日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

小説北方謙三「白日」\0

2006-02-17 | 読書
 私は本を読む前にカバーを外してしまう。
ずれたり、外れたり気を使わなくて済む。
書店では裏のあらすじをざっと読んでから買う。

この北方謙三の文庫本は「白日」は
読んだ後に腰巻の文字を見て「えっ」
「天才能面師の魂に巣食う“母なる地獄”」
地獄は母だったのかなあ??
母ではなかった気がする
「叔母っだったのでは?」
いいのかなあ?違和感だ。

中身は心に葛藤を持った人達の能面にまつわる話。
売れっ子能面師だった主人公は
海釣りとルアー造りで生計を立てている。
ぶっきらぼうで、無愛想で無欲が魅力的。
ルアー作りと釣りの場面がリアルで面白い。
北方謙三の小説ってこんなにストイックなのか?
ハードボイルドではないの?
始めて読むけれど、いいなあ・・
半分までそんな感じ。

魅力的でお金持ちの女の人が現れてからがらりと変わる。
やはり北方謙三・・

スッタモンダあった揚げ句
また元の生活へ(たぶん)

「・・激しく心を揺り動かされる自分がいることが、   
   どうしても納得できない。
   いつか、君の面を、ただの物として眺めてみたいよ」
終り頃のページ、
主人公の能面を1年が暮らせる金額で手に入れた人の言葉。

節穴の目の私は、能面は能面にしか見えない。
いつか、そのもの以外の目で、
物が見える日が来るのだろうか?

それにしても、腰巻の「五島龍君」は可愛い
妖精のよう・・
そのもの以外の「目」だろうか?
コメント
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