山鉾巡行の数日前に山鉾建ての様子を見に行った。数基見て回った中で印象に残ったのが綾傘鉾の垂(しだ)りの絹地に描かれている4体の「飛天」。
この飛天は、女性に信仰が厚い寺として名高い「法界寺(ほうかいじ)/京都市伏見区」の国宝阿弥陀如来堂の10体の壁画が下絵となっている。その中でもとくに華麗な4体が、この綾傘鉾の垂りとして復元された。素朴な古代色が使用された壁画の色調を忠実に再現されているのが特徴である。
綾傘鉾の巨大な和傘の淵に垂れる、金糸を織り込んだ絹地に飛天が優雅に舞う姿は圧巻の美である。巡行に寄り添ってみたが多くの人を楽しませていた。
文・写真/ 渡邉雄二
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