コンビニ再編「3強時代」へ 伊藤忠のam/pm買収交渉で 2009年7月28日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090728/biz0907282033016-n1.htm
伊藤忠商事がコンビニエンスストア7位のエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)の買収に向け、am/pmの親会社レックス・ホールディングスと交渉に入ったことが28日、分かった。am/pmをめぐっては、コンビニ2位のローソンが買収することで2月にいったん合意したが、5月に破談していた。伊藤忠には傘下のコンビニ3位ファミリーマートとの相乗効果を引き出す狙いがあり、再編が続くコンビニ業界は「3強時代」を迎えることになりそうだ。
買収が実現した場合、ファミマと合わせた店舗数は約8500店となり、ローソン(約9500店)に肉薄する。ただ、焼き肉店「牛角」などへの経営資源の集中を急ぐレックス側は、条件が折り合わなければ伊藤忠以外にも売却する可能性もある。
am/pmは平成2年に旧共同石油(現新日鉱ホールディングス)の子会社として設立。店舗数は約1100店を保有し、その約7割以上が首都圏に立地しているのが特徴だ。首都圏への出店は高い家賃などコスト負担が重く、不採算店舗が増加。16年にレックス(当時はレインズインターナショナル)が買収したが、再建が軌道に乗らず昨夏から売却に動いていた。
レックスは今年2月、ローソンに145億円で売却することで合意したが、「am/pm」の商標権を持つ米エーエム・ピーエム・インターナショナルが契約で決めた「同業への売却禁止条項」を削除するかわりに約700店の店名の存続をローソンに要請。ローソンがこれを拒み、売却は白紙になった。
ファミマは昨秋、レックスと交渉し、am/pmの買収に意欲をみせていた。関係者によると、伊藤忠が買収主体となるのは「同業への売却禁止条項」を回避する狙いがあるという。
国内のコンビニが4万店を超え飽和感が強まっている中、各社がam/pmの買収を狙うのは、人口増加が続く首都圏で一気に店舗網を拡充できるためだ。ローソンの新浪剛史社長は買収断念前に「新規出店するよりも資金は3分の1、時間も6年短縮できる」と語っていた。さらにam/pmを傘下に収めれば、伊藤忠は大口の商品供給先を増やせるほか、ファミマと合わせて購買力を発揮し、メーカーとの価格交渉力が強まることも期待できる。
ただ、今回の交渉でも商標についての議論が固まっていないもようだ。また、am/pmは設備投資を抑えているため店舗の老朽化が進み、20年12月期に139億円の債務超過となるなど業績も低迷している。再建には多額の投資が必要で、買収価格を含めた条件が今後の焦点になる。
コンビニ市場は、たばこ自動販売機用成人識別カード「タスポ」を持たない人が来店する“タスポ効果”が7月に一巡し、競争が一段と激化する見通しだ。今後は「首位のセブン-イレブン・ジャパンとローソン、ファミマの3強を軸に再編が進む」(業界関係者)との指摘もある。
ちょっと前の記事ですが…。
レックスホールディングスがローソンと売却交渉をしていたものの、「am/pm」の商標権を持つ米エーエム・ピーエム・インターナショナルが、フランチャイズ収入の減少を避けようと横槍を入れてきため、買収交渉が決裂してしまったam/pm買収問題ですが、今度はファミリーマートが伊藤忠商事と組んで買収交渉を行っているようですね。
まあ、ファミリーマートの場合、am/pmの売却が決まった時点で、元々ローソンと共に売却先の有力候補として噂されていただけに、今回の報道にも別に違和感も感じませんが、同じく都心部での店舗展開を狙っているJR東日本(JR東日本は駅構内を中心にニューデイズというコンビニを展開していて、仮にJR東日本がam/pmを買収すれば、合計約1500店舗となり、コンビニ5位のミニストップ=約1900店舗 に迫る規模となります)と異なり、『ファミリーマートが欲しいのは都心部に固まって配置されているam/pmの店舗網』であって、am/pmのフランチャイズノウハウではありません(ファミリーマートにとっては、格下相手のam/pmのノウハウなど要りませんし、店舗名を統一できなければ、統合効果は半減。ましてフランチャイズフィーを払うなど、とても受け入れられない条件でしょう)し、いくら立地的には魅力があってもこれまで設備投資を怠り、店舗そのものも老朽化が進んでいるだけに、今後投資する予定の設備投資額のことまで考慮すれば、やはりローソンと同じ問題(売却金額や条件)で揉めそうな気がしますね…。
それにしても、まだJR東日本と交渉するならば、これまでのフランチャイズノウハウを継続して利用できますし、統合新店舗網をam/pmとすれば、米本社としてもフランチャイズフィーが途切れずに、誰も反対せずに買収交渉が成立して万々歳だと思うのですが、なんで交渉相手がファミリーマートなんでしょうね…。
レックスホールディングスにとっても、一旦切り離すと決めた事業をいつまでも抱え続けるのは得策ではありませんし、将来を不安視する有力なオーナーが一本釣りされるリスクも否定できませんが、交渉の進展には、いかに米フランチャイズ社の介入を最小限に抑え込むかの視点もポイントになってきそうな気がします。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090728/biz0907282033016-n1.htm
伊藤忠商事がコンビニエンスストア7位のエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)の買収に向け、am/pmの親会社レックス・ホールディングスと交渉に入ったことが28日、分かった。am/pmをめぐっては、コンビニ2位のローソンが買収することで2月にいったん合意したが、5月に破談していた。伊藤忠には傘下のコンビニ3位ファミリーマートとの相乗効果を引き出す狙いがあり、再編が続くコンビニ業界は「3強時代」を迎えることになりそうだ。
買収が実現した場合、ファミマと合わせた店舗数は約8500店となり、ローソン(約9500店)に肉薄する。ただ、焼き肉店「牛角」などへの経営資源の集中を急ぐレックス側は、条件が折り合わなければ伊藤忠以外にも売却する可能性もある。
am/pmは平成2年に旧共同石油(現新日鉱ホールディングス)の子会社として設立。店舗数は約1100店を保有し、その約7割以上が首都圏に立地しているのが特徴だ。首都圏への出店は高い家賃などコスト負担が重く、不採算店舗が増加。16年にレックス(当時はレインズインターナショナル)が買収したが、再建が軌道に乗らず昨夏から売却に動いていた。
レックスは今年2月、ローソンに145億円で売却することで合意したが、「am/pm」の商標権を持つ米エーエム・ピーエム・インターナショナルが契約で決めた「同業への売却禁止条項」を削除するかわりに約700店の店名の存続をローソンに要請。ローソンがこれを拒み、売却は白紙になった。
ファミマは昨秋、レックスと交渉し、am/pmの買収に意欲をみせていた。関係者によると、伊藤忠が買収主体となるのは「同業への売却禁止条項」を回避する狙いがあるという。
国内のコンビニが4万店を超え飽和感が強まっている中、各社がam/pmの買収を狙うのは、人口増加が続く首都圏で一気に店舗網を拡充できるためだ。ローソンの新浪剛史社長は買収断念前に「新規出店するよりも資金は3分の1、時間も6年短縮できる」と語っていた。さらにam/pmを傘下に収めれば、伊藤忠は大口の商品供給先を増やせるほか、ファミマと合わせて購買力を発揮し、メーカーとの価格交渉力が強まることも期待できる。
ただ、今回の交渉でも商標についての議論が固まっていないもようだ。また、am/pmは設備投資を抑えているため店舗の老朽化が進み、20年12月期に139億円の債務超過となるなど業績も低迷している。再建には多額の投資が必要で、買収価格を含めた条件が今後の焦点になる。
コンビニ市場は、たばこ自動販売機用成人識別カード「タスポ」を持たない人が来店する“タスポ効果”が7月に一巡し、競争が一段と激化する見通しだ。今後は「首位のセブン-イレブン・ジャパンとローソン、ファミマの3強を軸に再編が進む」(業界関係者)との指摘もある。
ちょっと前の記事ですが…。
レックスホールディングスがローソンと売却交渉をしていたものの、「am/pm」の商標権を持つ米エーエム・ピーエム・インターナショナルが、フランチャイズ収入の減少を避けようと横槍を入れてきため、買収交渉が決裂してしまったam/pm買収問題ですが、今度はファミリーマートが伊藤忠商事と組んで買収交渉を行っているようですね。
まあ、ファミリーマートの場合、am/pmの売却が決まった時点で、元々ローソンと共に売却先の有力候補として噂されていただけに、今回の報道にも別に違和感も感じませんが、同じく都心部での店舗展開を狙っているJR東日本(JR東日本は駅構内を中心にニューデイズというコンビニを展開していて、仮にJR東日本がam/pmを買収すれば、合計約1500店舗となり、コンビニ5位のミニストップ=約1900店舗 に迫る規模となります)と異なり、『ファミリーマートが欲しいのは都心部に固まって配置されているam/pmの店舗網』であって、am/pmのフランチャイズノウハウではありません(ファミリーマートにとっては、格下相手のam/pmのノウハウなど要りませんし、店舗名を統一できなければ、統合効果は半減。ましてフランチャイズフィーを払うなど、とても受け入れられない条件でしょう)し、いくら立地的には魅力があってもこれまで設備投資を怠り、店舗そのものも老朽化が進んでいるだけに、今後投資する予定の設備投資額のことまで考慮すれば、やはりローソンと同じ問題(売却金額や条件)で揉めそうな気がしますね…。
それにしても、まだJR東日本と交渉するならば、これまでのフランチャイズノウハウを継続して利用できますし、統合新店舗網をam/pmとすれば、米本社としてもフランチャイズフィーが途切れずに、誰も反対せずに買収交渉が成立して万々歳だと思うのですが、なんで交渉相手がファミリーマートなんでしょうね…。
レックスホールディングスにとっても、一旦切り離すと決めた事業をいつまでも抱え続けるのは得策ではありませんし、将来を不安視する有力なオーナーが一本釣りされるリスクも否定できませんが、交渉の進展には、いかに米フランチャイズ社の介入を最小限に抑え込むかの視点もポイントになってきそうな気がします。