ハローワーク:なぜ今?職員削減…年度末に大量解雇なのに 2009年4月6日 毎日夕刊
http://mainichi.jp/select/today/news/20090406k0000e040065000c.html
年度末の大量失職の影響で6日、ハローワークに長い列ができた。「仕事探しの時間より待っている時間の方がはるかに長い」と失職者のため息が漏れる。一方、厚生労働省はこうした状況下にもかかわらず、07年から3年連続となるハローワークや労働基準監督署の職員削減を続けた。4月からハローワークだけで約300人の職員が削減され、「何を考えているのか」と利用者や職員から批判の声が上がっている。
厚労省は国の合理化計画に沿い、労働関連で07年から3年間で約900人の人員を削減。このうち労働局は625人、ハローワークは457人減った。09年度はハローワークで297人が減らされ、全国で1万1700人になった。
東京都内のあるハローワーク職員は「300人近い定員を削り、この事態に対応しろというのはむちゃ」と嘆く。厚労省人事課は「政府方針なので削減を止められない。代わりに臨時相談員を1300人増やした」と説明。しかし、現場の職員からは「書類作成などはできても、実際の相談への対応は厳しく、窓口が全部埋まらない」と話す。窓口は昼休みなしで対応し、昼食を取る時間もないのが現状だという。
利用者の不満も大きい。「20年間仕事でハローワークに通っているけどこんな状態は初めて」。社会保険労務士の女性(43)は、口をとがらせる。3月中旬から混雑したといい、2日にハローワーク品川に会社側の離職票発行手続きのために行った時は85人待ちだった。女性は「午後に行けば、その日のうちには手続きできない」と話す。離職票が遅れれば、雇用保険の手続きの遅れにもつながり、女性は「こんな非常時に職員を減らすなんて論外だ」と憤る。
ハローワーク新宿で求職中の渋谷区の女性(29)は、「これ以上職員を減らされては困る」と訴える。窓口は、職員が動き回っているせいか空席が目立ち回転率の悪さを感じるという。女性は「午後は40~50人待ちは当たり前。自分が体験してみて深刻さが分かった」と話した。
全労働省労働組合によると、関東のハローワークでは、4~5時間待つのは当たり前の状態。混雑は静岡、愛知県など製造業の集積地から全国に広がっているという。同労組幹部は「じっくり求職者の話を聞いてあげたい気持ちがあっても、順番待ちの求職者の目が怖く時間がかけられない」と話している。
ハローワーク:新年度迎え長い列…広がる雇い止め 2009年4月6日 毎日夕刊
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090406k0000e040064000c.html
年度末の非正規雇用労働者の大量失職や、リストラによる失業者が過去最大幅で増えるなど雇用情勢の悪化が深刻化する中、週明けの6日、各地のハローワークに長い列ができた。
さいたま市大宮区のハローワーク大宮では、業務が始まる午前8時半に、仕事を探す約150人が並び、50メートルの長い列ができた。8時に来たという製造業の元正社員の男性(60)は「年末に定年になり、雇用延長されるはずだったが、リストラも始まり、拒否された。アルバイトでもと思って探しているが、仕事はない」と顔をしかめた。
このハローワークでは、派遣切りが横行していた昨年12月には朝20~30人が並んでいたが、先月下旬から、日に日に列が長くなっていったという。職員は「経験したことのない事態」と話す。
「トヨタショック」が直撃した愛知県。名古屋市中村区のハローワーク名古屋中では、混雑ぶりは昨年4月の1.5倍近い。今月1日以降は、年度末に失職した人たちが、大量に離職手続きに訪れており、閉庁後も午後10時すぎまで事務が終わらないという。
厚生労働省は、製造業の派遣労働者が今年3月以降に一斉に派遣期限を迎える「09年問題」で非正規社員の雇い止めが広がっているうえ、経済の悪化で正社員のリストラも進むことが予想されるため、企業が人員調整に踏み切りやすい年度末は、昨年末以上に職を失った人が増えたとみている。今月に入って4~5時間待ちのハローワークも出始めているという。
ハローワーク臨時増員 正職員304人、非常勤7千人 2009年4月8日 朝日
http://www.asahi.com/job/news/TKY200904070342.html
政府は7日、緊急雇用対策の一環として、ハローワークの正職員304人を臨時増員する方針を固めた。行政改革で公務員数の削減が進む中、年度途中で正職員の増員が認められるのは異例だ。急激に悪化する雇用情勢に対応するため、ハローワークの非常勤職員も約7千人増員する。09年度補正予算案に関連予算を盛り込む方針だ。
増員する正職員は、改正雇用保険法で要件が緩和され、受給者の増加が見込まれる失業手当の給付や、申請が急増している雇用調整助成金の担当に充てる。職業相談や求人開拓分野については非常勤職員の増員で対応する。
雇用情勢の悪化で、2月の新規求職者数が前年同月比で3割増の約70万人に達したほか、雇用調整助成金の申請対象者数も同1200倍以上の186万人となり、ハローワークの業務量は急増している。各地のハローワークでは、求職者や雇用調整助成金を申請する事業者らが、何時間も手続きを待たされる状況で、体制の強化を求める声が上がっていた。
一方、09年度当初のハローワークの体制は、小泉内閣時に定められた行政改革方針などに基づき、正職員数は前年度比約300人減となっていた。これに対して、与党からも、雇用対策が求められる中でハローワークの職員数が減ることへの異論が出ていた。今回の臨時増員は、これを補う形だ。
国家公務員の正職員の増員については通常、本予算に合わせて決定する。阪神大震災時に一定の増員が認められた例はあるが、補正予算案に増員要求を盛り込むのは異例だ。ただ、3年間の時限措置とし、今後、退職者の補充などを減らすことで、最終的には行革方針には影響が出ないようにする。
う~ん。ハローワークで非常勤の仕事をしている社労士の有資格者の方から、『数年連続で正規職員を減らし続けて、その分非正規職員に置き換えている。窓口にいるのはほとんど非常勤職員』とは聞いていましたが、雇用情勢が本格的に悪化しはじめた昨年11月以降も、臨時も含めて職員補充をしていないとは吃驚ですね。
まあ、私の地元のハローワークでも、朝一でハローワークに行き、ネット上から希望の仕事を見つけて受付窓口に提出してから職員の面談にこぎつけるのに2時間待ちはザラなようですし、紹介に時間がかかるため求職者の滞留時間が長くなり、車で来る求職者の場合は、求人待ち以前に駐車スペース待ちの時間まで必要な有様。
全般的に求人が悪化しているとはいえ、お役所の側にも予算というものがある以上、そう簡単に人員補充できないという事情もあるのかもしれませんが、お役所の職員の側が過労で倒れては話にもなりませんし、お役所としては異例の年度途中での人員補充となったのも致し方ないと思います。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090406k0000e040065000c.html
年度末の大量失職の影響で6日、ハローワークに長い列ができた。「仕事探しの時間より待っている時間の方がはるかに長い」と失職者のため息が漏れる。一方、厚生労働省はこうした状況下にもかかわらず、07年から3年連続となるハローワークや労働基準監督署の職員削減を続けた。4月からハローワークだけで約300人の職員が削減され、「何を考えているのか」と利用者や職員から批判の声が上がっている。
厚労省は国の合理化計画に沿い、労働関連で07年から3年間で約900人の人員を削減。このうち労働局は625人、ハローワークは457人減った。09年度はハローワークで297人が減らされ、全国で1万1700人になった。
東京都内のあるハローワーク職員は「300人近い定員を削り、この事態に対応しろというのはむちゃ」と嘆く。厚労省人事課は「政府方針なので削減を止められない。代わりに臨時相談員を1300人増やした」と説明。しかし、現場の職員からは「書類作成などはできても、実際の相談への対応は厳しく、窓口が全部埋まらない」と話す。窓口は昼休みなしで対応し、昼食を取る時間もないのが現状だという。
利用者の不満も大きい。「20年間仕事でハローワークに通っているけどこんな状態は初めて」。社会保険労務士の女性(43)は、口をとがらせる。3月中旬から混雑したといい、2日にハローワーク品川に会社側の離職票発行手続きのために行った時は85人待ちだった。女性は「午後に行けば、その日のうちには手続きできない」と話す。離職票が遅れれば、雇用保険の手続きの遅れにもつながり、女性は「こんな非常時に職員を減らすなんて論外だ」と憤る。
ハローワーク新宿で求職中の渋谷区の女性(29)は、「これ以上職員を減らされては困る」と訴える。窓口は、職員が動き回っているせいか空席が目立ち回転率の悪さを感じるという。女性は「午後は40~50人待ちは当たり前。自分が体験してみて深刻さが分かった」と話した。
全労働省労働組合によると、関東のハローワークでは、4~5時間待つのは当たり前の状態。混雑は静岡、愛知県など製造業の集積地から全国に広がっているという。同労組幹部は「じっくり求職者の話を聞いてあげたい気持ちがあっても、順番待ちの求職者の目が怖く時間がかけられない」と話している。
ハローワーク:新年度迎え長い列…広がる雇い止め 2009年4月6日 毎日夕刊
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090406k0000e040064000c.html
年度末の非正規雇用労働者の大量失職や、リストラによる失業者が過去最大幅で増えるなど雇用情勢の悪化が深刻化する中、週明けの6日、各地のハローワークに長い列ができた。
さいたま市大宮区のハローワーク大宮では、業務が始まる午前8時半に、仕事を探す約150人が並び、50メートルの長い列ができた。8時に来たという製造業の元正社員の男性(60)は「年末に定年になり、雇用延長されるはずだったが、リストラも始まり、拒否された。アルバイトでもと思って探しているが、仕事はない」と顔をしかめた。
このハローワークでは、派遣切りが横行していた昨年12月には朝20~30人が並んでいたが、先月下旬から、日に日に列が長くなっていったという。職員は「経験したことのない事態」と話す。
「トヨタショック」が直撃した愛知県。名古屋市中村区のハローワーク名古屋中では、混雑ぶりは昨年4月の1.5倍近い。今月1日以降は、年度末に失職した人たちが、大量に離職手続きに訪れており、閉庁後も午後10時すぎまで事務が終わらないという。
厚生労働省は、製造業の派遣労働者が今年3月以降に一斉に派遣期限を迎える「09年問題」で非正規社員の雇い止めが広がっているうえ、経済の悪化で正社員のリストラも進むことが予想されるため、企業が人員調整に踏み切りやすい年度末は、昨年末以上に職を失った人が増えたとみている。今月に入って4~5時間待ちのハローワークも出始めているという。
ハローワーク臨時増員 正職員304人、非常勤7千人 2009年4月8日 朝日
http://www.asahi.com/job/news/TKY200904070342.html
政府は7日、緊急雇用対策の一環として、ハローワークの正職員304人を臨時増員する方針を固めた。行政改革で公務員数の削減が進む中、年度途中で正職員の増員が認められるのは異例だ。急激に悪化する雇用情勢に対応するため、ハローワークの非常勤職員も約7千人増員する。09年度補正予算案に関連予算を盛り込む方針だ。
増員する正職員は、改正雇用保険法で要件が緩和され、受給者の増加が見込まれる失業手当の給付や、申請が急増している雇用調整助成金の担当に充てる。職業相談や求人開拓分野については非常勤職員の増員で対応する。
雇用情勢の悪化で、2月の新規求職者数が前年同月比で3割増の約70万人に達したほか、雇用調整助成金の申請対象者数も同1200倍以上の186万人となり、ハローワークの業務量は急増している。各地のハローワークでは、求職者や雇用調整助成金を申請する事業者らが、何時間も手続きを待たされる状況で、体制の強化を求める声が上がっていた。
一方、09年度当初のハローワークの体制は、小泉内閣時に定められた行政改革方針などに基づき、正職員数は前年度比約300人減となっていた。これに対して、与党からも、雇用対策が求められる中でハローワークの職員数が減ることへの異論が出ていた。今回の臨時増員は、これを補う形だ。
国家公務員の正職員の増員については通常、本予算に合わせて決定する。阪神大震災時に一定の増員が認められた例はあるが、補正予算案に増員要求を盛り込むのは異例だ。ただ、3年間の時限措置とし、今後、退職者の補充などを減らすことで、最終的には行革方針には影響が出ないようにする。
う~ん。ハローワークで非常勤の仕事をしている社労士の有資格者の方から、『数年連続で正規職員を減らし続けて、その分非正規職員に置き換えている。窓口にいるのはほとんど非常勤職員』とは聞いていましたが、雇用情勢が本格的に悪化しはじめた昨年11月以降も、臨時も含めて職員補充をしていないとは吃驚ですね。
まあ、私の地元のハローワークでも、朝一でハローワークに行き、ネット上から希望の仕事を見つけて受付窓口に提出してから職員の面談にこぎつけるのに2時間待ちはザラなようですし、紹介に時間がかかるため求職者の滞留時間が長くなり、車で来る求職者の場合は、求人待ち以前に駐車スペース待ちの時間まで必要な有様。
全般的に求人が悪化しているとはいえ、お役所の側にも予算というものがある以上、そう簡単に人員補充できないという事情もあるのかもしれませんが、お役所の職員の側が過労で倒れては話にもなりませんし、お役所としては異例の年度途中での人員補充となったのも致し方ないと思います。