日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

小池真理子著「記憶の隠れ家」

2012-12-15 | 読書
正月休み用に買った本を読んでしまった。

小池真理子著「記憶の隠れ家」講談社文庫



1995年単行本から3年後に文庫化され第20刷目

作家小池真理子の本は今まで読んだ事がなかったが
表題に「家」が付く本にはつい手が伸びてしまう。

中編六編の全てに「・・・の家」が付く

小学校の同級生と偶然再開した女性
乞われるままに自宅を訪れ懐かしいながら驚愕の事実を知る「刺繍の家」

バラックに老人を尋ねつづける妹と兄の秘密「獣の家」

継母の突然死の後の家片付けで知る継母の奥深さ「封印の家」

無くした妻の不倫相手の同級生と再会し真相を知る「花盛りの家」

中学教師を辞め久方ぶりで会ったもとの教え子の真実「緋色の家」

父の介護で田舎に引っ越し、山荘でで突き止めた夫の謎「野ざらしの家」

いずれにも、「死」「記憶」「家」が深く入り込んで
事件当時は思い及ばなかった真実に至る6編
一編一編に帯の「驚愕のラストシーンで、世界が鮮やかに反転する」そのまま

人の記憶はあやふやで、長い間に自分に都合の良いように編集し直す。
そう出なければ、心の均衡が保たれず
時には自分さえも入れ変えてしまう。

そんなミステリーに彩られた充実の六編です。

私の昔の記憶だって当てにならない・・だろう。
大きなドラマはなくとも、小さな思い違い記憶違いは小説以上かもしれない

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