ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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大学に「過保護者」急増 入学式は満杯、就職相談に同伴 

2008-05-25 19:14:51 | Weblog
大学に「過保護者」急増 入学式は満杯、就職相談に同伴 2008年05月24日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/national/update/0524/TKY200805240037.html
 大学生の入学から授業、進級、就職など、過剰なまでに干渉する「過保護者」が目立っている。大学教職員の多くは、近年に急増したと言う。だが「子離れ不全」として放置できなくなった。大学間の生き残り競争が激しくなる中、各校は保護者サービスにも腐心する。
 「子どもはきょう、休むので先生に伝えてください」「板書の字がよく見えないそうだ。善処して」
 大都市圏にある私立の9大学に、父母からかかる電話の内容を聞いたところ「過保護な質問や依頼が増えた」と感じる職員が多かった。
 そばに学生がいると分かるのに、母親がもっぱら聞く。父親からの電話も多い。
 間接的に聞いた教員の冗談を真に受けて抗議したり、学長に改善要求の直訴状を書いたり。父親が学生を伴って就職相談窓口を訪ね、求人票を見て、学生より熱心に質問する姿も目撃されている。
 入学式は、どこの大学でも父母で膨らんだ。法政大や東洋大は約1万4千人を収容する日本武道館を使い、「1学生につき保護者2人まで」と制限するのに満杯状態。明治大は今年度から、武道館で午前、午後の2部制にした。
 人数制限をしない大学では祖父母や、乳幼児を連れた親類もついて来る。開場の2時間前から並び、ビデオ撮りに便利な場所を目がけて走る親も多いという。
 大学選びのオープンキャンパス(体験入学)でも、両親と一緒の受験生が目立ち、中部大や関西大は父母向けのコーナーや説明会を開くようになった。「入試も、以前なら校門で子を見送ったものだが、最近は保護者が帰らない。控室に入り切らなくなる」と、首都圏の大学職員。
 「少子化のせい」「子離れできない」というのが、教職員の大方の見方。進学率が上がり、大学が大衆化したためでもあるが、「学生の自立を阻み、指示待ち人間を増やす原因になる」と心配する声が上がる。
 過保護な親は米国でも90年代から「ヘリコプター・ペアレント」として注目されるようになった。常に子どもの頭上にいて、何かあればすぐに降りてきて干渉する姿が「ヘリ」としてやゆされる。
 だが、保護者に詳しい小野田正利・大阪大教授はこうも言う。「今の保護者には大卒が多く、大学を知っているが故に、いろいろ見聞きしたくなるし、高水準の『顧客満足』を求めたくなる。その思いをある程度、大学側が受けとめる必要もある」
 多くの大学は、保護者向けの説明会や交流会を拡充した。立教大は毎年、全国の約20カ所で教育懇談会を実施するうえ、昨年度から首都圏の会合を2回から5回に増やした。学部ごとの説明、教職員との交流に加え、学生の成績表を渡したうえで単位や就職などの個別相談も受け付ける。
 明治、法政、立命館、関西の各大学なども同様で、「父母のための就職読本」を配るところも。小規模な関西国際大だと毎年、保護者と教職員の日帰りバス旅行もある。
 全学生の単位取得状況や成績表を保護者に郵送する大学は珍しくない。「留年する前になぜ知らせなかった」「単位認定の仕方がおかしい」といった抗議に備え、説明責任を果たす意味もある。
 「過保護の親もこの際、大学の味方につけ、就職まで一緒に学生を後押ししてもらう」。ある大学の渉外担当者はこう話す。




 私が学生だった二昔くらい前なら、大学どころか、高校の入学式でも、もし親が顔を出した日には、『お前のところの親、来ていたんだって?』と冷やかされていたと思いますが、最近では、幼稚園の入学式のように祖父母まで大学の入学式に参加したり、ビデオを構えている親までいるそうで、随分時代も変わったものですね…(吃驚
 まあ、このくらいならば、微笑ましい?笑い話で済まされるのかもしれませんが、中には、「子どもはきょう、休むので先生に伝えてください」「板書の字がよく見えないそうだ。善処して」と生徒本人が言ってくるのではなく、親が代わって訴えてきたり、就職相談にも親同伴で来て、就職するはずの当の学生よりも熱心に質問するなど、『モンスターペアレント』化が幼稚園・保育園レベルから大学生の段階まで進み始めているなど、ここまで過保護だと、逆にこの子供達が社会人になったときに、本当にひとり立ちできるのか、別の意味で心配になってきますね。
 子供はいつか親の元を離れていくもの。そんな当たり前の常識が通じなくなるこの国は、ひょっとすると、数十年後に国としての競争力もかなり失っているのかもしれません。

喫煙者の7割がニコチン依存症、ファイザー調べ

2008-05-25 19:08:06 | Weblog
喫煙者の7割がニコチン依存症、ファイザー調べ 2008年5月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080516AT3K1500I15052008.html
 ファイザーがまとめた全国の喫煙者を対象にしたニコチン依存度の調査によると、喫煙者の70.7%がニコチン依存症にかかっていることが分かった。ニコチン依存症に該当する喫煙者のうち、自覚していると回答したのは60.0%にとどまった。
 ニコチン依存症については、東京大学の教授らが米国精神医学会の診断基準などに準拠して開発したアンケート方式のテストをもとに判定した。
 一方、たばこの値段がいくらになったら禁煙するかを喫煙者に聞いたところ、「500円」(38.7%)がトップで、「400円」(15.2%)が続いた。「価格に関係なく禁煙しない」は10.6%だった。
 調査は4月10―15日にかけてインターネットで実施。全国の喫煙者9400人から回答を得た。

“自分はニコチン依存症”自覚 大阪は全国一 2008年5月16日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080516/bdy0805161008001-n1.htm
 大阪の喫煙者は、たばこを悪いと分かっているのにやめられない-。製薬会社のファイザー(東京都渋谷区)が発表した喫煙者の意識調査で、こんな傾向が判明した。大阪は、ニコチン依存症と自覚している喫煙者が全国一だった半面、過去に禁煙に挑戦したが失敗した喫煙者や、すぐにでも禁煙したい人の数も全国で上位だった。
 調査は世界禁煙デー(31日)を前に、47都道府県の計9400人の喫煙者を対象に、インターネットで実施した。
 「たばこで健康問題が起きていると分かっていても吸うことがある」などの質問に答え、ニコチン依存症と判定されたのは、大阪は200人中142人(71%)と全国で25番目。このうち自分で依存症と自覚していると回答したのは112人(78・9%)と、全国でもっとも多かった。
 一方、過去に禁煙に失敗した喫煙者は70・0%(全国14位)、今すぐにでも禁煙したい喫煙者は44・0%(同19位)と比較的上位にあり、大阪の喫煙者は禁煙しようと思っているが、なかなかやめられない実態が浮き彫りとなった。
 このほか、近畿では、和歌山が、ニコチン依存症と判定された喫煙者が全国2位。兵庫は「たばこの価格に関係なく禁煙しない」と回答した割合が全国2位。京都は、ニコチン依存症と判定された数が全国でもっとも低かった。



 報告書によれば、喫煙者のうち70.7%がニコチン依存症で(男性は69.9%、女性は71.7%)で、自覚のある方は60.0%。
 都道府県別のニコチン依存症の割合は、最も高い鳥取県の79.5%から最も低い京都府の63.5%まで、16ポイントの差しかありませんが、自覚している方の割合は、最も高い大阪府は78.9%に対して、もっとも低い徳島県の48.9%と、なんと39ポイント差。都道府県によって禁煙教育に対する姿勢に温度差があることが推測されます。
 『ニコチン依存症という病気を知っていますか?』という質問については、知っているが42.2%、よく知っているも19.4%と、喫煙者の61.6%がYESと回答するものの、『医療関係者に禁煙について相談したことがありますか?』という質問に対しては、相談したことがないと回答した人が93.7%もいて、相談した喫煙者は4.8%とわずか20人に1人の割合。
 『タバコの価格がいくら位になれば、禁煙しようと思いますか?』の質問には、「500円位」が38.7%、「400円位」が15.2%と、半数以上の喫煙者はタバコの価格が500円程度になると禁煙を考えるようですが、「価格に関係なく禁煙しない」と答えた喫煙者も10.6%と1割強いるようです。
 禁煙に失敗した方の割合は68.2%、今すぐに禁煙したいと思っている方も43.1%いますが、こちらは、いかにニコチン依存症から抜け出すのが難しいかの裏返しでしょうか…。
 『最近あなたの身の回りでタバコを吸いづらいという雰囲気を感じますか?』という質問には、強く感じるが32.9%、少し感じるが49.0%と、81.9%の喫煙者が、最近身の回りでタバコが吸いづらくなったと感じていると自覚。もっとも完全禁煙の職場は2割弱で、45.4%が分煙。完全禁煙は首都圏や大都市で進んでいるようです。
 「もしあなたのパートナーが喫煙していたらどう思いますか?」については、男性喫煙者は50.4%が「好ましくない」と回答したのに対し、女性喫煙者で「好ましくない」と答えたのは13.7%。こちらは男性の身勝手さが少し感じられますね…(苦笑
 禁煙を決意した理由は、やはり「自分自身の健康が気になった」という回答が55.5%と最も多いのですが、「自分の喫煙により周囲の人の健康に与える影響が気になったから」が25.8%、「タバコによる汚れや臭いが気になって」も27.5%あるなど、周囲に気を配って禁煙という方が増える傾向もあるようです。

ニュースリリースはこちら
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_05_15.html
報告書(PDF文書 22ページ)はこちら
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/documents/080515_survey.pdf

カラの祝儀袋で「両替して」 埼玉で詐欺、4月以降8

2008-05-25 19:00:18 | Weblog
カラの祝儀袋で「両替して」 埼玉で詐欺、4月以降8件 2008年05月24日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/national/update/0524/TKY200805240110.html
 カラの祝儀袋を使って両替を持ちかけ、個人商店の店員から現金をだまし取る詐欺が4月以降、埼玉県川越市や川口市の酒屋、たばこ屋などで相次いでいる。犯行時間は5分以内と短いことが多く、県警は「勢いでだましている。両替を求められたら中身を確認して」と呼びかけている。
 県警によると、これまで被害にあったのは8店。5月6日には川越市の菓子屋とたばこ屋で2件連続して起きた。菓子屋では50歳前後の男が店員に「たばこを1カートン欲しい。贈り物なので、ご祝儀袋も一緒に包んで」と、「金1万円」と書いた祝儀袋を渡してきた。
 その直後、「タクシーに料金を払いたいが、細かいのがない。袋に1万円あるから、両替して」と言い、千円札10枚を受け取ったまま戻ってこなかった。両店の店員とも「お客さんという認識で、信じ込んでしまった」と話しているという。
 ほかの被害も似たような手口だが、男の特徴は様々で複数犯の可能性もあるという。


 ん???。これは騙される方も悪いと思うのですが、なんでその場で中身を確認しないんでしょうね…。 ひょっとしたら『お客様に失礼だ』とでも考えているのかな…などと、騙された理由をいろいろと考えてしまうのですが、私などは、それ以前にご祝儀袋のお金を日常の買い物に使おうとする時点で、相手の神経を疑うのですが…。
 まあ、相手を騙すのが目的ですから、かなり急かしているのだとは思いますが、だからこそ、取り込み詐欺を疑うべきでしょうし、100歩譲って商品を買ったり、両替を求めたりするのならば、ご祝儀袋からお金を直接取り出すのが、モノを売る相手に対する最低限の礼儀だと思うんですけどね…。

学校施設の耐震化交付金、24%が目的外使用 他関連ニュース1本

2008-05-25 18:55:14 | Weblog
学校施設の耐震化交付金、24%が目的外使用 2008年5月24日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080524-OYT1T00262.htm
 地方自治体が学校施設を耐震補強するために使う国の「安全・安心な学校づくり交付金」のうち、約4分の1が耐震補強以外に使われていたことが23日、財務省の調査で分かった。
 2006年度当初予算で計上した約423億円の交付金のうち、約100億円が校庭の芝生化や、プールなどの体育施設、調理場の整備といった耐震補強以外の使途に充てられていた。
 中国の四川大地震では、小学校などの校舎の倒壊が深刻な被害につながった。日本国内での安全性を高めるため、政府は22日、耐震補強のための国庫補助率を現行の2分の1から、3分の2に引き上げることを決めている。
 財務省は「学校づくり交付金の使い道は地方自治体の裁量に任されているが、プールの整備など趣旨に合わない例が約24%にも及んでいる。国庫補助率を引き上げる以上、使い道は厳格化してほしい」としている。

図書室の本足りぬ、基準達成は公立小42%・07年3月末、文科省調査 2008年5月25日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080525AT1G2400I24052008.html
 公立学校の図書室の蔵書整備が足踏みを続けている。文部科学省のまとめによると、2007年3月末時点で学級数から算出する標準冊数をそろえられている学校図書館は小学校で42.0%、中学校では36.8%で、いずれも前年に比べて1.9ポイントのわずかな上昇にとどまった。財政難の自治体が図書の購入を後回しにしているためとみられる。
 学校図書館の蔵書は、学級数に応じてそろえるべき標準的な冊数(学校図書館図書標準)が定められている。例えば1学年3クラスで計18クラスある小学校なら、1万360冊といった具合だ。



 公費の目的外使用と言えば、『国から公立の小中学校の学校図書館の図書費として予算計上されているうち、2割強の金額は実は他の用途に流用されている』ことが発覚したばかり(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/de40993a0c983ac8b7ac76e0b74436ef)ですが、その図書費が目的外使用されている割には、蔵書の補充が伴っていないことや、今度は学校施設の耐震化交付金についても、4分の1のケースで目的外使用されていることが発覚しました。
 まあ、どちらも一般財源扱いで、具体的な使い方は地方自治体の裁量に任せられているようですが、学校施設の耐震化交付金がプールの整備に使われたり、学校図書館の図書購入費も校舎建築など施設整備に使われるなど、どうも本来の目的と異なる使い方が横行しているようですし、まして、『耐震補強のための国庫補助率を現行の2分の1から、3分の2に引き上げることが決まっている』ことを考慮すれば、その使い道はきっちりチェックしなければ、ひいては我々が支払う税金が不必要に膨らむことにもなりかねないでしょうね…。
 中国で倒壊した学校程深刻ではないとはいえ、日本の小中学校も、平成19年4月の段階の耐震化率が小中学校で58.6%、高校で60.9%と、いずれも4割が基準に達していないのが現実(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/06/07060507.htm)だけに、本来の用途にきっちり使われるように、厳しくチェックしていく必要があるのではないかと思います。

生活保護費から賠償金差し引く セクハラ敗訴の羽曳野

2008-05-25 18:46:48 | Weblog
生活保護費から賠償金差し引く セクハラ敗訴の羽曳野市 2008年05月24日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0523/OSK200805230091.html
 生活保護の申請をした女性(44)への職員のセクハラ行為をめぐる訴訟で敗訴し、110万円の損害賠償を支払った大阪府羽曳野市が、訴訟費用を除いて女性の手元に残った約24万円を「収入」とみなして生活保護費から差し引いていたことがわかった。専門家は「嫌がらせとしか思えない」と指摘している。
 昨年10月の大阪地裁堺支部判決によると、女性は生活保護受給を申請した05年5月から同12月、羽曳野市の担当の男性職員(30)=懲戒免職=から「夜に自宅に行く」といった内容の電話を4回受けた。元職員は訴訟で否認したが、判決は「立場を利用したもので悪質」と指摘し、セクハラ行為と認定。市に慰謝料など計110万円の支払いを命じた。
 女性の代理人弁護士らによると、市は判決に従って賠償金を支払い、女性の手元には訴訟で証拠採用された電話の録音テープの声紋鑑定費や弁護費用などを引いた24万2千円が残った。市はこれを女性の「収入」とみなし、昨年11月~今年4月、女性の生活保護費(月約6万6千円)から月1万~5万円を分割して差し引いた。
 一方で、市は国家賠償法に基づき、元職員に女性への賠償金と同じ額を市に支払うよう請求。元職員が応じたため、市は生活保護の減額に加えて賠償金も結果的に取り戻した形になった。
 自治体は生活保護法に基づき、受給者が交通事故や離婚などで保険金や慰謝料を受け取った場合、それを「収入」とみなして保護費を減額することができる。一方で旧厚生省は61年、受給者の自立や更生のために使われる分については収入とみなさない、とする通知を出している。
 女性の代理人は羽曳野市に「24万円は女性の自立や更生に必要な費用とみなすべきだ」と抗議。「そもそも、訴訟で負けた市が勝訴した側から賠償金を事実上取り戻すのは信義則に反する」と主張している。
 女性は朝日新聞の取材に「裁判で市が悪いと判断されたのに、お金を返す必要があるのか」と話した。
 これに対し、羽曳野市の麻野博一・福祉総務課長は「生活保護受給者が得た保険金などについては、ふだんから必要経費を除いたすべてを収入と認定している。今回も同様の措置をとった」と説明する。
 厚生労働省によると、行政の不法行為や災害被害などで賠償金を得た受給者については、自治体から問い合わせがあった場合、「個別の事情」を最大限考慮して生活保護の減額を判断するよう求めているという。過去には、95年の地下鉄サリン事件の被害に遭った生活保護受給者にオウム真理教(現アレフ)が支払った賠償金約300万円が、収入として認定されなかったケースがある。
 今回の羽曳野市の対応について、同省保護課の担当者は「訴訟に敗訴して賠償金を支払った経緯を踏まえれば、もう少し配慮の余地があったのではないか」と話している。



 先のスレッドで、生活保護受給者に支給される通院交通費が削られる可能性が高い問題を取り上げましたが、こちらでは、その生活保護の支給が、声の大きい人や乱暴な言動を取る輩には甘くなりがちな反面、ごくごく普通の一般受給者に対してはいかに厳しい運用をしているかを如実に示すような事例があったので紹介したいと思います。
 それにしても、市の職員からセクハラを受けた生活保護受給者が代償として受け取った賠償金まで収入認定して生活保護費を減額するなんて、あまりにも酷な話ですし、旧厚生省時代の61年に出した『受給者の自立や更生のために使われる分については収入とみなさない』に抵触するのではないでしょうかねぇ…。
 生活保護支給金額算定の過酷さについては、将来の介護費用のためにと、少ない生活保護費から、食費を極端にきりつめて蓄えた貯蓄を国に取り上げられた、加藤裁判があまりにも有名ですし、このような過酷な運用をしている限り、普通の生活に戻れる可能性のある方さえも、一生最低限の生活から抜け出せなくなる悪循環に陥りそうな気がするのですが、今度は、日常の病院通いに必要な、片道二百数十円程度のバス代まで削ろうとしているなんて、『ホント誰のための制度だよ!』とブチ切れたくなりますね。

生活保護の通院交通費打ち切りも…読売調査に30都道府県 

2008-05-25 18:40:10 | Weblog
生活保護の通院交通費打ち切りも…読売調査に30都道府県 2008年5月25日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080524-OYT1T00735.htm
 生活保護受給者に支給される通院交通費を巡り、北海道滝川市の元暴力団員が約2億円を不正受給した事件を受け、厚生労働省が打ち出した新たな支給基準に、自治体の間で困惑が広がっている。
 読売新聞の取材に、30都道府県が「支給打ち切りの受給者が出る可能性がある」と回答。「事実上の保護費切り下げ」との指摘も相次いだ。これまでは多くの自治体が電車代やバス代を払っていたが、新基準は、やむを得ず高額になる交通費に支給を限定しているためだ。受給者からも「生活が圧迫される」と不安の声が出ている。
 通院交通費の基準はこれまで「最小限度の実費」とされているだけで、支給するか否かの判断は自治体に任されてきた。滝川市の事件を機に不正受給を防ぐため、厚労省が先月、自治体に通知した新基準は、支給範囲について、〈1〉身体障害などで電車やバスの利用が難しい場合のタクシー代〈2〉へき地等のため、電車やバスで最寄りの医療機関に行っても高額の交通費がかかる場合――などに限定。原則、福祉事務所管内での通院が対象で、7月から本格導入される見込みだ。
 同省保護課は「どの程度、支給するかは自治体の判断」としつつ、「高額ではないバス代や電車代は、(生活保護費として支給している)生活費の中で賄ってほしい」とする。
 新基準について今月、都道府県に聞いたところ、支給打ち切りや減額のケースがあり得ると回答したのは、北海道や東京都、大阪府など30都道府県、「検討中」は13県。「これまでと変化はない」は4県だった。自治体間で現在の支給実態に開きがあることが、回答の差になって表れたとみられる。
 新基準では、「へき地等」「高額」の判断基準がはっきりせず、多くの自治体が明確化するよう求めている。東京都などは同省が明確な基準を示すまで従来通り対応するとしている。
 自治体担当者からは「不正受給でもないのに支給を打ち切るのは説明がつかない」などの指摘が多い。「国は現場の意見を聞かないで進めている」「『交通費がないから病院に行かない』となるのが一番怖い」といった意見もあった。
 東京都内の福祉事務所の職員は「電車賃やバス代がだめなら、現在の8~9割は支給できなくなるのでは」と話す。生活保護の支援団体からも厚労省への見直し要請が相次いでいる。
 同省によると、2006年度、延べ約130万人に43億円余の通院交通費が支給された。


 生活保護受給者に支給される通院交通費の仕組みが7月から変わり、新基準が、やむを得ず高額になる交通費に支給を限定し、運用の詳細は自治体に任せるとしていることから、給付が抑えられてしまう懸念が出ている旨の記事を、以前当ブログでも取り上げたことがあるのですが、30都道府県が「支給打ち切りの受給者が出る可能性がある」としていることが判明しました。
 それにしても、厚労省保護課の『「どの程度、支給するかは自治体の判断」としつつ、「高額ではないバス代や電車代は、(生活保護費として支給している)生活費の中で賄ってほしい」』との言い分は、ほんの少しの収入でも調べ上げた上で収入認定し(生活費が余るような十分な額の支給はしていないということです!)、その分支給額を削ろうとする現在の生活保護費算定の仕組みを導入している側の人間が言うセリフではありませんし、『ふざけんな(怒)!』と一喝したくなりますね。
 私などはむしろ『高額ではないバス代や電車代』は支給して、『高額なバス代や電車代』の方を厳しくチェックする方が、余程効率的な財源の使い方ができると思いますし、大体生活保護を受けている人の少なくない割合が、体を壊して働くことができないから生活保護を受けているというのに、これでは、受給者の健康状態がますます悪化することにもなりかねないと思います。
 そもそも生活保護って一体誰のための制度なのか…。とりあえず費用総額を抑えることありきになって、肝心の受給者の事情が黙殺されているように思えてなりませんね。

中国四川大地震の死者は6万人超、ミャンマーは医療チーム受け入れへ…。

2008-05-25 18:34:59 | Weblog
四川大地震死者6万人超す、温首相8万人以上の可能性示唆 2008年5月25日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080524-OYT1T00614.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080524AT2M2402024052008.html
 中国政府は24日、四川大地震の死者が前日の発表より約4800人増えて計6万560人に、負傷者が35万2290人に達したと発表した。
 行方不明者は2万6221人。被災者は四川省の登録人口の半数を超える「累計約4550万人」としているが、累計の意味は不明。
 中央テレビによると、温家宝首相は同日、地震の震源地で甚大な被害が出た四川省ブンセン県の映秀で、死者が8万人以上に達する可能性もあると語った。
 映秀を視察に訪れた国連の潘基文事務総長との会談に先立ち、報道陣に明らかにした。新華社通信などによると、首相は「大量のテント確保や伝染病対策など困難に直面しており、2次災害の危険も排除されていない」と述べた上で、「3か月以内に被災者の生活を正常化する」と強調した。
 温首相と会談した事務総長は「国連のあらゆる力を尽くし、中国の震災救援を支援する」と協力を強化する意向を表明した。
 一方、24日付の中国紙「京華時報」によると、壊滅的な被害が出た青川県では、被災者のうち1万人を浙江省や陝西省などに移住させる方向で検討に入った。

テント不足深刻、流用や高額販売が横行…四川省の被災地 2008年5月25日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080524-OYT1T00605.htm
朝日 http://www.asahi.com/international/update/0524/TKY200805240216.html
 中国の四川大地震により家を失った避難民約500万人の住居確保が最優先課題となっている被災地で、不足するテントの流用や高額での販売など不正行為が横行している。
 被災地では、いまだにビニールを張っただけで路上生活を強いられる住民も目立つ。四川省都江堰(とこうえん)市郊外の路上で10日以上生活する40歳代の農民は「(支援のテントが)まだ回ってこない」と語気を荒らげた。四川省ではなおも約300万張りのテントが不足している。中国政府はテントの増産を奨励するとともに、国際社会に緊急援助を求めている。
 しかし、地元の役人が被災者に回すはずのテントを自分の親戚に流用するケースが伝えられたほか、地震発生後、赤十字の名義で救援用のテントなどを仕入れ、800個を12万元(約180万円)で売った成都の業者が摘発されたという。
 当局は流用を禁じており、23日の会見でも「徹底的に取り締まる」と宣言したばかりだが、効果は不透明だ。


ミャンマー軍事政権、援助要員全面受け入れ 2008年5月24日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080523AT2M2304623052008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080523-OYT1T00630.htm
 ミャンマー訪問中の潘基文(バン・キムン)国連事務総長は23日、軍事政権トップのタン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長と首都ネピドーで会談した。潘事務総長は会談後、ヤンゴンに戻って記者会見し、「議長は国籍を問わずあらゆる援助要員の受け入れで合意した」と述べた。同議長が外国人記者への査証(ビザ)発給を緩和する方針を表明したことも明らかにした。
 潘事務総長とタン・シュエ議長は現地時間の午前10時半(日本時間午後1時)から約2時間20分にわたって会談。列席した国連関係者によると、潘事務総長が援助要員の受け入れを求めると、同議長は「純粋に人道的な援助要員であれば受け入れない理由はない」と述べ、ビザ発給を急ぐことで同意。被災地に救援物資を届けるための物流拠点を早急に設けることも確認した。

日本、ミャンマーに医療チーム派遣へ 2008年05月25日 朝日
http://www.asahi.com/international/update/0525/TKY200805240244.html
 日本政府は24日、サイクロン被害が広がるミャンマー(ビルマ)の被災地に対し、国際緊急援助隊の医療チームを派遣すると発表した。25日に医療チームの調査団4人を派遣し、同日から現地入りする。
 調査団は医師や外務省、国際協力機構(JICA)職員ら4人。ヤンゴンで開かれる支援国会議に出席するため24日に現地入りした宇野治外務大臣政務官の同行筋によると、軍事政権トップが援助関係者の受け入れを23日に表明したことを受け、ミャンマー政府が24日、正式に日本側に要請した。同筋によると、近隣国以外からの派遣は初めてとみられる。
 サイクロン被害では7万人以上が死亡。発生から約3週間たった被災地では、負傷者や避難民が多数発生し、感染症の広がりも指摘されている。調査団が実態を調べたうえで、救急医療や感染症対策を専門とする本格的な医療チームを派遣する。




 中国四川の大地震ですが、死亡者数は前日の発表から更に4800人増えて60560人に、負傷者は35万2290人、行方不明者は2万6221人になったことがわかりました。
 また、被災地ではテント不足が深刻で、高値で売りつけたり、役人が親戚知人に私的流用するなど、災害を逆手にとって儲けようとする悪辣な輩も現れ始めているようですね。
 まあ、この手の輩は、神戸の地震でも水を高値で売りつけようとしたり、どこの世界でも必ずといってもいいくらい存在するものですが、中国のこの地震の場合、建物の耐震度そのものが強く疑われているだけに、鉄筋の建物に逃げ込めば安心というわけにもいきませんし、被災地域があまりにも大きいだけに、近隣の親戚にお世話になるというのもいささか無理があるのが現実。
 中国では、震災ダムが35箇所できているそうで、大きなものでは、日本のダムなみの水量があるそうですが、今日から再び大雨が降るそうで、洪水による二次被害が発生しないかなどなど心配が尽きませんね。

 一方のミャンマーのサイクロン被害ですが、軍事政権は国連の事実上の介入もあり、ようやく援助要員の受け入れで合意したようで、日本からも早速4名の調査団を派遣するようです。
 とはいえ、会談に関する軍政側の発表はなく、今後どのように援助要員を受け入れて被災者を救出していくか具体的な計画まで決まったわけでもなさそうですし、アメリカのような、利害が対立するとミャンマーの軍事政権が考えそうな国の援助チームまで本気で受け入れてくれる気があるのかどうか…。この国の場合、非常事態だからという理由だけで、こちらの感覚での常識が通じないことが分かっているだけに、引き続き慎重に監視の目を向けていく必要があると思います。