日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

垣根涼介著「人生教習所」

2013-07-03 | 読書
先週読んだ上下刊 垣根涼介著「新生教習所」中公文庫刊



垣根涼介は「午前3時のルースター」から読み始め
渋谷が舞台の若者ギャング「ヒートアイランド」シリーズ
正真正銘のギャングが主人公の「ワイルドソウル」
リストラ請負人の「君たちに明日はない」シリーズなど
文庫本化されたものは読んでいた。

「人生教習所」は
元ヤクザ屋さん、
現役合格の東大生だが引きこもりの若者
ライターだが人に好かれずに失業寸前の女性
定年後の生活を送るこなれた年金生活者

この人達が一般公募された小笠原のセミナーに行く。

人生再生セミナー「第三回小笠原塾」
受験費用50万円、11日間
元経団連会長が事務局の代表とあって
費用と期間が半端でなくとも参加者は28名!
セミナーが終了したものには再就職先を斡旋するとあって
セミナー受講に熱がこもる。

セミナーは母島のホテルの一次セミナー
テストの合格者だけが二次セミナーに進む事が出来る。

東大生は楽勝で合格し、元ヤクザ屋さんは辛くも通過
ライターと年金生活者も合わせて1グループで行動する事になる。

こなれた年金制生活者以外はギクシャクとした対人関係が
元ヤクザ屋さんの遠慮のない対応に、否応無く仲間意識を目覚めさせる。

色々あって・・・
ライターともとヤクザ屋さんは無事職を得る。

読み進むうちに一次セミナーの問題を解いていたり
二次セミナーの在り方にチャチを入れていたり
結構真面目に読んじゃいました。

結局の所、セミナーは「自己の確立」ではないか?
(やはりまじめに考える)

題名の通りの教習所
あるいは小笠原のガイドブック
そんな側面を持つお勧めの一冊です。

それにしても、ヤクザ屋さんは絶滅危惧種か?
ヤクザを隠してゴルフをして逮捕されたヤクザ屋さん
「わるい事をしたとは思わない」のコメントが笑えた。
行為がわるいのではなく、存在が悪

存在が悪であっても、元ヤクザ屋さんのこの主人公(?)
憎めない人柄ではある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする