福島県西部に位置する会津にまでは、深刻な影響がないと高を括っていたのに、現実は甘くはなかった。いくら福島第一原発から西に約100キロ離れていても、放射性物質による汚染は、おかまいなしなのである。会津若松市追手町の福島地裁会津若松支部の敷地内にある側溝から、1キログラムあたり約18万6千ベクレルのセシウム137が検出された。去る16日に明らかになったもので、それがテレビや新聞で報道されると、会津全体に衝撃が走った。会津観光のメッカ鶴ヶ城のすぐ近くで、そうでなくても観光客が激減しているだけに、影響は計り知れないものがある。福島地裁としては、福島県や会津若松市の指導を受けて除染することにしているが、10万ベクレルを超える場合には、放射線を遮蔽できる施設で保管することになっており、簡単には処理はできない。また、そうした危険な箇所は数多くあるはずで、早急に各市町村が検査体制を強化すべきだろう。もはや風評被害だとか言って、のんびり構えているわけにはいかない。とくに注意しなくてはならないのは、教育施設の敷地や通学路、さらには乳幼児が遊ぶ公園などである。原発事故が発生してからも、今一つ会津では危機感が乏しかった。しかし、今回のことでようやく目が覚めたはずだ。
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