草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

民主政権で劣化する政治と日本崩壊の危機

2010年09月01日 | 思想家
 政治の劣化もここまでくると、もはや喜劇である。ただただ嗤うしかない。民主党代表選で、政策論争を期待する向きもあるみたいだが、もはや国民は、誰も信用していないのではないか。小沢一郎は菅直人を官僚の手先だと決め付けている。一方の菅は菅で、小沢がダーティであると攻撃している。本人たちは、そうしたネガティブキャンペーンで、相手を圧倒できると思っているに違いない。情けない話である。そこまで言うのであれば、一緒の党にいることが間違いなのである。「今さら言うなよ」と野次りたくなる。党の綱領もなく、選挙に勝つためだけの政党だから、野合していただけなのだろう。共通していたのは、反自民という一点だけだったのだろう。しかし、この国はどうかしている。国民が無方針、無節操の政党に政権を委ねたわけだから。もうここまでくれば、自民党政権時代に戻りたいというのが、本音ではなかろうか。政権交代さえすれば、景気は良くなるし、自殺者も減ると言って回った連中は、今回の民主党代表選を見て、恥ずかしくないのだろうか。江藤淳は、平成6年1月号の「諸君!」で、とんでもなく恐ろしい予言をしていた。「君主制であれ民主制であれ、あらゆる制度が常に崩壊の危機をはらんでいるということに、平成5年の日本人はまだ気がついていない」と嘆いて見せたからだ。そして、本当のパニックにならなければ、日本人は目覚めないとまで言い切ったのである。その予言通りであれば、もっともっとおぞましいことが、次々と起こるのだろうか。民主党政権の誕生によって、その崩壊の危機が現実のものとなってきており、保守派の力が試されるのは、まさしくこれからなのである。

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菅、小沢しか選択肢がない不毛な代表選

2010年09月01日 | 思想家
 今の民主党政権がこのまま三年も続けば、それこそ日本はおしまいになってしまう。菅直人首相と小沢一郎前幹事長のどちらが勝つにせよ、それをきっかけに新たな保守勢力が主導権を握らなければ、日本の政治はこの先真っ暗闇なのである。保守主義を定義するにあたっては、高山岩男の『教育哲学』が参考になる。そこでは保守と革新との違いを明確に述べているからだ。「革新を誇張して考え、急進的な革命に暴走する人々は、譬えていうなら、跳躍を試みる場合、踏切りの台や石の如き固定したものを置かずに跳躍するようなものである。不動の踏切り台がなければ、踏切って前に進むことは不可能なこと、誰しも知る簡単な力学の理である」と書いているが、そこで強調されている踏切り台というのは、過去から受け継がれてきた文化や伝統のことであり、それを尊重するのが保守主義なのである。日本の思想界やジャーナリズムには、すぐに進歩とか改革とかに飛びつく風潮がある。しかし、人間の歩みというのは、一歩、一歩の積み重ねなのである。今回の民主党代表選騒動でも、菅首相、小沢前幹事長、鳩山由紀夫前首相のお粗末ぶりが明らかになったが、じっくり腰を据えた、安定した保守政治でなければ、右往左往するだけなのである。

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