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二体一対の「阿吽の呼吸」【石峯寺・須磨寺】

2020-04-23 15:54:01 | 歴史遺産「仏像」

「以心伝心」「暗黙の了解」という言葉は、とくに日本人には普遍的な人間の現象として認識され理解されている。いま風にいうなら、非言語コミュニケーションスタイルかもしれない。信頼関係があるなら “言わなくても分かる” という風潮である。それが脈々と日本人の心の伝承文化として定着してきた。

それが、二体一対の金剛力士像(仁王像)で阿形と吽形という形で表現され、「阿吽の呼吸」として根付き多くの場面で生かされているのは言うまでもない。

今回は、数年前に訪ねた神戸の二つのお寺の金剛力士像を紹介する。北区の岩嶺山の山麓に、真言密教の修行道場の「石峯寺(しゃくぶじ)」と、須磨区にある「須磨寺(すまでら)」。

石峯寺は、651年にインドの僧により開基された。山麓丘陵地に伽藍を建立され、その当時は、東西二里、南北一里に70余の建物があり一山寺院が形成されていたようだ。

その仁王門に、歴史を感じさせる仁王像が安置されている。補修された形跡が随所にあり、また色が微かに残る程度で古さを感じさせる。拳を握る「阿像」と掌を広げる「吽像」が象徴的に造られている。

一方、須磨寺の仁王像は「阿像」がしっかりと手に握りしめる金剛杵がよく目立っている。ちなみに造像は、運慶と湛慶(運慶の子/ たんけい)の作と伝えられている。


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