草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

孫文の精神を忘れた中共の膨張主義

2010年09月07日 | 思想家
 民主党に代表されるようなエセサヨクの東アジア共同体については、とんと興味がないが、三木清が昭和研究会の一員として提起した、欧米帝国主義から東洋を解放しようという東亜共同体については、それなりに評価するのにやぶさかではない。今は亡き広松渉にしても、同じことを考えていた節があり、保守派としては避けては通れない問題であるからだ。しかし、三木が提携しようとした支那は、当時はまだ眠れる獅子であり、清の異民族支配から脱したばかりであった。かつては日本が大陸にコミットしたが、今では東アジアに脅威をもたらしているのは、中共の軍拡なのである。三木が東亜共同体を唱えたのは、大正13年、孫文がに神戸において、演説した「大亜細亜主義」を念頭に置いていた。そこで孫文は、欧州人の覇道に対して、アジア人の王道を強調するとともに、「道徳を講じ仁義を説かなければなりません」と説いたのである。支那の民衆は、その王道が何であるかを熟知していたとしても、中共指導部は、強力な人民解放軍によって支えられているだけに、膨張主義にストップをかけることができないでいる。いくら民主党政権が理想論を振りかざしても、王道を忘れてしまった相手と一緒になるのは、そもそも難しいことなのである。

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菅や小沢は国を救う維新者にあらず!

2010年09月07日 | 思想家
 菅直人も小沢一郎も維新者ではないし、さりとて冷徹な革命家でもない。二流、三流の政治屋でしかないのである。大東塾の影山正治が昭和14年の『怒涛』に載せた「維新者の信条」と題する一文がある。村上一郎の『明治維新の精神過程』でも取り上げられているが、維新者の定義について共感を禁じえなかった。「維新史上、最も涙と詩に富んでゐたものは西郷南洲と吉田松陰であらう。最も涙と詩に欠けてゐたものは岩倉具視と大久保甲東であらう。南洲・松蔭の道は維新者の道につながり、岩倉・大久保の道は革命家の道につながる。/革命家は憎しみに立ち、維新者は涙に立つ。革命家は憎悪をもって斬り、維新者は涙をもって断つ。その本質において詩人たらざれば真の維新者たることを得ない」と書かれていたからだ。西郷と松蔭が今も日本人の心をとらえて離さないのは、村上が指摘しているように、「維新者は正しい意味での浪人でなければならず」という精神を体現していたからだろう。維新者には涙と詩がつきもので、ある種の悲しみを背負っているからこそ、時代のヒーローとなったのである。今の時点では、民主党代表選で優勢が伝えられている菅は、思いつきをヘラヘラ喋っているだけで、まったく実感がこもっていない。小沢は小沢で、権力欲だけで、大義については一言も語らない。二人とも心に落ちてくるものがないのである。変革期にこそ、日本を背負って立つ維新者が待望されるのに、菅や小沢ごときしか、総理大臣になる政治家がいないのが、今の日本の不幸なのである。  

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