ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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日本の失業者「給付なし」77% ILO調査

2009-04-01 17:39:29 | Weblog
日本の失業者「給付なし」77% ILO調査 2009年3月25日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090325AT2M2501525032009.html
 国際労働機関(ILO)は24日、日本の失業者のうち失業給付を受け取れない人が全体の77%の210万人に上っているという調査結果を発表した。非受給者の比率は中国(84%)などの新興国並みで、ドイツ(13%)など欧州諸国と比べて突出している。ILOは、まず人員削減対象となる短期の非正規労働者が雇用保険に入りにくいことが原因と指摘している。
 調査は金融危機の影響を分析するためにまとめた特別報告の一環として実施。比率はILOが各国政府の公表資料を基に算出した。日本や米国、カナダ、ドイツなどは昨年12月時点の数値。
 ILOは20カ国・地域(G20)が4月2日にロンドンで開く緊急首脳会合(金融サミット)に参加し、日本などに雇用保険制度の拡充を求める方針だ。ソマビア事務局長は24日の記者会見で「各国は雇用対策にも資金を投入すべきだ」と訴えた。


 ん…。雇用保険料は健康保険料や厚生年金保険料と比べると費用負担率が少ないこともあり、一昔前ならば、中小零細企業に対しては『(企業の経営体力を考慮して)厚生年金はともかく、雇用保険くらい入れてあげなよ』とアドバイスすることも多かったと思うのですが、今は、短期派遣など その『雇用保険にも入れて貰えない』働き方を余儀なくされる方が増えていますし、そういう意味では、雇用保険制度も一般向けと日雇労働者向けの2コースとは別に、『意図的な社会保険料逃れに巻き込まれる方』をどうカバーするのか、雇用保険制度そのものの見直しの時期に来ていると思いますが、カバーされる方の比率が新興国並みとはショッキングな数値ですね…(吃驚
 参考までに、発表された失業保険を受けていない失業者の比率ですが、ブラジルが93%、中国が84%に対して、ドイツが13%、フランスが18%、英国が40%、カナダとアメリカが57%ですが、日本はなんと何と77%!!! 雇用規制の厳しいドイツやフランスと比べるのはあまり意味が無いとしても、あの自由主義のアメリカやそのアメリカに隣接したカナダよりも20ポイントも高く、そして欧州の中では比較的アメリカ経済に構造が近いイギリスの倍近く…(絶句

 今は企業の良心に任せているだけでは、働き手を救済することなど期待するだけムダでしょうし、いつの世にも『法逃れをアドバイスする』自称コンサルタントはいるものだけに、例えば 短期派遣などにも、もうそろそろ日雇労働者に対して適用している印紙保険料方式を導入するなど、セーフティネットの拡充と抜本的な見直しを検討する時期に来ているのではないでしょうか…。

学生ら98人の内定取り消し 卒業直前、SE派遣会社 

2009-04-01 17:37:18 | Weblog
学生ら98人の内定取り消し 卒業直前、SE派遣会社 2009年3月29日 共同通信
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009032801000767.html
 システムエンジニア(SE)を派遣するゲイン(東京)が業績悪化から、4月と7月に入社予定の大学4年生ら118人のうち98人の内定を取り消していたことが28日、分かった。厚生労働省によると、昨年秋以降の内定取り消しでは、経営破綻企業を除くと最大規模。
 3月に実施した再面接の結果が悪かったことを理由にされた学生もいた。大学関係者からは「卒業直前に、しかも学生側に責任を押しつける取り消し方は悪質だ」との声も出ている。ゲインは「学生には申し訳ないことをした。補償金など今後の対応は慎重に検討を進めている」としている。
 同社などによると、98人は関東近辺の学生ら。昨年4月以降、内定をもらい、SEとしての技術研修を受講。同年12月にはグループ内での配属先も決まっていた。
 SEを正社員として雇い顧客企業に派遣する同社は今年2月末、電機、通信産業など業績不振の顧客から解約が殺到したため、取り消しを決定。3月になって学生らを個別に呼び出し、「入ってもらっても仕事はない」などと通知した。
 一部学生には同月4日、プレゼンテーション能力などを試すとして面接を実施。大学側によると、「君の技術力では顧客先に売る自信がない」などと言って、内定を取り消したという。



 う~ん。このゲインという会社。SEを正社員として雇って派遣する常用型派遣を行っている会社のようで、仕事の大半が顧客に出向くお仕事という性質上、普段でも仕事量の繁閑は激しいのだろうな…とは思いますが、内定取消は11月や12月でも大騒ぎとなるのに、よりによって卒業式も終わったと思われる入社直前の3月も終わりになって、いきなり内定取消を言い出すのは、いくらなんでも悪質ですね…(溜息
 しかも、入社直前になってプレゼンテーション能力を試すと称した面接を行った行為は、普通に考えれば、最初から内定取消ありきで呼び出したと考えるのが妥当。

 こういったタイプの会社は、今後好景気になった時に、過去の仕打ちを無かったことにして『人材募集』を行うことが予想されますが、情報処理業界が一番欲しい若い世代は当然この仕打ちを忘れないでしょうし、結局は『欲しいレベルの人材が獲れない → 会社も成長しない』という悪循環に陥っていくだけだと思います。