先日、今津紅寒桜をみた帰りに、海に近い酒蔵(さかぐら)通りを自転車で走っていると「今津灯台」のサインボードが目に入った。この機会に灯台の写真を撮ろうと立ち寄ってみた。かなり前に一度遠くから見ただけなのでなんの知識もない。このたびマジかで見ると、そんな私でも興味をそそる歴史感のある雰囲気の灯台だった。
西宮はご存じのように銘酒蔵の地である。酒蔵通りという道路周辺には日本でも有数な大手酒造会社が軒を連ねている。ご存じ、大関酒造をはじめ日本盛酒造、白鷹の辰馬本家酒造、白鹿酒造などそうそうたる酒造メーカーなど。
この今津灯台について調べてみると、この灯台は、酒造メーカーの一つである大関酒造の長部家五代目長兵衛氏によって、江戸にお酒を運ぶ樽廻船(たるかいせん)の航海の安全を願って1810年に建てられものと記されてあった。1984年に、創建当時そのままの姿に復元され、現在では西宮市指定文化財に登録されている。1968年に正式に航路標識として許可され、現役の木造の灯台としては日本最古のもので200年以上の歴史がある。
大関酒造五代目長部長平衛氏の石碑がはめ込まれている
樽廻船の石碑
電気制御になるまでは、大関の丁稚さんが毎日油を持って火を灯しに通っていたという。現在はもちろん自動制御で点灯するが、ちょっと珍しい緑の灯り。見ての通り、灯台の後方に大きな水門が完成し景観が損なわれている。また、現役灯台としての役割が果たせなくなっているため今年移転することが決まっているようだ。
場所は、新川の東側(今と反対側)の少し南側。新川の東側に移るという事で、灯台の灯りが緑から赤に変わるという。
船の安全航海の道標を成してきた灯台の灯を時代が変わろうとも灯し続けてほしいものである。
リポート&写真/ 渡邉雄二
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