「浪華の魁(さきがけ)」、と言われてもピンとこない。
現物を見せられてもよう分からない代物だ。
タテ8㎝、ヨコ15㎝、そして厚みが3㎝ほどの冊子である。
表紙は色厚紙がめくれボロボロ状態だが、中身はきれいに保存されている。
奥付に、発行日が明治15年1月19日とあった。
挿絵付の店頭風景が充実した大阪の業種別商人名鑑である。
この時代は、まだ内閣制度の前の太政官制の時代で議会政治が始まろうというとき。
大坂(阪)では東区を中心とした商いの町「船場」が活発に賑わっていたころである。
そのとき繁盛していた商店の名簿である。これに掲載されている商店は、
当時、数多くある商店の中のパイオニア的存在として一斉を風靡していたようである。
貴重な物を見ることができた。驚いたことは、当時から多種多様な商店の数が実に多いことにびっくり。
その中でも、武田薬品工業、小野薬品、コニシボンドなどの薬品問屋さん、
そして飲食分野では花外楼、駿河屋、鶴屋八幡、渋谷利兵衛商店などが挿絵で掲載されている。
この絵を見ると当時の商売の雰囲気がリアルに伝わってくる。
写真にあるいくつかの商店は、いまも健在で一部上場企業として、
また老舗店として現在でも隆盛を極める企業として存在している。
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