数年前に煎茶会で訪れた四天王寺の本坊玄関の衝立には見事な松の画が描かれていた。
そして待合いの大広間の中庭には黒松だろうか、あるいは五葉松だろうか、それは見事な松が広がっていた。
煎茶席で使った茶室が「和松庵」という。松下幸之助氏が寄贈されたものと聞いた。さらに座談会が行われた「方丈」の床の間には、歴史を想像させる中国松の壁画が描かれていた。"松"づくしである。
四天王寺はなぜこんなに松との関わりが深いのか、という疑問が湧いた。
歴史的建造物や庭園には、松は不可欠な定木である。松は天に昇る龍をイメージさせる縁起樹であるのはいうまでもない。
それにしても"松"へのこだわりが強いような気がしたので少し調べみた。
それは極楽門と西重門の間に「鎧かけ松」と呼ばれる有名な松の木がある。この松は、源義経がここ四天王寺に一宿をとったときに、ちょうどよい高さの松を見つけ、自分の鎧をかけた、という伝説が伝わりこの名称になったようだ。
この伝説が、四天王寺の松づくしと深い関係があるのかも知れない。改めて松への執着が深まりそうである。
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