日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

天童荒太「包帯クラブ」一気読み

2006-03-04 | 読書
 昨夜2時間で読み終えた。
天童荒太の本の中で一番読みやすい本は
「包帯クラブ」に決定!

「永遠の仔」や「あふれた愛」「家族狩り」「孤独の歌声」は
暗くて、悲惨で、胸が締めつけられて
到底一気読みは出来ない。

題名の「包帯クラブ」からして、リストカットの子供かしらと
しばらく本を開くことをためらった。
(それなのに買ってしまう)

しかし、物語の途上では誰も血を流さなかった。
感情を閉じこめて「香り」の無くなった高校生達が
傷ついた場所に真っ白な包帯を巻くことで
癒され、立ち直っていく表面的には明るいストーリー。

何気ない事でカッとなったり、トラウマにしたり
人の気分は自分でも予測できない。
得に高校生は気分的に一番悲惨な年代
親に心を閉ざし、友達に自分を偽り、良く見せたい年ごろ。
仲間と理解しあうことで親とも上手くやっていけるようになる。
そんな明るい未来を予測させられる天童荒太の始めて(?)展開。
天童荒太も変わりだしたのかもしれない。
いかにも暗そうな著者のポートレートを見て思った。
(書くことで癒されたか?)

読み終えてすぐに床についたものの、
いつもなら、あっという間に眠ってしまうのが、
昨夜は寝つきに気分が悪かった。
やはり、天童荒太の一気読みは止めたほうがいいのかもしれない。
読めないところに「毒」が潜んでいたのかも・・

読んだのは「新書判」
新書判は教養本とか、実用書でなかったのか?
新書判で「小説」とはビックリ。
単行本と同時発売も驚き。
出版業界もボーダーレスか??
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする