「目は口ほどにモノを言う」という言葉は日常の会話にもよく使われる。その時の感情を言葉に出して言わないが、目がその代わりをする。 とくに “ 怒り” や “ 悲哀 ” の感情は目が言葉の代わりをする場合が多い。
仏画曼陀羅アート教室では、いまの画題として「達磨」を描いている。模写しながら筆運びの練習を行っている。仏画制作でも同じであるが、顔を描くのが最後の作業になっている。それは、顔の表情で、その仏画の本旨を表現するため。その表情をつくるのは「口もと」と「目」である。その代表的な画題が周知の「達磨」さん。
シンプルな画題ではあるが、シンプルほど難関かもしれない。とくに達磨を描く場合、バランスや立体表現として体の線を描くが、見せるのはやはり顔である。「睨みをきかせる顔」が達摩の特徴。達磨は、笑ったら負けよ、という言葉遊びがあるように「微笑の顔」はタブーである。
今回の画題で練習を重ねていく中で一番難しいのが目だと皆さん口を揃える。とくに目の中の黒丸の大きさ、位置などで描きたい達磨さんの顔にならないという。怖い表情の中でも、穏やかな睨み、人情味あふれる睨みを目だけでつくるのは難しい。試行錯誤が続くが、いまの段階で描いた「達磨」を見ていただくことにした。
「思いは、口ほどに表現できない」というのが、いまの実感かもしれない。
リポート&写真/ 渡邉雄二 達磨制作/ 仏画曼荼羅アート教室の皆さん
尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます