つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

秋山郷(5) 秋山郷民俗資料館

2010年05月09日 | 名所
                 秋山郷民俗資料館創設者の山田みやさん

秋山郷の屋敷には秋山郷民俗資料館がある。
山田重幸さんの家のすぐそばになる。
何回も訪問をしたことがある。
ここの息子の山田寿章さんは画家であり、秋山郷の里山風景を描いていて、時々東京の銀座などで個展を開催している。案内が来るので個展には必ず訪れていろいろお話を伺う。このブログでも紹介をしたことがある。

山田重幸さんの案内で今回も尋ねて行った。
寿章さんは留守であったが、母親の山田みやさん(82歳)が資料館を管理していた。
資料館を訪れる観光客も次から次へと来館してきた。

入口には次のように案内の解説文が掲示してあった。
『夫婦で作り上げた秋山郷の民俗資料館はこうして誕生した』
昭和48年4月民俗資料は郷土にあってこそ意義があると確信して夫婦で集めた。
民具、風習物など数百点を部屋の中に所狭しと並べてきました。
吾が家を秋山郷民俗資料館として開放するようになりました。
秋山郷の人々が長い間かかって造り上げたその一つ一つの生活の知恵には潤いを忘れた現代の人々をひきつける何か大きな魅力を秘めております。
山国で秘境だ奥信濃といっても秋山郷は平家の落人の里とも呼ばれ、冬は陸の孤島にもなるところです。
私達夫婦は、今この地で生活しその残された民具、風習、信仰を昔の人々が暮らした創意と工夫を見るにつけ、いかに貧困に耐えて来た当時の人々が苦労と我慢強さがひとしおうかがわれます。
この秋山郷の歴史と文化を今迄支えてきてくれた祖先の努力を秋山郷に住む私共が秋山人の心の源流を探り、滅びてゆく、忘れかけた遺産を大切に守り後の世の子供に伝えたいと思い資料館として始めました。
昭和48年7月開館

私達は囲炉裏の部屋でお茶と山菜の煮物や漬物をご馳走になりながら、山田みやさんから昔の話を聞かせてもらった。
子供が生まれるときは女の衆が協力をして出産の手伝いをしたようだ。とり親となった女の人は、実の母親と同じようにその生まれた子供が大きくなるまで強い絆で結ばれている。
山田みやさんは、話をしながらでも周りの人達のことを気遣いお茶を入れたり山菜を盛り付けたり立ったり座ったりしており、とても元気な秘訣がそのようなところにあると考えてしまった。

(5月9日記)
コメント (2)
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