日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

池井戸潤著「ようこそ、わが家へ」

2013-07-25 | 読書
「鉄の骨」に続き、池井戸潤の二作目
「ようこそ、わが家へ」小学館文庫
「・・わが家」とあっては読まないわけにはいかぬ、と思いつつ
堂場瞬一の新シリーズを探したが見つからずに代わりに買った一冊



戦慄のストーカー・・恐怖のゲーム・・帯の文字
恐怖は怖い(あたりまえ)ホラーものは避けたい、
だが表紙のメルヘンチックに助けられて買った。

超真面目で、冴えない風貌の銀行員
取引先に出向し総務を担う。

会社からの帰り道、電車の割り込みを咎め、苦言を呈する。
赤の他人に文句を言う事などないが、つい言ってしまった。

自宅への道の途中でくだんの男に付け回され
その後花壇が荒らされ、猫が投げ込まれ
家を見はられ、車が荒らされる。

警察に通報しても止まる事なく、ラチがあかない。

出向先では社長のお気に入りの営業職に疎んじられ・・
八方塞がり状態。

だが、家族4人は仲良く結束し
「自分はわるい事はしない」
「自分の事は守る、過剰防衛はしない」
そんなスタンスを貫きつつ、無事難関を乗り切る。

冴えなくとも、迫力はなくとも、
間違った事をしない。

ストーカーはゲームと言い切る息子に
相手と同じルールで戦う事をいさめる。

理不尽な目に遭ったら、相手と同じ目線に立たない
土俵から下りる。

つまらない人生なんてない、他人をうらやむ事はしない
一生懸命に生きる・・それが最大のドラマ。

内に勝れたものを秘め、表立って行動はしなくとも
自分で納得出来る生き方こそ、ドラマだなあ~~

・・と、思わせられる一冊です。
コメント
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