NHKをまともなテレビ局だと思っている人は少ないと思う。どのような方針で編集され、ニュースや報道番組が流されているかは、不透明そのものである。蓮舫の二重国籍問題にしても、ほとんど取り上げられない。日本人以外や二重国籍の職員もかなりの数にのぼるとみられる。国民から受信料を取るばかりでなく、国の補助まで受けて運営されているにもかかわらず、特定のイデオロギーを振りかざす体質は一向に変わらない▼来年一月に任期が切れる籾井勝人会長の再任を阻止する動きが出てきた。共産党などを支持するか、それに近い者たちが要望書を提出した。偏向報道がやりにくくなったので、いちゃもんを付けているだけなのである。そこに元NHK職員まで加わっているというのだから、笑止千万である▼山本夏彦は偉かった。テレビやラジオはかくあるべきと語っていたからだ。「アナウンサーはビルの火事だからといって、大声で叫ぶことは許されない。ぼやだからといって小声で報じることは許されない。いつも同じ音量で、同じ調子で伝えなければならない。だからそれは私の耳を打ったのである」(『笑わぬでもなし』)▼同じ声の調子でアナウンサーが伝えることを外部が批判するのは、とんでもないイデオロギー偏重なのである。かつて山本は新聞がつぶれる時代であるのを指摘していたが、大組織に胡坐をかいているNHKだって同じなのである。
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