中国では、城や寺院に必ず「門」が存在する。日本の鳥居や山門にあたるものであるが、その存在感は極めて大きい。それは、中国文化のルーツとして中国人の暮らしに根付いている「風水」というのが大きくかかわっているようだ。
それを見てとれるのが、横浜中華街にある10基の門である。そのうちもっとも風水に影響された主門が、東の「朝陽門」、南の「朱雀門」、西の「延平門」、北の「玄武門」の4基である。
調べてみると、風水思想のベースになっている五行説では、それぞれの方角を表す「色」と「聖獣」が決められている。東は「青」で「青龍」。南は「朱(赤)」で「朱雀」。西は「白」で「白虎」。そして北が「玄(黒)」で「玄武」。これらのモチーフが煌びやかに反映されている見事な主門である。
中国では古来より、皇帝が城を築くとき、城内に入ってくる邪気を見張るために東南西北のみに通路を開き、門衛を置いた。それらは「春夏秋冬」「朝昼暮夜」という陰陽五行に基づく色である「青赤白黒」で彩られ、さらに各方位の守護神として人々に根強く信仰された四神を据えたといわれている。
横浜中華街を大きな城として、関帝廟や媽祖廟を中心に伽藍が形成され、その城内には数多くの中華飯店が軒を連ねている。それらを守る主門4基が東西南北に建てられ、守護神が邪を見張り城内(街)の繁栄と安全をはかるために大きな役割を果たしている。見て(写真)のとおり、門柱が青・赤・白・黒と色分けされている。
朝陽門(チョウヨウモン)
日の出を迎える門。朝日が街全体を覆い繁栄をもたらす。守護神は青龍神。色は青。
朱雀門(スザクモン)
厄災をはらい、大いなる福を招く。守護神は朱雀神。色は赤。
延平門(エンペイモン)
平和と平安のやすらぎが末永く続くことを願う。守護神は白虎神。色は白。
玄武門(ゲンブモン)
子孫の繁栄をもたらす。守護神は玄武神。色は黒。
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