菅直人政権で財務大臣を務めた野田佳彦を、どうして私が評価するだろう。原発事故への対応がデタラメであったことで、今でも福島県の子供たちは、死の灰を浴び続けているのだ。それだけに、新首相に就任すると言っても、期待する気にはなれない。根っからの保守派であっても、周りがサヨクなわけだから、きっと合わせるに違いないし、かえってサヨクに擦り寄っていくのではなかろうか。一昨年の政権交代以降、これで民主党は三人目の首相である。国民もよくこれまで付き合ってきたと思うが、ダチョウ倶楽部の上山竜平とそっくりで、コメディアンのような顔し、まるっきり大物らしくない政治家が日本の政治のトップに立つのは、日本にとって幸福なことなのだろうか。マックス・ウエーバーは、支配の正当性として、伝統的支配、カリスマ的支配、法的支配の三つをあげている。とくに、政治的指導者には、国民を魅了するカリスマ性が求められるのだそうだ。現在のような危機的状況下にあっては、なおさらではなかろうか。しかし、野田にはそうした魅力が微塵もない。それなりの人望があるのは、仲間内の面倒見が良かっただけだろう。それで日本国民を束ねることができるのだろうか。民主党の権力闘争はどうでもいいが、これまで以上に日本丸の前途が危ぶまれてならない。
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