草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

天皇陛下の公務軽減は摂政で対応するのが国柄に合致する!

2016年11月15日 | 思想家

天皇陛下のご譲位をめぐっては、ようやく国民の冷静に判断できる環境が整えつつある。去る7月13日にNHKが世紀のスクープとして報道したのが始まりであったが、そう簡単に年号が変わったり、天皇陛下がご譲位なさるのは、政治の安定の上からも好ましくない。日本の歴史のなかで、院政であったのは平安時代の後期。権力闘争に利用された苦い思い出がある▼「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長=今井敬・経団連名誉会長)は今日、第4回会合を首相官邸で開き、前回に続き専門家へのヒアリングを行ったが、ご譲位を容認する発言をしたのは、6人のうちの2人にとどまった。有識者の一人である渡部昇一が述べたように、あくまでも摂政で対応するのが筋なのである▼天皇陛下の意向であられるかのようなマスコミの報道は、日本の国柄を損ないかねず、もっと有識者の意見に国民は耳を傾ける必要があるだろう。あくまでも天皇陛下は国民とともにあられるのである▼西田幾多郎は「我国の歴史に於て皇室は何処までも無の有であった」(『日本文化の問題』)と書いている。皇室は主体として存在するのではなく、その背後にあって、日本人の国柄を形成する源泉であった。常に日本人の先祖に対して祈りを捧げておられる天皇陛下は、御自らのことをよりも、国民のことを第一に考えてこられた。だからこそ、国民は大君として仰ぎ奉ってきた。その根本に手をつけることは、断じて許されることではないのである。

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トランプの登場はパクス・アメリカーナの終わりではないか!

2016年11月15日 | アメリカ

トランプによってアメリは今後も超大国であり続けるのだろうか、それとも分断国家として没落していくのだろうか。その点については誰も語ってくれないが、アメリカという国家にも、逃れられない運命というものがあるような気がしてならない▼モンテスキューは「帝国の偉大さによって共和国が滅びたとすれば、ローマ市の偉大さがやはり共和国を滅ぼしたのである」(『ローマ盛衰原因論』井上幸治訳)と書いている。ローマの支配がイタリアにとどまっていたときは、共和国の存続は容易であった。しかし、ローマが版図を次々と拡大すると、征服地において将軍は絶大な権力を手にするようになった。さらに、征服者であったローマは、諸民族に様々な特権を与えた。そこでローマは変質を余儀なくされた。ローマ市民であることは虚構にすぎなくなったのである。ローマ衰退の原因はそこにあったというのがモンテスキューである。▼「もはやもとのローマではなく、人民がただひとすじに同じ精神をもち、自由にたいして同じ愛情をいだき、暴政にたいしては同じ憎悪を感じる都市ではなかった。ーいまやイタリアの諸民族は、ローマ市民となり、各都市はローマに自分の才能や、個別的利益をもたらし、ローマの幾人かの偉大な保護者に従属していった。分裂したローマ市はもはや一つの統一体をなすものではなかった」。かつてパクス・ローマがそうであったと同じように、パクス・アメリカーナも終わりに向かっているのではないか。「帝国の偉大さによって共和国が滅びた」というのは、何とも皮肉なことではないだろうか。

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