日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

桐野夏生「リアルワールド」朝ご飯 \0

2006-03-02 | 読書
 2月の読書は文庫本5冊だった。
重松清  「流星ワゴン」
北方謙三 「白日」
乃南アサ 「あなた」上下2冊
桐野夏生 「リアルワールド」
白日以外は小学生から大学生までの“お子さま”世界
(流星ワゴンはそうでもないか?)

先週読んだ「リアルワールド」は高校生の犯罪が題材だ。
冒頭スピーカーから「光化学スモッグ注意報」が流れるので
「うちと同じ」
どうやら桐野夏生は杉並在住らしい。
今ごろは1時半頃に決って、スピーカーが何ごとかを知らせる。
大規模災害に備えての毎日の放送なのだろうが、
周辺の建物に反響して、何を話ているのかサッパリ分からない。
災害には無理みたい。

「リアルワールド」は口うるさい母親を高校生がバットで殴り殺す。
1人の男子高生と4人の女子高校生が関わりながら物語は進展する。
それぞれが人に言えない葛藤を抱えて、
「自分だけの秘密」としながらも他の人は何となく察知している。
その辺が大人以前なのかもしれない。
結末は予測のつかない悲劇に終り、残った子は少しだけ大人になる。

以前郊外電車を待ちながら、ビックリする会話を聞いてしまったことがある。
知的な感じの話口の女子高生と、甘え口調のベンチの会話。
「朝ご飯食べてきた?」
「うん毎日、ご飯とみそ汁で出るよ」
「え!おかずもあるの?」
「お母さんがちゃんとお弁当も作るよ」
「うちは食べるとしたら、カップラーメン、
 夜もカップうどんの時もあるよ、
 だから空きどんぶりが山のようになってる」
「カップラーメンなんて食べたら怒られるよ」
かなり淡々とした会話。
甘え口調のお母さんはちゃんとご飯を作る人。

話しぶりと家庭環境にも驚いたが
知的な口調の子は母親を反面教師にして
しっかりした大人になりそうな気がした。
親がどうであれ、子供は独自に育つ。

朝ご飯ぐらい、つくってげてよ・おかあさん!!
そうでなければ子供に作り方を教えてあげて!
(自分で作れなければ教えられないか)

「リアルワールド」を読みながら、この時の光景が思い出された。
コメント
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