アメリカの大統領選挙がどうなるか、世界は固唾を呑んで見守っている。目下のところクリントンが優勢だと伝えられているが、日本にとって気がかりなのは、アメリカの対中政策がどうなるかである。日本を敵視する中共に、これまで以上にアメリカが弱腰になれば、日本は自前で自分の国を防衛するしかなくなる。香港や台湾は共産党独裁の脅威にさらされている▼昨日は香港中心部で、民主派の議員やデモ隊に対して警察官が襲い掛かり、逮捕者も出たといわれる。反中政党「青年新政」の議員二人が、10月の立法議会での就任申請で香港の独立を主張したために、中共の介入による議員剥奪の可能性が高まっている。それを阻止すべく民主派が立ち上がったのである。独立に向かいつつある台湾への圧力も強まっている。いうまでもなく、チベットやウイグルでは民族虐殺が公然と行われている▼アメリカは自由と民主主義を後ろ盾とする国家であったはずだ。中共寄りの政治家が大統領になれば、東アジアの秩序はあっという間に崩壊するのである。先の大戦で日本はアメリカと戦った。その原因となったのは支那大陸をめぐってであった。日露戦争以降、日本の台頭を恐れたアメリカは、当時の中華民国を支援し、日本を戦争に追い込んだのだった。アメリカは同じことを繰り返すべきではない。日本との同盟関係を否定するようであっては、日本としても考えざるを得ないからだ。
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