世界文化遺産 天龍寺の曽源池(そうげんち)庭園は、日本初の国の史跡・特別名勝に指定された最高峰の日本庭園。
桜やツツジ、新緑、紅葉、雪景色など四季の移り変わりを愉しむために多くの人たちが訪れる。目
に入る景色は美しすぎる世界である。
風を感じ、彩を愉しみ、葉擦れやせせらぎの音を聞き、石の形や役割を想像し、
生きる喜びを五感で感じる世界が広がる。
斯界で何かが欠けるとバランスが崩れることもある。
いままで大きな存在感を示していたモノならなおさらである。
この曽源池庭園で大きな守護存在として生き続けた「赤松」が、
原因は定かではないが枯れてしまい長きの命を閉じた。
東南角に龍のごとく庭園を見守り続けた一本の松が、今年のコロナの渦中に伐採されたのである。
世界文化遺産の寺院一角の、一本の松ではあるが文化遺産の処遇等で京都府・市の許可をとって
事が進められたようである。
守護龍を思わせる赤松の存在を長い間見てきた者には、枯れた姿は儚くも寂しい姿に映っていた。
昨年、取材をした際はすでに伐採することが決まっていた。
今年に入り、確認の電話をしてみた。残念ながら・・・という返事だった。
そして一昨日、書院から眺めた景色にはその勇姿はなかった。
しかしながら、私の脳裏にはいつまでも逞しい姿が焼き付いている。
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