草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

政治は魂の救いとは無縁であることを肝に銘じるべきだ!

2016年11月14日 | 思想家

政治家が今こそ心に銘記すべきは、政治は倫理ではないということだ。岩波文庫のマックス・ヴェーバーの『職業としての政治』を翻訳した脇圭平は、あとがきのなかで、そこで書かれている要点を解説している。わずかな行数であるが、全ていいつくされているような気がしてならない。政治家を志すのであれば、その言葉を厳粛に受け止めるべきだろう▼「キリスト教的絶対真理と相容れない政治の世界に身を投じた者が魂の救いまで期待することは許されない。目的と手段の緊張関係は、ここでは他のどんな生活領域におけるより厳しい。善からは善のみが生ずるといまだに信じている者がいるとすれば、それこそ政治のイロハもわきまえない政治的未熟児である」と断言しながら、「政治の論理がしょせん悪をなす倫理であることを痛切に感じながら、『それにもかかわらず!』と言い切る自信のある人間だけが、政治への『天職』をもつーこうヴェーバーは結んでいる」というのだ▼思いが純粋であれば、結果はどうなってもいいというのは、政治では通用しない。平和を声高に叫ぶ者たちが、結果的には中共の日本侵略に手を貸している。日本のリベラルが駄目なのは、現実を直視する勇気がないからだ。かつてない危機が日本を脅かそうとしている。政治家はあくまでも結果責任なのである。

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米国頼みでなく日本は日本人の手で護るべきだ!

2016年11月14日 | 安全保障

橋下徹が口にした、米軍の駐留経費を全て日本が払うというのは、第一線で頑張っている自衛隊を愚弄するものだ。トランプが口先だけだと思うのは、あまりにも浅はかである。安倍首相が拒否しているのに、橋下は出しゃばるべきではない▼いくら金が絶対だとしても、米軍が忠誠を誓うのは、アメリカという国家に対してである。商人であるトランプにそんな空手形を切れば、日米交渉に悪影響を及ぼしかねない▼許せないのは傭兵を頼りにする根性である。自らの祖国を死守するために、血を流す覚悟がない国家は滅びるのである。橋下は戦後民主主義に毒されてしまって、三島由紀夫が述べていたように「命よりも大事なものがある」のを忘れてしまってはいないか▼マックス・ウェーバーは、第一次大戦でドイツの選局が厳しいなかで、青年を前にして訴えたのだった。「戦争において、諸君は誰も、何ゆえにまた何のために死ぬるか知っている。山野に屍をさらす者はやがて芽生ゆべき将来の種子である。われわれの民族の自由と名誉のための英雄死は子子孫孫のための最高の業績である。かような死ほど大きな栄誉、価値ある終焉はない」▼国家に身を捧げるのは崇高な義務であり、それを傭兵に任せるというのは、祖国日本への愛がないからだ。橋下は「民族の自由と名誉」などどうなってもよいのである。

 

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世界の潮流はグローバリズムからナショナリズムに!

2016年11月14日 | 思想家

世界は新たなナショナリズムの時代に突入したのではないか。グローバリズムの反動であるのか、それとも手堅い現実主義への回帰であるのか、一概には決めつけられない。しかし、トランプのアメリカ大統領当選に続いて、オーストリアやフランスでも極右といわれていた政党が伸長し、大統領の座を狙っている。世界は今大変動期を迎えつつあるのだ▼ナショナリズムを論じた論客としては、三島由紀夫と論争した橋川文三がいる。橋川の『ナショナリズム その神話と論理』は古典的名著とされている。そこでルソーの二重性が取り上げられていた。世捨て人で無政府主義者であったルソーは、その一方でナショナリズムの礼賛者であった。橋川は『社会契約論』のなかのルソーの一文を紹介している。「かの自称コスモポリタン、人類を愛するからこそ自分の国を愛するのだと理由づけているが、それはなんびとも愛さない特権を享受せんがために、全世界を愛すると公言しているのである」。あの有名なルソーの一般意志は、愛国心やナショナリズムの産物なのである▼日本を取り巻く国々が反日的な動きを強めるなかで、日本人のナショナリズムが高まってきている。排外主義と断罪してすむ問題ではない。敵に対しては一致して身構えるのが、一民族一国家の日本の特徴でもあるわけだから。

 

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