映画「あなたを抱きしめるまで」

先日映画を見て来た。
「あなたを抱きしめるまで」公式サイト
あまりにリアルな題名に躊躇していたが（原題フィロミナ）
新宿ピカデリーで見た。

フィロミナはうら若い時に子供を宿し親に修道院に送られた。
アイルランドの修道院では同じ境遇の女の子たちを
過酷な労働にこき使い、子供の面会は一日に1時間だけ
順繰りに子供を引き離し何処かへ送ってしまう。

フィロミナは50年間子供の事を隠し通して来たが、
子供の誕生日に娘に告白し
元ジャーナリストのマーティンと探す事にする。


（写真はyahoo映画からお借りしました）

生死も分からぬ息子を捜し、アメリカへ行き
「私と暮らしていたら、こんな生活は出来なかった」
貧しい生活だったフィロミナは
明らかになる息子の暮らしや性癖を受け入れていく。

やがて、生別れにさせた修道院の修道女と対面するも
非難する事もなく、聖職者を越えた一言を発する。

アイルランドで起きた実話をそのまま映画化
聖職者の過激なまでの断罪の言葉や
ジャーナリストの黒白をつまびらかにさせたい姿勢に対し
起きてしまった事の全てを受け入れていく市井の人フィロミナ
気高い人間性を見た。

息子の生き方に手を差し伸べなくても良かったゆえの
受け入れと諦観だったのだろう、と思い至った。


女優の名声を博している主人公役のジュディ・ディンチ
以前に見た映画「マリーゴールドホテルで合いましょう」で知ったが
素晴らしい演技だった。

題名で躊躇したが見て良かった、
しみじみと感動した映画でした。

そうそう、修道院にラファエロの「大公の聖母」の絵が見えたっけ・・