日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

高村薫「マークスの山」

2006-12-07 | 読書
11月の5・6冊目の本は大当たり!
以前近所の本屋さんで目をつけていて
一回りして戻ったら無くなっていた本
近くでうろついていた叔父様に先を越されてしまった。

3年前に全面的に書き直してさらに磨きをかけた本。
山梨県の夜叉神峠から広河原に入り「北岳」あたりの
事件が全ての発端になる。
20代の頃なんの訓練もなしにこのルートで北岳に登り
間ノ岳~農鳥岳の白根三山を縦走したっけ・・
(よくも遭難しなかったものだ)
久しぶりにその頃をイメージして読み進めた。

主人公の「合田刑事」は「照柿」のイメージとは違っている。
他の刑事の視線で見るとかなり異なる。
犯人捜査+警視庁内部の戦い+検事畑の戦い
複雑に絡み随所に光る心理描写
「・・はち切れそうな昏い抱負を胸に抱いて・・」など

事件が解決に向かう一歩手前
会話だけの緊迫したページが延々と続き
お風呂にはいれなくなってしまった。

残忍なはずの犯人にた作者は愛情を持っている
読者もつい愛情で読んでしまう。
これが実際の事件なら、憎悪の対象でしかないのだろう。

高村薫は「晴子情話」以降もうミステリーは書かない
と言っていたが残念至極。

しかし連絡方法が今の携帯電話の時代なら
進行も変わった事だろう
平成4年はぎりぎりの線かもしれない。
などと考えながらよ見終わった。

9年前に映画化されていた。
キャストを見ると私のイメージとぴったり。
気になる、見てみたい・・
ミステリーの最高傑作がどのようになっているか・・
映画「マークスの山」
コメント
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