日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

熊谷達也著「光降る丘」

2016-06-29 | 読書
今月初めに読んだ一冊
熊谷達也著「光降る丘」角川文庫刊



仙台在住作家が3.11を挟んで描き出した
「真の復興の物語」とあるが・・

物語は第二次世界大戦で行き場を失った農家の次男坊達
国の施策に従って、岩手宮城県の山奥の開拓に移り住んだ。
巨木を倒し、山を開発し、仲間達と結束して生計を立てていた。

開拓一代目の苦労の成果の素に、二代目が継ぎ、三代目が繋始めた
現代のその時、山一つが、谷の幾つもが崩壊する大地震が起きる。
帯の3.11に記述で東北の震災を思い浮かべたが、違っていた。

東北の地震から5年、熊本地震から2ヶ月
それより以前の2008年6月「岩手・宮城内陸地震」M7.2 震度6強の地震があった。
wiki「岩手・宮城内陸地震」

山あいの温泉宿が潰された、映像に記憶があった。
作家は戦後の開拓団の物語のつもりだったが(たぶん)
東北の震災を契機に忘れ去られようとしている
「岩手宮城内陸地震」
(地域以外の人は忘れていた。)
忘れてはいけない、忘れさせてはいけない、、
そんなつもりで方針転換を図ったのだろう。(想像です)

10年にも満たない間に、大きな地震が立て続けに起こるなんて
日本中安全地帯なんか無い・・そんな思いがしながら読んだ。

他人事と思っていても、当事者達は一生懸命に山を開き
地震があっても打ち捨てずに、復興に歩む人々。
臨場感たっぷりに描き出している一冊です。

是非お読みください。
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