草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

会津鶴ヶ城近くの側溝から18万6千ベクレルのセシウム検出

2011年08月17日 | 災害

 福島県西部に位置する会津にまでは、深刻な影響がないと高を括っていたのに、現実は甘くはなかった。いくら福島第一原発から西に約100キロ離れていても、放射性物質による汚染は、おかまいなしなのである。会津若松市追手町の福島地裁会津若松支部の敷地内にある側溝から、1キログラムあたり約18万6千ベクレルのセシウム137が検出された。去る16日に明らかになったもので、それがテレビや新聞で報道されると、会津全体に衝撃が走った。会津観光のメッカ鶴ヶ城のすぐ近くで、そうでなくても観光客が激減しているだけに、影響は計り知れないものがある。福島地裁としては、福島県や会津若松市の指導を受けて除染することにしているが、10万ベクレルを超える場合には、放射線を遮蔽できる施設で保管することになっており、簡単には処理はできない。また、そうした危険な箇所は数多くあるはずで、早急に各市町村が検査体制を強化すべきだろう。もはや風評被害だとか言って、のんびり構えているわけにはいかない。とくに注意しなくてはならないのは、教育施設の敷地や通学路、さらには乳幼児が遊ぶ公園などである。原発事故が発生してからも、今一つ会津では危機感が乏しかった。しかし、今回のことでようやく目が覚めたはずだ。

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死者と子孫のことを考慮するのが保守派の政治思想だ!

2011年08月17日 | 思想家

 政治家といわれる人たちは、生者のためにだけ政治をすべきではない。この世を去った者たちや、これから生まれてくる者たちのことも考慮すべきだろう。靖国神社の参拝にこだわったり、福島第一原発の事故に心を痛めるのは、そこにこそ政治の原点があると思うからだ。そのことを明確に言い切ったのは柳田国男である。「国家ハ現在生活スル国民ノミヲ以テ構成スルトハ云ヒ難シ、死シ去リタル我々ノ祖先モ国民ナリ、其希望モ容レサルヘカラス、又国家ハ永遠ノモノナレハ、将来生レ出ツヘキ我々ノ子孫モ国民ナリ、其利益モ保護セサルヘカラス」(「農業政策学」)。マスコミが頻繁に世論調査なるものが行っていることもあり、それに一喜一憂している政治家も多いようだが、それでは間違った結論を出しかねない。橋川文三は柳田の思想について「国家が永遠の存在であり、死者と子孫とを含めた悠久な生命体であるという政治思想である」(『柳田国男―その人間と思想―』)と解説している。私たち保守派の国家観とは、まさしくそのことなのである。しかし、戦後の日本は、そうした政治政治思想に与するのではなく、生者の経済合理性だけを追求してきたために、惨憺たる状況を呈することになってしまったのだ。今こそ「過てば則ち改むるに憚ること勿れ」(『論語』・金谷治訳注)ではないだろうか。

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