるかが焦点で、中央銀行総裁としての資質がいきなり問われることになる。

日銀人事:「国際的混乱回避を優先」 欧米はひとまず評価 2008年4月8日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080408k0000m020093000c.html
 日銀総裁への白川方明副総裁の昇格が固まったことについて、欧米では「日本は国際的な混乱回避を優先した」(欧州のエコノミスト)として、ひとまず評価する声が強い。
 市場では、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題で混乱が続く中、11日にワシントンで開かれる7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に総裁代行が出るようでは「日本の信認と国際的な市場の安定を損ないかねない」(英紙フィナンシャル・タイムズ)との見方が強かった。
 企画担当理事を務めた白川氏は、欧米の中央銀行関係者に知り合いが多く「国際金融のプロ筋にとっては安心感がある」(欧州中央銀行関係者)という。
 日本は「金融政策を大きく変更する余地はない」との見方が一般的。ただ、サブプライム問題が深刻化する中、「日銀の景気見通しは楽観的過ぎる。白川氏は現実的な方向に修正すべきだ」(英誌エコノミストの調査部門、EIU社のロバート・ウォード・シニアエコノミスト)といった声も強まっている。
 特に、米景気が更に悪化した場合、「短期的には利下げをして日本の景気を下支えするとともに、円安誘導による輸出増を図るべきだ」(米系銀行)といった注文も聞かれる。
 一方で、中長期的には福井俊彦前総裁が果たせなかった金利正常化という大きな課題がある。「政治の圧力を計算に入れながら、いかに金利を正常化していくか。市場を味方にしていく対話能力が問われる」(ウォード氏)と言えそうだ。

◇金利当面据え置き
 田谷禎三立教大特任教授(元日銀審議委員)の話 白川氏は、長期的には低金利政策からの脱却を目指す「金利正常化」が基本的姿勢で、福井俊彦前総裁と変わらない。懸念材料は、米経済が急速に悪化するとの見通しが強まっていることだ。
 日本の輸出が減退すれば、生産→雇用→所得と減退が波及し、消費も落ちてくる。悪化の兆候が明確に出ていないので、利下げ論が現実的に台頭してくる可能性は低いが、金利正常化にかじを切ることはしばらく難しくなる。前総裁時代から金融政策に大きな変化はなく、当面は金利据え置きが続くだろう。
 海外の中央銀行関係者と話をすると、総裁不在を心配していない人はいなかった。日銀がこれからどうなるのか世界中が注視している。体制はなるべく早く正常化してほしい。
◇速やかに実績を
 熊野英生第一生命経済研究所主席エコノミストの話 白川氏は人物的に日銀総裁にふさわしいが、白川氏の総裁昇格案は、自民・民主両党の顔を立てつつ、11日の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に日銀総裁が欠席する事態を避けたい--という政治的な妥協の産物とも言える。不幸な状態での日銀総裁の決定だ。
 「白川総裁」は、この不幸な経緯を引きずる可能性がある。財界を含めて人脈の広かった福井前総裁や、対政治交渉で手腕を発揮した武藤前副総裁と比べると、白川体制はパワーダウンは否めない。
 この状況を引きずらないためにも、白川氏は総裁就任後、速やかに金融政策で何をやるのか、というメッセージを打ち出し、実績を上げることが必要だ。



 次期総裁就任が確実視される白川氏による日銀の運営ですが、白川氏自身が「現在の金融政策は非常に大きな緩和方向」と金利正常化に意欲を示したことで、早くも利上げに動くのではないかという懸念も出ているようですね。
 とはいえ、いつまでもゼロ金利から脱却できないようでは、急激な円高や株安が進んでも弾力的な対応をとることもできませんし、いずれは誰かがやらなければならないこと。利上げのタイミングの問題はありますが、少なくとも次の5年間で一定の方向性だけでも決めてもらいたいものですね。
 一方、海外では、与野党の利害対立による妥協の産物的な人選になったとはいえ、日銀総裁が決まることには概ね好意的な意見が多数派なようです。とはいえ、白川氏は海外との人脈には期待が持てるものの、日銀本体の中での人脈と言う意味では福井前総裁や武藤前副総裁と比べると、どうしても見劣りするでしょうし、これからはいかにリーダーシップを図りながらも、日銀という大組織を上手く運営していくかが求められるのではないでかと思われます。

日銀総裁に白川氏昇格・政府案提示、「渡辺副総裁」なお調整 

2008-04-08 15:24:14 | Weblog
日銀総裁に白川氏昇格・政府案提示、「渡辺副総裁」なお調整 2008年4月8日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080408NT002Y94507042008.html
 政府は7日夕、空席となっている日銀総裁に白川方明副総裁(58)を昇格させ、後任の副総裁に渡辺博史一橋大教授(58)を充てる人事案を国会に提示した。民主党は白川総裁案に賛成する方向。政府は9日の衆参両院本会議での国会同意を踏まえて直ちに総裁に任命する見通し。渡辺副総裁案には民主党内に賛否両論があり、先行きはなお不透明だ。
 政府は3月以降、総裁候補として大蔵・財務次官経験者である武藤敏郎前日銀副総裁と田波耕治国際協力銀行総裁を2度にわたり提示。いずれも「財政と金融の分離」の厳格適用を掲げる民主党などの反対で不同意となり、日銀総裁は3月20日から戦後初の空席となっている。

日銀人事 「渡辺副総裁」に民主不同意強まる 2008年04月08日 朝日
http://www.asahi.com/politics/update/0407/TKY200804070222.html
 政府は7日、日本銀行の総裁に白川方明(まさ・あき)副総裁(58)を昇格させ、白川氏に代わる副総裁に前財務官の渡辺博史・一橋大院教授(58)を充てる人事案を正式に国会に提示した。民主党は白川総裁は同意する方針。ただ、小沢代表は財務省出身の渡辺氏の副総裁起用に反対しており、不同意となる公算が大きくなっている。
 政府は、渡辺副総裁案への民主党の出方を見極めるため、7日昼に予定していた提示を夕方に遅らせた。政府・与党内には、渡辺氏同意の見通しがなければ、提示の先送りや白川総裁のみの提案にとどめるべきだとの意見もあった。しかし、正副総裁のうち1人は、財政に通じた財務省出身者を充てるべきだとの首相の強い意向もあり、同意の確証がないまま、「白川・渡辺案」の提示に踏み切った。
 福田首相は記者団に、白川氏昇格の理由について「日銀の生え抜きで、非常に優秀な方。総裁としてもふさわしい」と説明。「財務省からの天下り」などとして、民主党内に異論がある渡辺氏の起用には「能力、経験、人柄と申し分のない人だ。人物本位で考えた」と述べ、「常識的には同意してくださると思う」と民主党の協力に期待した。
 衆参両院の議院運営委員会は8日、白川、渡辺両氏から所信を聴取。9日の両院本会議で白川総裁の同意が得られれば、約3週間ぶりに総裁空席が解消されることになる。政府は9日中に総裁に任命し、11日にワシントンで開かれる主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に出席させたい考えだ。
 一方、民主党は7日夜、小沢代表や鳩山由紀夫幹事長ら4役が対応を協議。この日は結論を持ち越し、8日の所信聴取後に最終的な対応を決める。鳩山氏は会議後、「(渡辺氏への同意は)簡単ではないという雰囲気がある」と語った。
 同党内では「財務省出身だから即不同意という機械的な話はあり得ない」(仙谷由人・同意人事検討小委員長)と渡辺副総裁を容認する意見が多いが、山岡賢次国会対策委員長や輿石東参院議員会長らも異論を唱えており、最終的には小沢氏の意向を踏まえ、渡辺氏への不同意を決めるとの見方が広がっている。
 社民党は白川氏は同意、渡辺氏は不同意を決め、共産党は両氏とも不同意の方向だ。

「渡辺副総裁」火種残す・民主、ねじれる論理 2008年4月8日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080408AT1C0700D07042008.html
 政府は7日、日銀総裁・副総裁の3度目の人事案提示にこぎ着けた。しかし民主党は態度決定を8日に持ち越し、副総裁候補に渡辺博史前財務省財務官を充てる案への対応で火種を残している。「天下り廃止」を前面に出す小沢一郎代表だが、日銀人事で財務省OBをどう扱うかの党方針が定まらないことが混乱の一因になっている。
 「君の理屈は分かるが、代表が言っていることなんだからのんでくれ」。7日夕、新たな人事案への対応を協議した民主党の幹部会で、山岡賢次国会対策委員長は渡辺副総裁案への容認姿勢を示す鳩山由紀夫幹事長に訴えた。輿石東参院議員会長も「天下りを一切認めないという原理原則を守れ」と主張したという。



 ん…。結局、与党は、白川氏を総裁に、渡辺氏を副総裁に推したようですね。相も変わらず(天下りポスト維持のために)財務省出身者を送り出そうとする与党が悪いのか、それとも、財務省出身者を毛嫌いする民主党のお偉いさんが悪いのか…。おそらくは、総裁はG7に出席させるためにも総裁は同意、影響があまりない副総裁は否認されそうな気がしますが、民主党もここまでゴネの連続では、次の選挙が戦いにくくなるのでは…という危惧をどうしても感じずにはいられませんし、ここまで頭が固い人ばかりが上に揃っていると、鳩山兄も大変ですね…(汗
 あまり世代間で意見が対立して党の分裂という最悪の事態にならなければいいと真剣に思います。

NYダウは3ドル高の小動き、日経平均は200円の下落

2008-04-08 15:21:40 | Weblog
NY株小反発、3ドル高の1万2612ドル 2008年4月8日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080408AT3L0800308042008.html
 7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら反発。前週末比3ドル1セント高の1万2612ドル43セントで終えた。米ワシントン・ミューチュアルが投資ファンドから出資受け入れで合意が近づいているとの報道を好感し、同社株が急伸。金融システム不安が和らぐとの期待感から他の金融株も買われ、相場を支えた。ただ、買い一巡後は上値の重さが嫌気され、次第に利益確定売りが増えた。通常取引終了後に決算発表を控えるアルコアなどが売りに押された。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに小反落。前週末比6.15ポイント安の2364.83で終えた。

NY原油、109ドル台に続伸・OPEC増産見通し後退で 2008年4月8日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080408AT2M0800T08042008.html
 7日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は、前週末比2.86ドル高の1バレル109.09ドルで取引を終えた。原油需給が逼迫(ひっぱく)するとの思惑から買われ、一時109.48ドルまで上昇した。
 石油輸出国機構(OPEC)幹部が「原油は市場に十分に供給されており、産出量を変更する必要はない」と発言したと伝わり、OPECによる増産の見通しが後退、買いが入った。

日経平均反落、終値199円安の1万3250円 2008年4月8日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080408NTE2INK0608042008.html
 8日の東京株式市場で日経平均株価は反落。大引けは前日比199円80銭(1.49%)安の1万3250円43銭だった。前日に心理的な節目の1万3500円に接近したため、いったん達成感が広がり、海外投資家から主力株中心に戻り待ちの売りが出た。日米主要企業の決算発表の本格化を前に様子見ムードが強まる中、後場は先物主導で日経平均は下値を切り下げた。日経平均の下げ幅は一時200円を超えた。
 東証1部の売買代金は概算1兆9577億円(速報ベース)。




 7日のNYダウですが、住宅関連投資の損失拡大で資金繰りが悪化していた米貯蓄金融機関最大手ワシントン・ミューチュアルが米投資ファンドなどから50億ドルの資金注入を受けるとの観測報道を受け、一時100ドルを超える上げ幅を記録(http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M07033 07042008&g=MH&d=20080407)したものの、その後は利益確定売りに押され、終値は3ドル高の小動きで終了。一方、NY原油はOPEC幹部の発言もあり、再び上昇し始めているようで、NY原油が一時109.48ドルまで上昇。この時期にこれだけ高止まりしていると、株式市場への影響も少なくなかったのではないでしょうか。
 一方の8日の日経平均は、4月に入ってから900円あまり上昇した反動もあり、朝方からウリ先行で始まり、一時は13225円76銭を記録し、終値は前日比199円80銭安い13250円43銭で終了しました。3月17日の直近の安値11787円と比べると1600円以上も上げていましたし、さすがに利益確定売りが出てしまうのも致し方の無いことではないかと思います。