雲龍院の書院には「悟りの間」という部屋がある。そこには、四角い「迷いの窓」と、丸い「悟りの窓」がある。入口近くの「迷いの窓」は人生における苦しみを象徴し、「生老病死四苦八苦」を表しているといわれている。そして奥にはある「悟りの窓」は真円で、禅における悟りの境地を表し、宇宙が表現されているといわれている。そして窓越しに、四季折々の景色が楽しめるようになっている。
さらに床の間には、仏画と般若心経のお軸が掛けてあり、坐禅を組む設坐の部屋のようにも思える。瞑想し般若心経を唱える部屋として存在したのだろう。
禅宗系の寺院でよく一筆で書いた円や、円い障子窓をよく見かける。この雲龍院の悟りの窓もそうであるが、これを円相(えんそう)という。禅における書画のひとつで、図形の丸を一筆で描いたもの。「一円相(いちえんそう)」「円相図(えんそうず)」などとも呼ばれる。 悟りや真理、仏性、宇宙全体などを円形で象徴的に表現したものとされるが、その解釈は見る人に任されている。また、円窓と書いて「己の心をうつす窓」という意味で用いられることもある。 また始まりも終わりもなくスムーズに流れ続ける動きは、仏教のとらわれない心、執着から解放された心を表わしている、ということである。
一筆の円相は、今朝書いたもので、心が治まらない心境が見えている。もう一枚は、昨年、円相の中に仏画を描いたときの一枚である。
写経同様に、たまに筆をもち、心を治めるためにと思って書いてみるが、なかなか思うように書けない。しかしながら、楽しいものである。
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